Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Chiffone

2012年01月17日 | Cafe Sweets



本当に久しぶりに、シフォンケーキを焼きました。卵がたくさんあったので。
そしてなんだか、上手に焼ける気がして。

お正月、義理の母は毎年、鎌倉へ商売繁盛の祈願に行きます。
自営の水道屋のおかみとして、まだだ現役、最前線で事務を切り盛りする義母。

…『会社は私の命なの』
という義母には、きっと私たちには分かりえない、特別な思いがあってのことなのでしょう。
私たちの生活の充足も、この義母の『命』の会社があってこそ…
私自身の祈りの先は、特に鎌倉を向いてはいませんが、できる限り、母の鎌倉初詣には毎年同行したいと思っています。

そんな、ちょっぴり不純な動機のワタクシにとっての毎年恒例・年頭の鎌倉での楽しみは、初詣客でごった返す
小町通りの散策と、帰りに立ち寄るカフェでのひととき。

駅前の通りから一本入り小さなアーケードを抜けたところにある、こぢんまりした吹き抜けの空間に位置するシックなカフェ。高級感のある調度品と薄暗い照明で、ちょっと隠れ家的な落ちつきのある場所です。

そこでのわたしたちのお目当ては、丁寧にいれられた美味しい珈琲と、ケーキのショーケースに並ぶ生クリームをたっぷりまとったシフォンケーキたち。
お正月の冷たい空気と初詣帰りの雑踏を離れ、わたしたちはそこでホッと一息つくのを、ひっそり楽しみにしているのです。
今年もやはりこのカフェで、美味しい時間を過ごしてきました。


…震災のほんの数日前に、思いがけず受けたマドレーヌの大口注文を焼き終わって以来、実はわたしはケーキをまったく焼いていませんでした。

色々、理由はあるのですが…なにかこう…不毛な気がしてしまって。

星の数ほどあるケーキ屋さんのケーキケースを飾る、宝石のようなケーキの数々。わたしたちの住む町にも、数年前にお洒落で美味しいケーキ屋さんができました。
自分みたいな小さな者が、決して良いとはいえない条件の下、不十分な設備と技量で、時間を削り労力を費やし、ケーキを焼くということに、意味を見出せなくなってしまった…というか。

震災という、日常がひっくり返ってしまうような出来事を目の当たりにして、今日を生きるだけでも精一杯の方々がおられることを知りつつ、あれやこれやこだわりながら、食べて一瞬でなくなってしまうもの、しかもケーキという嗜好品のようなものを、一介の主婦であるわたしが作ることに、なんの意味があるんだろうと…。

いくらこれをがんばってみたところで、そこから生活の糧を得るほどにはできないのだという、色々な現実の壁にも直面し、少々気持ちが萎えてしまったのでした。

…今思えば、嗜好品だからこそもっと気軽に何も考えず、家族や友人のために、どんどん作りたいものを作ればよかったのに、と思います。
そのことで作るほうも食べるほうも、ほんのひとときでも心が豊かになったり華やいだりするのであれば、それはそれで、いいじゃないか、と。

…もしかしたら、そうしているうちに見えてくるものも、あるのかも、知れませんし…ね。


どんより曇った月曜日の朝、今日はぜひ、シフォンケーキを焼こうと思ったのでした。
卵がたくさんあったので。そしてなんだか、上手に焼ける気がして。

10日前にあのカフェで見た、圧倒的に魅惑的なシフォンたちをイメージしながら。
何も難しく考えず、ただ『おいしくなあれ』とだけ、つぶやきながら。

…出来栄え?…そうね、シフォンのように、なんだか心がふわりと軽くなった気がしますわ^^











confiture

2011年02月08日 | Cafe Sweets


フランスパンがうっかり固くなってしまった日の翌朝…我が家では、フレンチトーストが朝食メニューになります。

ハルくんママがうちに来たとき、『これでもかぐらいのバターで焼くと美味しいよ』と実践つきで教えてくれてから、
それまでヘルシーにオリーブオイルで焼いていた我が家のフレンチトーストは、
ダンゼンこんがりバター風味に決まりました。

こないだ、コストコのバターまとめ買いのお誘いにのってから、なんだか豊かに使ってもいい気がしてしまって…笑

それにしても!コストコのバターは安い!
誘ってくれた親愛なるRちゃんのお宅の冷蔵庫をはじめてみたとき、バターが大量にストックされているのを見て『バター好きにもホドがアルッ』と思ったものでしたが…
いや、そうか。こうやってまとめ買い、しておくのだね?

さて。
そのRちゃんがお得意のコンフィを作ったというので、お願いして分けていただきました。ラ・フランスを枇杷の蜂蜜で炊いたというコンフィは、なんともうっとりなお味。かわいらしい小瓶にかわいらしいタグまでつけてくれました。

さすがのセンスなRちゃん。
もう何度も、販売したほうがいい!!と言ってるのに…謙遜な彼女は、いやぁ~売れませんよ…
いや、買いますよ。ワタシ。

バター好きRちゃんのコンフィを、バターたっぷりで焼いたフレンチトーストに乗っけてサーブ。
もうこれは、『パンの再利用』と呼ばせない、立派なカフェメニューではあ~りませんか!








Buche de Noel 2010

2010年12月24日 | Cafe Sweets
                  

1300kmの距離をものともせず、Gabbie'sのブッシュドノエルを所望してくださる声に誘われ、2年ぶりに作りました。

前回、大分の山奥の仮住まいのキッチンで、何日も夜なべして作ったことを思い出しながら、あのときに聞いたCDなど引っ張り出して、聞きながら。

他にご挨拶の焼き菓子のセットも作ったりしていたため、今回は本当に小ぢんまりと3本だけ。オーダーいただいた愛する姉妹と、もうひとりお世話になった方、そして今年は自分の家用にも。
いつもいつも、オーダーをこなすので精一杯になってしまう私なのですが…肝心の一番身近な大切な人たちのために、やっと作ることができました。


Gabbie'sの定番ブッシュドノエルは、店主が卒業したコルドンブルーのルセットに忠実に、カフェとブランデー風味をそのままに、バタークリームの甘さやスポンジの軽さを日本人の口にも合うよう調整し、キャラメリゼしたアーモンドをちりばめて仕上げます。
joyeux noelの翼の形のプレートは、天使ガブリエルがコンセプトのGabbie'sとしては必須アイテム。クリスマスの度に世界中で語られる、キリスト誕生の史実に登場する天使。おとめマリアに受胎告知するのが、この天使ガブリエルなものですから。
大理石の上にチョコを溶かして型を抜き…ひとつずつ、こころを込めて作っています。

2年ぶりのブッシュドノエル作り、大丈夫かなぁ~と思い、ドキドキお祈りしながら仕込みましたが、いやぁ無事に仕上がり、感謝でした!

…やっぱり、どんなに忙しくても、パテシェールの端くれとしては、この時期にブッシュドノエルを作らないというのはいけないな…と、なんだかつくづく思いました。
コーヒーと洋酒、バタークリームの甘い香りに包まれて、今年一年を振り返り、感謝を捧げる。
…イエス様、こんな私のために生まれてくれてありがとう。

美味しかったという言葉も嬉しいのですが、これを作っている時、誰よりもきっと自分が恵まれるから。


   Wish you all a very merry Christmas !!!    Gabbie's Cafe 店主


p.s.
冷凍便で遠く九州まで飛んでいった分は、後日無事に届いたという連絡をいただき、ほっと胸をなでおろしました。(モーセをかごに入れて川に流したお母さんも、きっとこんな気持ちだったんだろうなぁ…笑)




Galette des Rois

2009年02月02日 | Cafe Sweets
 
        クリスマスのブッシュ・ド・ノエル、そしてそれに続くのが、一月のガレット・デ・ロワ。

一月の頒布会でお作りしていました。今年も10人ほどの『王様or女王様』が誕生したはずなので、パテシエとしては本懐を遂げた気分です。

そう、お正月におせちが欠かせないように、フランスではこれを食べるのは一月と決まっているのです。だからなんとか一月中にこれをアップしたかったのですが…忙しさにかまけて、気付けばもう二月…。今もRが膝の上をよじ登って来ているので、ダッコしながらキーボードも片手打ち…こんな状態では気の利いたことも書けないな…
でもそんなことを言っていると、まんまと二月も終わってしまいそうなので(笑)、何はともあれペタッと貼り付けておこう、今年のガレット・デ・ロワ。

                              


今日の昼間は、ぽかぽか春を思わせるようなあたたかさでした。裏口を開けていたら、家のすぐ裏を流れる小川の向こうの空き地に、もうすでに菜の花が黄色い花を咲かせていてビックリ!
散歩の途中で見上げれば、木々も新しい葉を芽吹くための、小さな穂を膨らませ始めています。

朝晩はまだまだ息の白い日々ですが、自然は確実に春を迎える準備を始めていることに気がつかされました。


  さぁ!一月のガレットもアップしたし、私もそろそろ春に向けて、新しい一歩を踏み出すとするかな…?


         皆さんの新しい一歩も、輝きの季節に向けて祝福されることを祈りつつ…







Fig Tart

2008年11月17日 | Cafe Sweets

先月から、身近な方たち向けにケーキの頒布会をしています。子育ての傍らしていることなので、あくまで規模は小さく…件数は数えるほどですが、楽しみながら作らせていただいています。願わくば召し上がってくださる方も、楽しんでいただけていれば良いのですが。

毎月変わりでご希望の日にあわせて違ったケーキをお作りする頒布会。こういう企画ってちょっとワクワクしますよね。ちなみに先月は、以前もご紹介したニューヨーク・チーズケーキでした。

そして11月は…晩秋らしく、こちら。無花果(いちじく)のタルト。地元で採れて、農協の市場に所狭しと並ぶ無花果。生で食べるにはぱっくり割れたものがいいのですが、コンポートにするには、まだ割れていない早生っぽいものが向いています。赤ワインと砂糖、そしてスパイスやバニラで煮てコンポートに。身が崩れないように、2度に分けて火を入れるのが、コツといえばコツでしょうか。

生で食べるとちょっと甘さに欠ける気がする無花果ですが、こうしてコンポートにしたものは、ちょっとビックリする美味しさです。冷やしてそのまま食べてもとろりとした実にプチプチした種の食感がたまりません。

基本的に焼き菓子が好きな私。今まで出会った焼き菓子に入っている無花果は、たいていドライにしたものでした。なんとか旬の美味しさを閉じ込めたタルトに出来ないか…と思って作ったのがこれ。ジューシーで香り高い無花果とさっくりタルトが絶妙なハーモニーだと自負しています。無花果の実を閉じ込めたアーモンドのフィリングには、香ばしい皮付きのアーモンドプードルを混ぜ、素朴な、けれどもしっかり存在感を主張してくれるタルトに仕上がりました。

ガビーズのお菓子は、そんなに沢山のレパートリーがあるわけではありません。店主が美味しい!と思ったものだけを、作っていきたいと思っています。自分が美味しいと思うから、ついつい切れ端やハンパ生地のものなどを『う~ん、やっぱり美味しいよなぁ…』なんて言いながら食べてしまい…近頃少々カロリーオーバー気味の店主です(笑)。

           

久しく待ちにし電話を待つ間…無花果タルトが2台も焼けてしまいました…『小一時間』と言いながら、もう3時間…まだかかってこないなぁ。

       魅惑的な焼き上がりの香りに包まれた、秋の夜長はふけていきます…







After The Fair

2008年11月04日 | Cafe Sweets


      週末に、大好きな友人の雑貨屋さんSUNNY DAYSで催された『おいしいものフェア』。
川崎という場所にもかかわらず、1300kmも離れたわたしもお菓子を出させていただき、それは本当に本当に、驚くばかりの恵みの体験でした…。

9月から住み始めた小さなアパートのキッチンで、ゴスペルをBGMにひとつひとつ丁寧に焼き菓子を仕上げていく…至福の時でした。
今まで住まっていた田舎家は、台所からオーブンまでは三段上がって細い廊下を肩をすぼめながら約10歩。小さな焼き菓子は一回の焼き時間も短いから、オーブンの天板を持ってキッチンとオーブンを行ったり来たり…正直、大変でした(笑)。思ったように上手く焼けないときは、身も心もがっくり疲れてしまったりして。

今度のキッチンは、小さな空間でなんでもすぐに手が届く。ラベルを打ち出すPCとプリンターもすぐ横。座敷まで上がって作業していたのとは格段に手勝手のよさが違います。
子供たちはキッチンの隣りの続き間で寝ているから、二階の部屋で泣いていないかしら…と心配しながら作る必要もないし…

動線がスムーズだと、仕事もはかどります。ゴスペルのBGMは、自然と作る手に祈りを込めるのを手伝います。作業毎に『主の、栄光!Glory,to God!』とつぶやいている自分を発見したりして。


約一年ぶりに焼いたマドレーヌとガレットブルトンヌ。何度も何度も焼いたものだから、ブランクがあっても不思議と手が動きます。
フルーツケーキと、ユダヤの伝統菓子『ジューイッシュ・クッキー』はもうかれこれ10年近く作っていなかったからいささか不安ではありましたけれど、やっぱり示されて作ることに。こねて、寝かして、のばして、焼いて…それぞれ工程は違っても、みんなモトは、神様が天からくださった食材で出来たもの。

粉は国産、卵は地元の有精卵、フルーツは無農薬…という風に、安全で質の良い食材選びにこだわっているガビーズのお菓子。この時代に良質の材料は、確かに割高。でも、だって、お菓子は嗜好品、そして贅沢品ですものね。豊かな気持ちでつくり、豊かな気持ちで食べて欲しい。そんな思いを込めて材料を選んでいます。神様の傑作の原材料に、店主はちょこっと手を施すだけ。あくまで主役は材料であって欲しいと思う。けれどもだからと言って、手を抜くのとは違います。材料が最高に輝くように、手がける私も真剣勝負。

また、お菓子というものが嗜好品・贅沢品なだけに、ただ作り、提供するというだけでは終わりたくない…そんな風にも思っています。ガビーズのお菓子を選んでいただいた皆さんには、食べると同時に、気付かずにでも誰かの手助けになっていていただきたい…と思っています。

この飽食の国・日本で、お菓子を当たり前のように口にすることができる幸いを喜びつつ、同時にその日の食事にすら事欠く人々が、おなじこの地球上におられることについて、無頓着でいたくないと思うのです。
だからガビーズのお菓子の売り上げの10パーセントが、日本国際飢餓対策機構に捧げられています。それは、大きな飢餓の問題に対しては、大海の一滴、焼け石に水のようなささやかさ。けれども何かをしていることで、し続けることで、私は自分のなすべきことを見失わずにいたいと思うのです。


…さてさて、そうこうしている間に、どの子もどの子も祝福されて『いいお顔』でオーブンから出てきました。
網の上で冷まされて、袋に詰めたら出発です。天使のお菓子たち、羽を生やして飛んでおゆき。SUNNYへ、そしてそれぞれの、みこころの場所へ。

遠く離れた愛するSUNNY DAYSでは、土曜の朝には開店待ちのお客様もおられるほどの賑わいだったとか。無事到着したガビーズのお菓子たちも、素敵にディスプレイしていただいて沢山のお客さんに買い求めていただいたと、店主のあっちゃんから聞きました。
その様子を思い描きつつ、ああ、自分もその場所にいたかった…と、この距離を切なく思いつつ、でもやっぱり、なにやら嬉しくてじんわり涙が出ました。

…あっちゃんの送ってくれた画像を何度も眺めつつ、願わくばまた次のフェアにもおいしいものをお作りできたら嬉しいなぁと思っています。
そしてその時にはもう、私たちはSUNNYのすぐ近くにいるかもしれない…。
天来の祝福は、限りなく私たちの上に振りそそぎ、それを糧に私たちはまた歩みます。愛する人々と神と共に、さらに次のステップへ。

                    







おいしいものフェア

2008年10月14日 | Cafe Sweets

この夏、川崎に行った時、友人の営む大好きな雑貨屋さん“Sunny Days”へ立ち寄りました。そしてその際に店主のあっちゃんから“11月においしいものフェアをするので、久しぶりにお菓子を卸しませんか?”とのお誘いをいただきました。

…神様は、本当に不思議です。夏の引越しがすっかり落ち着いて、ちょうどボチボチお菓子を作り始めた今、こうしてまた機会をいただけることに、本当に感謝があふれます。季節も、バターの溶けすぎないちょうど良い頃となりましたし、新しい自分だけのキッチンで、自分のペースでお菓子を作れることに、いまからワクワクしています。

この計画を知る何ヶ月も前に、漬け込みフルーツを仕込みました。漬け込めば漬け込むほど豊かな味が出るドライフルーツ。当時私は、家族のあんなことこんなこと、次々と起こる出来事に心身ともに大忙しで、“果たしてまたこのフルーツを使ってお菓子を焼ける日など来るのかしら…”なんて、まったく先の見えない日々を送っていました。いろいなことに自信をなくし、“もうお菓子作りは引退して隠居してしまおうかな…”なんて弱気になった時もありました。

けれども“またお菓子を作る日々”は、ちゃんとやってきました。色んな必要に引っ張り出されて重い腰を上げることになった今月。まったく別の方向から、二件の注文をいただいて作ったケーキたちが、私に再び腕まくりをする元気をくれました。

何ヶ月もの熟成を経た、漬け込みフルーツの瓶のふたを開けてみる。はじめに投入した洋酒とスパイス、そしてフルーツの、どの風味とも違う第三の芳香が立ち上り、鼻をくすぐります。それはそれは、えも言われぬ豊かな芳醇な香り…全てを忘れてしばし恍惚としてしまいます。
何にもしていないように見えても、実は瓶の中では神様の魔法が、着々と進んでいたのですね。

でも、なんだかそれは、私たちの人生にも似ている…実はそんな風に感じています。時間は、決して伊達に経つものではなく、私たちのことを豊かに熟成させてくれるもの。無駄な時間なんてひとつもない。それは癒し、休ませ、そしてあらたなるものに、私たちをつくり変えてくれる。。。

ふたつの大きなガラス瓶を前に、あれを作ろう、あんなのもいいな…と焼き菓子のイメージがどんどん広がっていきます。


半月後、私の手から羽を生やしたお菓子たちが旅立つところ、遠く離れた愛する土地、川崎のSunnyのお店に並んでいるところ、そしてあなたのお口に入るところをイメージしつつ、今は祈りをもって備え、最善のお菓子を焼くための、天来の愛と力を求めているところです。


 「おいしいものフェア Vol.2」at Sunny Days  2008.11.1(sat) 11:00~


【SUNNY DAYS】
小田急線・向ヶ丘遊園駅下車、南口を出て改札を背に左方向にロータリーを歩き、ミスドの前を通り過ぎてさらに50mほど行くと見えてくる、5階建ての白タイルのビルの1階の、道に面してお店の前に籠がいっぱい出ているお店。それがSunny Daysです。

11:00-19:00 木曜定休日。





アマルフィで朝食を

2008年03月01日 | Cafe Sweets

あれよあれよという間に三月。“一月は行っちゃう、二月は逃げちゃう、三月は去っちゃう”という言葉を聞いたことがありますが、本当にその通り。特に今年の二月はいつもより一日多かったはずなのに、ブログの更新もできぬまま、まんまと逃げられちゃいました。

子供と一緒の生活は、日常の中でもびっくりすることあわてることの目白押し。ドラマチックな日々なのです。
バタバタしているうちに、買ったバケットが固くなってしまう…なんてこともしばしば。でもがっかりしないで、子供も大好きなフレンチトーストに変身させれば大丈夫。

たまたま、瀬戸内海の岩城島からお越しになったお客さまから、レモンのクリームをいただきました。ツーリングの聖地、しまなみ海道を横に見るこの島は知る人ぞ知るレモンの名産地。日本のアマルフィと、私は勝手に名づけています(笑)

メープルシロップをかけるのが定番の我が家のフレンチトーストも、今日はレモンにあわせてハチミツがけ。絶妙なマッチングで、くまのプーさんも誘われてきそうな美味しさなのでした。

  子供たちも朝からたっぷりおかわり。でも入口につっかえるほどは、食べないでね。。。





N.Y.Cheese Cake

2008年01月30日 | Cafe Sweets

Gabbie'sのケーキを初めてカフェに卸したのは、かれこれもう10年前。コルドンブルーのパテシェコースに通いながら、新しく一人暮らしを始めた横浜緑区で、家の近くの国道を車で走っていると、通り沿い左側に本格的なカナディアン・ログハウスがたっているのに気付きました。五月晴れのまばゆい日差しの午前中、ウッディな玄関先に鉢植えの緑がしたたっていたのが、ひときわ私の目を引きました。

“ここの人たちは、きっと素敵な人たちに違いない…”そんな私の直感は、間違っていませんでした。

我が愛する“ログ・キャビン”は、ログビルダーのY野兄弟が、車のモデルルームとして使われていたログハウスを買い受けて移築し、半分をカフェ・バーに、もう半分を園芸家の友人に託してポットやプランツのお店に仕立て上げたものでした。
ひと目でほれ込み…というよりもなにやらただならぬ運命を感じて、洋ナシのタルトを手土産に、勇んで面接に行った日のことは今も忘れられません。

“ログ丸”の舵を切るオーナーの“おかしら”と、その弟・Kojiさん。そしてゆかいな乗組員たち…(そんな中にいずれ伴侶となる人もいたのですが…ま、それはさておき)。私にとってのログでの時は決して長い間ではなかったけれど、私のパテシェとしてのキャリアのスタートを過ごした大切な大切な時期でした。このログのことは、またいつか、折に触れて書き残しておきたいと思います。

                     

さて、入口を入ってすぐ横のケーキケースの中で、いつも一番人気を博していたのがこの“NYチーズケーキ”。いつも切らさずケースにあるように心がけていました。時には毎日納品しないと間に合わないことも。。。私がケーキを卸せなくなって以降、折に触れて“もうあのチーズケーキはないの?”との問い合わせをいただいていたと聞くと、申し訳ない気持ちと同時にうれしくもありましたっけ…。
18cmのケーキの中にフィラデルフィアのクリームチーズがほぼ2箱、たっぷりと入っているのが何といっても味の決め手。それはそれはリッチな、コクのある味わいです。最後に生地に加えるバニラビーンズのつぶつぶもチャームポイント。ひとくち食べれば、その味わいにもう虜…もしかしたら私のケーキの中で、一番リピーターの多いケーキかもしれません。

最近、人気のチーズケーキ店がなくなってしまってお嘆きのあなたに、ぜひとも一度お試しいただきたい自信作。全国発送、承ります☆

             





王様のガレット

2008年01月06日 | Cafe Sweets

 新年あけましておめでとうございます。今年もGabbie's Cafeをよろしくおねがい申し上げます!

新年早々ご来店くださったあなたに、本日は王様の気分を味わっていただきたく、特別なお菓子をご用意いたしました。その名も「王様のお菓子」ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)でございます。

フランスでは、これを食べなければ正月は来ないといわれるほど大切なお菓子。2000年前、ベツレヘムを訪れた東方の三賢人によってイエス・キリストが神の子として見い出された日のことをエピファニー(公現祭)と呼びますが、そのお祝いとして食べるという伝統菓子です。
そのエピファニーとは毎年1月6日。そう、今日のことではありませんか!…と言うわけでさっそく作ってみました。
                   

このお菓子と初めて出会ったのは、やっぱりコルドン・ブルー。シェフがこのお菓子についての色々な秘密と魅力を話してくれました。パイ生地をのばしてアーモンドのクリームを閉じ込めて焼くだけ…のシンプルなものですが、生地の表面に艶出しの卵を塗ってナイフでつける模様のパターンが色々あって、それぞれ意味を持つのだとか。。。たとえばこの模様は「家内安全」祈願、たとえばこれは「商売繁盛」祈願…などなど。どうやら一年の初めに特別な願い事をしたいと望むのは、洋の東西を問わぬ人情のようです。
                       
  

もうひとつのガレット・デ・ロワの魅力は、中に隠されたフェーブ(空豆の意)。イギリスにはクリスマス・プディングの中にコインを隠し、それに当たった人がラッキーという習慣がありますが、これもまた同じです。ガレット・デ・ロワにはしばしば紙でできた王冠が付いていて、このフェーブを引き当てた人が、その日の王様としてその冠をかぶり、皆に祝福されるのだとか…

その昔はガレットの中に空豆を仕込んで焼いたためそう呼ばれますが、今は陶器製の可愛らしい「フェーブ」がたくさん売られています。こんなものをケーキの中に入れて焼くのか!?と言うようなカラフルなものばかり。私は買いそびれてしまいましたが、ぜひ見てみたい!という方はこちらをどうぞ…

                 
さぁぁて、こんがりパリッと焼きあがったガレット・デ・ロワを召し上がれ。パリでは街角で巨大なガレットを切り売りしていたりするのだそうですが、そんな中からフェーブを引き当てたら、やっぱり悪い気はしないでしょうね!

                   





かぼちゃパイ

2007年11月04日 | Cafe Sweets

TVOPのゴスペル仲間、北海道にいるファイヤーから、立派なかぼちゃを5個も戴いてしまいました!なんでも今年はかぼちゃが豊作で、収穫も大変だったとか。こんなに大きいんですもの、そりゃあ一苦労だったことでしょう!どれどれ…なるほど!叩いてみると響くようないい音がします。

“栗のようにホクホクで美味しいよ”という彼女の言葉に、期待絶大で包丁を入れてみます。しっかりと実が入っていて、はじけるように開いた切り口から鮮やかなかぼちゃのオレンジ色が。うわぁきれい!と、思わず叫んでしまいました。
                      
 

これは久しぶりにかぼちゃのパイを作ろう!素晴らしい食材に出会うと創作意欲がムクムクと湧いてきます。さっそく腕まくり!…おっと、でもちょっと待って。こんなにたくさんなのだから、我が家だけで楽しむだけでなく、沢山作って今度の日曜日に教会に持って行こう。

…そして土曜日、大きな蒸し器にたっぷりのお湯を沸かし、2回に分けて丸々1つ分のかぼちゃを蒸します。蒸しあがったかぼちゃは、ファイヤーの言うとおりホックホク!そのままぱくっと食べたくなる衝動を抑えつつ、あつあつの実を皮からはずしてフードプロセッサーへ。混ぜながらブラウンシュガー、卵、生クリームを次々に加えて行くと、次第にかぼちゃはやさしい黄色のペーストへと姿を変えていきます。
  
                      

シナモンとラムで風味付け…気がつくと、ある歌を口ずさんでいました。私にとってのかぼちゃのパイとのはじめての出会いがこの歌の中でした。まだ小学生だった頃、同い年のいとこがきっと叔父夫婦が好きで聴いていたのであろう、さだまさしさんの“パンプキンパイとシナモンティー”という曲を教えてくれました。早口言葉のようにたくさんの言葉が並ぶ歌詞を、さださんお得意のリズミカルで流れるような調子で歌っていたのが印象的でした。
物語のように歌われる曲の中で、小さなドラマが繰り広げられます。“バラの形の角砂糖2つ”…という歌詞が、当時はとてもおしゃれに思えたけれど、今はバラの角砂糖なんて、ついぞ見かけなくなってしまったなぁ…なんて考えながら、かぼちゃのパイを作るといつもこの歌を口ずさんでしまう私です。

      

かぼちゃのフィリングが出来たら、冷ます間にパイ生地を伸ばし、パイ皿に敷き込みます。フィリングを詰めたらフタになるもう一枚のパイ生地をかぶせて形成、ハケでツヤ出しの卵を塗ります。

前回かぼちゃのパイを作ったのは子供たちが生まれる前、勤めていたログハウスのカフェ&バー
“ログキャビン”のカウンターの中でした。焼きあがったパイがまだ温かいうちに、5、6人の奥様たちが午後のお茶に入ってきたので、焼きたてをお勧めしました。ほろほろ崩れるパリパリのパイを切り分けるのにも苦労するほどで、まだ中身のフィリングからは湯気が上がっていました。焼きたてのパイを、みなさんたいそうお気に召し、残りのピースはテイクアウト用としてご所望に…。
心をこめて焼いたお菓子を、絶妙なタイミングで誰かが食べてくれる。“お菓子は食べる人がいてはじめて完成する”ということを、初めて実感した時でした。その時の嬉しかった気持ちは、きっといつまでも忘れることができません。。。
                      

200℃の窯(オーブン)の中で、何層にも重なったパイがおもしろいように膨らんでいきます。部屋の中にかぼちゃの甘い香りが漂いはじめると、ついつい必要以上にオーブンを覗き込みたくなってしまったりして。窯に入る時、冷たくぺったんこだった生地は、出てくるときは見違えるようにふっくら美味しそうな焼き色がついています。
朝6時に火を入れて教会へ出発するまでに、3台のパイを焼き上げました。さぁ車の中を、焼きたてのかぼちゃパイのいい匂いでいっぱいにして出かけましょう。食べてくれる人が、大勢待っていてくれますから。

            

   パンプキンパイの魔法が効いて、恋しいあの人に、何年越しの想いが届くと良いな…!





Gabbie's Famous…

2007年10月28日 | Cafe Sweets

          Gabbie'sでは、ただいまバナナ・ナット・マフィンのご注文を受付中!

完熟バナナとくるみのふんわりした優しい味わいのマフィンを、6個セットでお届けしています。値段は1箱1,200円。

このバナナマフィンを、私はもうどのくらい作り続けているのでしょう…。Gabbie'sの看板商品のようなお菓子です。
これを沢山焼いて毎週金曜日のゴスペルのリハーサルに持って行っていたこともありました。
先日その頃の友人が、もう10年近く経つというのに、メールで「そういえば美味しかった…」と言ってくれた、このマフィン。そろそろ“Famous”という肩書きをあげても良い気がしてきました(笑)。

…さて。このGabbie's Famous Banana Nut Muffinsを作るためには、これでもかというほど完熟させたバナナが必要です。
黒いホシがでてきた程度では全然足りません。皮が薄っぺらくほとんど真っ黒になって、中身は透き通るほど熟したもの。普通に食べるには、もう熟れすぎていて美味しくない…というくらいのものがふさわしいのです。
店先で、売るには熟れすぎて半額ぐらいになっているのがあるでしょう。あんなのを買ってきて、更には室温でもうあと10日ぐらい放っておく勇気と忍耐が、このマフィンを作るときの秘訣です。
大丈夫、バナナというヤツは、ぶつけた傷なんかがないかぎりそうそう腐ったりしないものなんです。

ずっと守り続けているクラシックなレシピの中で、今回新しくしたのは「くるみ」でした。ずっとカリフォルニア産を使っていたのですが、偶然出会ったフランス産と食べ比べてみて愕然。味の濃さというか、こくというか、甘みというか、とにかく味が格段に良いのでした。

若い頃の自分は、フランスと言えばなんとなく華やかなイメージばかりにとらわれていたような気がします。でもフランスって、れっきとした農業大国なのですよね。自給率の高さが何よりの証拠。
“黄金の丘・コートドール”などと言えばなんだかやたら神々しく、崇高なワインを造る芸術的なイメージがついてきますが、考えてみればあれだってただの(笑)畑。ワイン造りも立派な農業です。そして彼らワイン農家たちは、日本の稲作農家とまったく同じ悩みを抱えていたりする。。。当たり前のことですが、農村に暮らしてみて初めてフランスと言う国を、農の国としてみるようになった気がします。
その農業大国のくるみがこんなに美味しいのは、ごく自然なことかもしれません。少々値は張りますが、この違いに納得で採用です。

小麦粉は純国産で、卵は地元の新鮮なものだけを使用。そこにブラウンシュガーをプラスして沢山の空気を抱き込ませ、生地に優しいふわふわ感を持たせるのがGabbie's流。
よく見かける6連のマフィン型ではなく、ひとつひとつ離れているプリンのカップを使います。オーブンの中で膨れた時にあふれないギリギリの量の生地を入れ、一度に焼くのは4つだけ。火の回りが良く、一番きれいに生地が上がり、均等の焼き色がつく数です。


こうして焼きあがったマフィンが冷めたら、ひとつひとつ大事に袋に入れ、箱に詰めます。ちゃんと包んだはずなのに、袋からもれる完熟バナナの香りの実に濃厚なことにビックリしながらね。自然に熟れたバナナって、香料なんて使わなくてもこんなにいい香りがするんですね。こういうの、なんだか嬉しくなります。

店主をご存知の方は、個メールにて注文をお受けしています。mixiのサイトから「gabriel」のハンドルネームとトップ画像を手がかりに検索していただいても、個メッセでご注文いただけます。ギフト用のラッピングもご用意していますよ☆

           

 ※追伸。ちなみにGabbie'sの売り上げの10%は日本国際飢餓対策機構の働きに捧げられます。






クロテッドクリーム

2007年09月04日 | Cafe Sweets
      http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/a48bd152c9e10a269e853273cb1674e6

以前、スコーンというイギリスのお菓子をご紹介した際、そのお供にクロテッドという名のこくのあるクリームが欠かせない…とお話したことがありましたが、覚えておられるでしょうか?

いにしえの昔から、イギリス人とティータイムは切っても切れぬ縁。一日の食事が朝と夜の二度きりだった時代、貴族の婦人が、午後の空腹を癒すために始めたというのが、アフタヌーンティーの始まりだったと、いつかどこかで聞いた覚えがあります。

10年前、母と二人でイギリスを旅した時、ロンドン行きの国内線に乗るとちょうど午後のお茶、つまりアフタヌーンティーの時間にひっかかりました。たった一時間あまりの空の旅でしたが、きちんと出てきた午後のお茶。紅茶に、スコーン。そしてその横には、ポーションになったジャムとクロテッドクリームがそえられていました。

私たち日本人には、ついぞ縁のないこのクリーム。どうやらイギリスではあって当たり前のもののようです。いったいどのようなものなのかと、お思いでしょう?
このクロテッドクリーム、日本でも作られているのですがまだまだ一般には出回っていません。試してもみましたが、やはり本場のものとは随分違う…というのが正直な感想です。
ということで、ちょっとお高いのですが本場のクロテッドクリームを取り寄せてみました!

                               

9月になり、猛暑もすこし和らいだところなので、久しぶりにオーブンに火を入れてスコーンを焼いてみます。日本では見かけないような珍しいビンのふたには、「コインで開けてください」と書いてあり、言われるままに五円玉でこじ開けてみます。中にはヨーグルトかしらと思うような真白いクリームが…。
スプーンですくった感じは、まるでアイスクリームのようです。ビンに「ダブルクリーム」と表記されているように、このクリームは私たちが知っているクリームより脂肪分が多く含まれています。

このクリームを、焼きあがって二つ割にしたスコーンにジャムと一緒にたっぷりとのせていただきます。イギリス人たちの乗せるそのクリームの量たるや、「スコーンを食べている」というより「クリームを食べるためにスコーンがある」といっても過言ではないほどですから、ここはひとつそれに習って、これでもかというほどたっぷりと…!

乳脂肪分48%かと心して口に入れると、意外なことにすっと消えてなくなってしまう!甘くもなくこれと言った味もしないというのが、かのクロテッドクリームの正体です。初めて食べる人は、もしかしたらすこし拍子抜けするかもしれません。
しかし、なんと言ってもこれがなくては、かの大英帝国の国民的行事(?)であるイングリッシュアフタヌーンティーは成り立たないのですから、意味もなくこのクリームに敬意を払いたくなったりしてしまうのです…。

お供は、春のいちごの時期に作っておいたジャムと、夏のブラックベリーをコンフィにしたものを。

          

         日本の山奥にて、なんとも英国のかおり漂う午後なのでした。。。





scones

2007年03月27日 | Cafe Sweets

              イギリスのアフタヌーンティーに欠かせないスコーン。

最近はパン屋さんなんかに色々な形のスコーンが、色々な味や色をして並んでいるようですね。中にはこれをスコーンと呼ぶ??というものもありますが…。
以前、ロンドンのサヴォイホテルでハイティーをいただいた時に出てきたスコーンの形が忘れられない、Gabbie's Cafe店主のスコーンは、あくまで伝統の形にこだわります。
 
基本の生地に卵黄を塗るだけか、ドライカレンズ(干した山ブドウ)を混ぜる。レーズンではイケマセン(笑)。
生地には膨らし粉が入っているので、焼くとびっくりするほど膨らんで、横っ腹が割れてくる。これを、敬愛する林望先生はエッセイの中で“オオカミがガオーっと叫ぶ”と表現しておられましたが、まさにそうなったら大成功です。

この“ガオーッ”と割れた横っ腹を横ふたつに開いて、その開いたところにいちごのジャム、そしてさらにクロテッドクリームをたっぷり載せていただきます。

                    

“クロテッドクリーム”はイギリスのデボンというところが名産のこっくりとした濃度の濃いクリームのこと。一度、イギリスの国内線の機内で供されたスコーンには、正真正銘のデボンシャークロテッドクリームがポーションスタイルで添えられていて、さすが!と感動したのが、未だに私と母の間では語り草となっています。
日本のメーカーも発売していたのを知っていますが、居ながらにして本場デボンのクロテッドクリームの味わいには、なかなか出会うことができません。そしてこのクロテッドクリームなくしては、スコーンの本当の美味しさを味わうこともできないのですが…


今回も、残念ながらクロテッドクリームはナシ。まだまだ新しいオーブンの具合をみるために焼いたスコーンなのでしかたありません。ホイップしたクリームとジャムで供しましたが、次回はぜひ、ネットで見つけたクロテッドクリームを取り寄せてみようかな!

はるかなるかの地に思いを馳せつつ、イギリス訛りで“お茶はいかが?”と、つぶやいてみたくなる店主でした。






マドレーヌ

2007年03月21日 | Cafe Sweets

業務用の大きなオーブンではないけれど、よく働いてくれそうな家庭用のオーブンが、先週我が家にやってきました。

思いがけず降ってくることとなったオーブンを選ぶべく、満を持してネット検索。
ついでに製菓器具のネット販売をしてくださる合羽橋道具街の店を見つけ、お菓子を作るのに必要なものを注文しがてら、マドレーヌの焼き型を衝動買い。

その後もあれこれネットで調べていたら、しばらく眠っていたパティシェール魂が、ムクムクムクッと眠りから覚め始めてしまいました。


さっそく届いた真新しい型でシェル型マドレーヌを試作。

新しいオーブンをはじめて使うときは、どうしても火の回り具合でできてしまう焼きムラのくせを掴むのに、しばらくかかってしまいます。しばらくは身近な人々に犠牲者となってもらい(笑)、試行錯誤が続きます。

シェル型で焼いたマドレーヌは、コルドンブルーに通い始めたころの、ごく初期の授業で習った思い出の焼き菓子。シンプル…でもお気に入りの一品です。
この、裏側のこぶのような部分を作るために、わざわざ高温で焼くのです。この“こぶ”が上手くできたら大成功。焼きたては、外はカリッと、中はふんわり。ほんのりレモンが香ります。
一日経つと、バターがしっとり馴染んでまた違ったおいしさに…。


日々の雑事に追われ、あれもこれもというわけにもいきませんが、せっかく新しいオーブンに恵まれましたので、少しずつ、産休のブランクで失った感覚を取り戻していこうと思います。
いえいえ、それにとどまらず、少しずつ腕を上げていかなければ…!