Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

食べてもらう喜び

2008年11月19日 | Good Food Fine Wine


…ついに、愛用していたデジカメが壊れました…。Gabbie's Cafeを立ち上げた時に買ったEXLIM。おっちょこちょいの私が膝に乗せたまま運転していて、その存在をすっかり忘れてしまい、車から降りようとしてアスファルトの上に落としたりしたこともありました。それからあんなこともこんなことも…随分酷使されたと思います。それでも丸三年間、よく働いてくれました。
このカメラで撮った写真を、gooのピックアップフォトに選んでいただいたこともありましたっけ…。

なのに『一眼レフがほしいなぁ…』なんて恩知らずなことを考えていたから、いけなかったかな…と、ちょっと反省しています。
修理に出したらなおるのかもしれませんが…我が家はただいま、少々財政難…どうしようかなと思案中です。とりあえず携帯のカメラ機能でしのいでみますが…やはりあまりに、無理がありそうです。

トップの食パンの写真が、このカメラで最後に撮れたまともな写真…。記念に、ちょっと貼り付けておきたいと思います(笑)。


…そう。最近よくパンを焼いています。たまたま以前買った食パン用の粉が10Kgほどあり、賞味期限内に在庫を減らすのと、パンは最近高いので節約の両方の意味で…
ちょうど去年の秋ごろに、パンを焼くコツをつかんで以来、私にとってパンは敗北の領域ではなくなっていましたから、新居に移ってきて落ち着いたところで、今度は食パンだけでなく色々なタイプのパンにも挑戦し、幅と楽しみを広げていきたいと思っている今日この頃です。

今日はTの下校時間を逆算し、おやつ用にシナモンロールを焼きました。食パンの粉しかなかったので、菓子パンのセオリーには反しますが…思い切りフワフワしたものを目指してみました。
ひとつずつ焼くのではなく、くるくる巻いた生地を四角い型に入れ、隣同士がくっつくようにしたら、フワフワ部分が増えていい感じ。この、くっついているところを手で引き離す時の感じが大好きです。特に焼きたての、まだ暖かいものをね。
9個のくるくるの真ん中は、たった一つだけ4辺が全部フワフワのとっておき。ここを私は勝手に『王様のピース』と呼んでいますが、この王様の部分を、帰宅しておなかが空いたTに献上。まだほんわかあたたかい自作のふかふかパンを我が子がワフワフ頬張るのは、なんとも至福の眺めです。
今日は特に今年一番の寒気が流れ込み、外は北風が吹きすさんで1月中旬の寒さ…そんな日に学校から帰宅してみたら、パンの焼けるいい香りとともに焼きたてパンが待っていたなんて…どう?T、子供時代の最高の思い出にしておきたくならない?
(と、親が期待することに限って、子供はけっこう忘れちゃうんでしょうけれども…笑)

                 


実は昨日今日は、特別に記憶しておきたいような素敵な日でした。

昨日は、今月頭に参加したSunny Daysのおいしいものフェアについて、店主のあっちゃんから、Gabbie'sのお菓子がとても好評だったという報告を聞きました。『あのG何とかさん(笑)のがとても美味しかった』と言ってくださった方がおられたり、一度来られた方が、後になってまた戻ってきて、ガレットをいっぺんに14個もお求めくださったり…と、なんとまぁ涙の出るようなありがたいお話ばかり…。

今日は今日で、昨日頒布会でお渡ししたタルトがとても美味しくて感動したと…『一緒に食べたお友達が、今まで食べたタルトで一番美味しかったって!4人でペロリとなくなりましたよ!』…などというもったいないようなメール、週末に郵送した焼き菓子がとっても美味しかったよという友人からのメッセ、そしてそのお菓子をお裾分けしてもらって、超美味しかった!!という別の友人からのメール…そんな嬉しい便りが、あちらからこちらから、立て続けに私の元に届いた日でした。


生きていると、辛いことや大変なことは決して少なくない。好きで始めたはずのお菓子作りだって、ガックリすることや思わず『神様助けて!』と叫びたくなるような場面も数知れず…。
けれどもこんな風に賞賛の言葉をいただいて励まされ、あぁ生きてて良かったと心から嬉しくなることもあるのですから、人生、決して捨てたものではありませんね。

だからまたガックリと落ち込むときのためにも(笑)、そしていつも幸せなパテシエであり続けるためにも、『食べてもらう喜び』をかみ締めた昨日今日の気持ちを、ここに書き記しておきたいな…と思いました。加えて食べてくださった方々への感謝もそっと伝われば、それは本当に幸いなこと…


外は今年一番の寒さですが、シナモンロールを焼いた後のオーブンのぬくもりと、素敵なお客様たちからの温かいお言葉で、今日の我が家はホカホカあたたかです。

この場を借りて…Gabbie'sのお菓子たちを食べてくださったみなさん、本当に本当に、感謝します。
そうそう、いつも『ママの手作りが一番!』と言ってくれる『王様』Tにも…ありがとうね。






Fig Tart

2008年11月17日 | Cafe Sweets

先月から、身近な方たち向けにケーキの頒布会をしています。子育ての傍らしていることなので、あくまで規模は小さく…件数は数えるほどですが、楽しみながら作らせていただいています。願わくば召し上がってくださる方も、楽しんでいただけていれば良いのですが。

毎月変わりでご希望の日にあわせて違ったケーキをお作りする頒布会。こういう企画ってちょっとワクワクしますよね。ちなみに先月は、以前もご紹介したニューヨーク・チーズケーキでした。

そして11月は…晩秋らしく、こちら。無花果(いちじく)のタルト。地元で採れて、農協の市場に所狭しと並ぶ無花果。生で食べるにはぱっくり割れたものがいいのですが、コンポートにするには、まだ割れていない早生っぽいものが向いています。赤ワインと砂糖、そしてスパイスやバニラで煮てコンポートに。身が崩れないように、2度に分けて火を入れるのが、コツといえばコツでしょうか。

生で食べるとちょっと甘さに欠ける気がする無花果ですが、こうしてコンポートにしたものは、ちょっとビックリする美味しさです。冷やしてそのまま食べてもとろりとした実にプチプチした種の食感がたまりません。

基本的に焼き菓子が好きな私。今まで出会った焼き菓子に入っている無花果は、たいていドライにしたものでした。なんとか旬の美味しさを閉じ込めたタルトに出来ないか…と思って作ったのがこれ。ジューシーで香り高い無花果とさっくりタルトが絶妙なハーモニーだと自負しています。無花果の実を閉じ込めたアーモンドのフィリングには、香ばしい皮付きのアーモンドプードルを混ぜ、素朴な、けれどもしっかり存在感を主張してくれるタルトに仕上がりました。

ガビーズのお菓子は、そんなに沢山のレパートリーがあるわけではありません。店主が美味しい!と思ったものだけを、作っていきたいと思っています。自分が美味しいと思うから、ついつい切れ端やハンパ生地のものなどを『う~ん、やっぱり美味しいよなぁ…』なんて言いながら食べてしまい…近頃少々カロリーオーバー気味の店主です(笑)。

           

久しく待ちにし電話を待つ間…無花果タルトが2台も焼けてしまいました…『小一時間』と言いながら、もう3時間…まだかかってこないなぁ。

       魅惑的な焼き上がりの香りに包まれた、秋の夜長はふけていきます…







幼児祝福式

2008年11月16日 | Anniversary

巷では、昨日今日あたりは七五三というところではないかと思いますが、キリスト教会ではこの時期、幼児祝福式という形で、牧師が子供たちを講壇の前に集めて祝福のお祈りをしたりします。

わたしたちが今通っているチャペルノアでも、今日の日曜礼拝の中で、幼児祝福式が執り行われました。親としてお恥ずかしい限りですが、わたしはこのことを全く覚えておらず、また心にも浮かばないままに、今日は東京から知り合いの属しているゴスペルの人たちが来るな~とか、お昼のデザート用に焼いたケーキはうまく焼けているかしら…なんてことを思いながら教会の玄関をくぐりました。
というわけで、なんだかサプライズのようにして特別に子供たちが祈っていただくことになった…という趣きでした。

チャペルノアには、沢山の子供たちが集っています。赤ちゃんから中学生のお姉ちゃんまで、ざっと20人は下らないでしょうか。その子供たちが、礼拝の途中で招かれ、わさわさと前に出てきます。小さい子は、お母さんに抱えられたり導かれたりして、それぞれの家庭単位でまとまります。
結婚式やクリスマスなど、特別な時に羽織るローブを着たH牧師が講壇から降りてきて、大勢いる子供たち一人一人に手を置き、祝福を祈ってくださいます。心から、全身全霊で。

情況のよくわからないままのT、そしてさらに情況おかまいなしでどこかにすっ飛んで行ってしまいそうなR。二人の上にも牧師の手が置かれました。

『子供たちをわたしのもとに来させなさい。妨げてはならない。天のみ国はこのような者たちのものである』

そう言って子供たちを招かれたイエス様。きっと、こんな風に一人一人に手を置いて、祝福を祈ってくださったのに違いない…。抱っこしたRとその横のT。二人の間で、わたしの目からポロポロ涙がこぼれました。

わたしの中でだぶる遠い昔の光景。自分が育った教会の牧師と子供たち。その中にいる、自分。
Tぐらいの時、わたしも今のTのように牧師に祈ってもらったような気がします。


礼拝と食事のあと、わたしたち大人が礼拝堂でクリスマスキャロルの練習をしている時、話し声にふと振り返ると、そこにはH牧師と一緒に地球儀を指差しているTの姿がありました。
その少し後には、窓の外に見える子供たちに混じって、ご自分の娘さんと話しながら孫の遊ぶのを眺めているH師。その子供たちの輪の中に、TもRもいました。

…なにやら、何度も涙腺のゆるむ体験をした今日でした。

自分が望んで得られなかった理想の父親像。また祖父像…そんなものを、幼い頃の自分は当時の教会の牧師に見ていたのかもしれません。そしてなにかこう、その、今は亡き恩師の姿を彷彿とさせるH師と、自分の息子たち。チャペルノアという教会自体も、なんだか自分の母教会を思い出させる佇まいなものですから。

自分の家よりむしろ教会にいるときの方が、のびのびと居心地が良かった私。教会で、CSの先生方に優しく受け入れられ、のびのびとありのままで過ごす自分の子供が、幼い日の自分とだぶります。

たとえ理想の父に恵まれなかったとしても、それはその人にとって不幸ではない。少なくとも、全知全能であり、ご自身愛であられる『天の父』を知り、その大きなみ翼の陰に憩うことを知っている子供は、何がなくとも決して不幸などではあり得ない。
…今、そう信じることが出来、自分の子供たちが幸いなのだと思えると同時に、自分自身の子供時代も、決して不幸などではなかったのだ…という思いに、心が温かく平安になります。

『God Is Love』…神は愛です。

幼稚園児のわたしが、一番最初に覚えたみ言葉が、故郷・横浜から1300km離れた教会の車にも書かれていた。そのことは私にとっては、自分の、そして自分の子供たちのアイデンティティを支えてくれる、短くて、けれどもとてつもなく大いなる言葉…なのかもしれません。







クラフト教室のお誘い

2008年11月14日 | Blackboard

今週土曜日、tabitha主催のクラフト教室が開催されます。可愛らしいリバティ柄で、シュシュとくるみボタンのヘアゴムをつくってみませんか?講師はcafeの常連aquaちゃん♪


日時:11月15日(土曜日) 午前10時半~

場所:新百合ヶ丘のcafe『パンセオリーブ』さんの上のイベントスペースです。

1階のカンガルーと言うパン屋さんは美味しくて有名で、教室のあとは素敵なcafeでランチもできるそう。

下のパン屋さんのパンで作るサンドイッチなどは最高でした♪♪
「一緒にhandmadeを楽しんでいただく」という事をコンセプトにまったりやりたいと思います♪
とは講師のaquaちゃんの談。

当日使うリバティの生地は、なかなか手に入りにくいレアものなのだそうですよ!

●定員5名 

●制作の際の材料・プレゼント用ラッピング材料込みで1800円です。

※お教室代の一部はユニセフを通じてパレスチナの子供達に寄付されます。


受講のお申し込みは、フライヤーをごらんください。大きく見たい方、tabithaからどうぞ。

お近くの方、お時間ある方は是非!




Special Prayer Request

2008年11月04日 | Blackboard



かけがえのない友の、かけがえのない人が、特別な祈りを必要としていることを聞きました。どうか、私たちと一緒に祈ってください。

こんな私と、こんな私の大切な人の為に、いつも祈ってくれる友。その友が、まず祈り手として力を受けるように。『メスもレーザーも持つことができない』切なさと、それをすることができる者の手を確かにしてくださるお方に、祈ることができる心強さの狭間にて、友が平安に身をゆだねることができるよう、どうかお祈りください。

私たちが死の影の谷を歩む時、ともにいて背負ってくださるお方がいる。そのお方のみ名により、全てが最善に導かれることを信じつつ。


愛する友と、その愛する人の為に。そのお方のみ名によって、キリストのみ名によって、これをお読みくださった今、どうか祈ってください。





After The Fair

2008年11月04日 | Cafe Sweets


      週末に、大好きな友人の雑貨屋さんSUNNY DAYSで催された『おいしいものフェア』。
川崎という場所にもかかわらず、1300kmも離れたわたしもお菓子を出させていただき、それは本当に本当に、驚くばかりの恵みの体験でした…。

9月から住み始めた小さなアパートのキッチンで、ゴスペルをBGMにひとつひとつ丁寧に焼き菓子を仕上げていく…至福の時でした。
今まで住まっていた田舎家は、台所からオーブンまでは三段上がって細い廊下を肩をすぼめながら約10歩。小さな焼き菓子は一回の焼き時間も短いから、オーブンの天板を持ってキッチンとオーブンを行ったり来たり…正直、大変でした(笑)。思ったように上手く焼けないときは、身も心もがっくり疲れてしまったりして。

今度のキッチンは、小さな空間でなんでもすぐに手が届く。ラベルを打ち出すPCとプリンターもすぐ横。座敷まで上がって作業していたのとは格段に手勝手のよさが違います。
子供たちはキッチンの隣りの続き間で寝ているから、二階の部屋で泣いていないかしら…と心配しながら作る必要もないし…

動線がスムーズだと、仕事もはかどります。ゴスペルのBGMは、自然と作る手に祈りを込めるのを手伝います。作業毎に『主の、栄光!Glory,to God!』とつぶやいている自分を発見したりして。


約一年ぶりに焼いたマドレーヌとガレットブルトンヌ。何度も何度も焼いたものだから、ブランクがあっても不思議と手が動きます。
フルーツケーキと、ユダヤの伝統菓子『ジューイッシュ・クッキー』はもうかれこれ10年近く作っていなかったからいささか不安ではありましたけれど、やっぱり示されて作ることに。こねて、寝かして、のばして、焼いて…それぞれ工程は違っても、みんなモトは、神様が天からくださった食材で出来たもの。

粉は国産、卵は地元の有精卵、フルーツは無農薬…という風に、安全で質の良い食材選びにこだわっているガビーズのお菓子。この時代に良質の材料は、確かに割高。でも、だって、お菓子は嗜好品、そして贅沢品ですものね。豊かな気持ちでつくり、豊かな気持ちで食べて欲しい。そんな思いを込めて材料を選んでいます。神様の傑作の原材料に、店主はちょこっと手を施すだけ。あくまで主役は材料であって欲しいと思う。けれどもだからと言って、手を抜くのとは違います。材料が最高に輝くように、手がける私も真剣勝負。

また、お菓子というものが嗜好品・贅沢品なだけに、ただ作り、提供するというだけでは終わりたくない…そんな風にも思っています。ガビーズのお菓子を選んでいただいた皆さんには、食べると同時に、気付かずにでも誰かの手助けになっていていただきたい…と思っています。

この飽食の国・日本で、お菓子を当たり前のように口にすることができる幸いを喜びつつ、同時にその日の食事にすら事欠く人々が、おなじこの地球上におられることについて、無頓着でいたくないと思うのです。
だからガビーズのお菓子の売り上げの10パーセントが、日本国際飢餓対策機構に捧げられています。それは、大きな飢餓の問題に対しては、大海の一滴、焼け石に水のようなささやかさ。けれども何かをしていることで、し続けることで、私は自分のなすべきことを見失わずにいたいと思うのです。


…さてさて、そうこうしている間に、どの子もどの子も祝福されて『いいお顔』でオーブンから出てきました。
網の上で冷まされて、袋に詰めたら出発です。天使のお菓子たち、羽を生やして飛んでおゆき。SUNNYへ、そしてそれぞれの、みこころの場所へ。

遠く離れた愛するSUNNY DAYSでは、土曜の朝には開店待ちのお客様もおられるほどの賑わいだったとか。無事到着したガビーズのお菓子たちも、素敵にディスプレイしていただいて沢山のお客さんに買い求めていただいたと、店主のあっちゃんから聞きました。
その様子を思い描きつつ、ああ、自分もその場所にいたかった…と、この距離を切なく思いつつ、でもやっぱり、なにやら嬉しくてじんわり涙が出ました。

…あっちゃんの送ってくれた画像を何度も眺めつつ、願わくばまた次のフェアにもおいしいものをお作りできたら嬉しいなぁと思っています。
そしてその時にはもう、私たちはSUNNYのすぐ近くにいるかもしれない…。
天来の祝福は、限りなく私たちの上に振りそそぎ、それを糧に私たちはまた歩みます。愛する人々と神と共に、さらに次のステップへ。