Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

みかんの花咲く丘

2006年10月30日 | Cafe Sweets
    
        夏に我が家を訪れてくれたakiちゃん一家より、やさしいお菓子の贈り物…。

伊豆といえば…思い浮かぶのがみかん。川崎時代にTと二人で彼らを訪ねた時、踊り子号の窓から、みかんのなっている木が見えました。その光景をなんだか思い出すのです。

“みかんの花咲く丘”という名の小さなベイクドチーズケーキは、ひとくち食べると口の中に柑橘の香りが漂います。一緒に焼きこまれたオレンジピールはチーズとの愛称が抜群。思わずひとくち、もうひとくち、とあっというまになくなりました。
“かの”は、やさしい甘さのイチゴクリームがはさまったふわふわのブッセ。食べようとするとRの熱い視線(笑)を感じ、食べたそうにしているので、卵がいっぱいはいっていそうなふわふわの生地のところを、口に入れてやりました。
                    

伊豆の老舗菓子店“石舟庵”は、aki家のご用達。一年前にやはりこのお店のお菓子をいただいたとき、上品でやさしい味わいに感動したのを思い出します。くるみのはいったきなこのおもちと、みかんの蜂蜜で作ったカステラでした。
こんなに遠くにいて、このお店のお菓子をこんなに色々味わったことがある人は、ちょっといないんじゃないのかな…なんて思ったら、またまたakiちゃんに会いたくなってしまいました。

   

甘くてやさしい伊豆の味を送ってくれたakiちゃんご一家の祝福を祈ります。みかんの花咲く丘にて、天来の平安と喜びが彼らの心を今日も満たし、包みますように…。





里の秋

2006年10月24日 | Season's Special

     刈り入れもほぼ終わり、町はほっと一息つくような静かな季節を迎えています。

去年は柿の当たり年で、こちらに来たばかりの私たちは、家の裏の木から随分とって食べました。
去年が良すぎたからか、今年は…まったく全滅です。我が家だけではなく、どの家もどの家も、今年は甘い実が全部落ちてしまって、残っているのは渋柿ばかりと聞きます。

…秋においしい柿が食べられないのは、ちょっぴり寂しいなぁ。
そんな風に思いながら、久しぶりにTの自転車の旅に付き合って散歩に出ました。すると道沿いに、実った柿をもいでいるお宅がありました。
“これも渋いのかもしれないな…。でも、田舎の人は渋い柿も、干して売り物のような甘~い干し柿にしてしまうんだからな…”

     抜けるような秋の空に、ネオンのような鮮やかな柿の実が映えていた日…。






cotton

2006年10月20日 | Gospel

父がどこからかもらってきた綿花の木が、納屋に吊るしてありました。硬いつぼみのような殻が割れて、中からふわふわの綿が顔を出します。その綿をとってほぐしてみると、中には綿に包まれた小さな種。これを蒔いたら、また来年綿花が咲くのですって。

その昔、この綿をひとつひとつ摘み取りながら、彼らは希望と救いの歌“Gospel”を、口ずさんでいたのですね…





Harvest Time

2006年10月18日 | Season's Special

   収穫の時。美しく金色に変わった稲穂が、町のあちこちで次々に刈り取られていきます。

「お米は魚沼のコシヒカリ。九州のお米なんて…」と見くびっていた私は、この町のお米のおいしさに驚かされました。この辺で作っているのは「ヒノヒカリ」という種類ですが、きっとおいしい水と空気のなせる業でしょう。

車で走っていると、刈り取った稲穂を、こんな風に逆さにして干してあるのを見かけます。これは「掛け干し」といって、こういう風にすると、お米はいっそうおいしくなるんだとか。

都会では、精米済みで袋詰めされたものを買っていました。けれどもこちらではもっぱら玄米で買っておいて保存、食べる時に精米機で精米します。買う時も「あそこのうちのお米は特においしいから」と、農家で選ぶ。なんだか贅沢な気がします。

  
                        

 その昔、こんな景色を見てマルコポーロは「黄金の国ジパング」と呼んだのでしょうか。西日に照らされて、刈り取りを待つ稲穂の波。黄金に輝く景色が、どこまでも続いています。





Irish Mist

2006年10月16日 | Cafe Gallery

  視界がきかなくなるほどに立ち込める朝霧。薄暗い中に、モノトーンの木々のグラデーション。

陽が昇ってくるとあっという間に消えてしまうよと言われて、急いで外に出てみると、そこは昼間の見慣れたものとは別世界。幻想的な景色がありました。

でもこの景色、こんな景色をいつかどこかで…。
シャッターを切りながら、霧の彼方の遠い記憶を手繰り寄せてみる。

                …そうだ、アイルランド。アイリッシュ・ミストだ…。




nest

2006年10月14日 | Cozy Booth

我が家のお向かいは、なんとも由緒正しい風格の漂うお宅。お客さんをお迎えする時、車で到着するなり母はいつも“あっちのお宅だったらいいなぁ、とお思いかもしれませんが、残念ながらうちはこっちです”と、笑いながら言うのがお決まりになっているほどです。

この素敵な純日本風の旧家のあるじは、Y村先生ご夫妻。ゲートボールをするのも、町に出かけるのもいつも一緒の仲良しなご夫婦です。

Y村先生は、何を隠そう私の父の高校の時の先生だった方。八十を越えてもいまだに全ての木に登り、自ら剪定なさっています。そしてそのお庭は、四季の花々が趣深く咲くところ。“歳をとったら、来てくれるモンがあったら、嬉しいんじゃ”と、入り口には門もありません。

夏が終わって伸び放題になった木々を、今年も先生が整え始めました。松の木に登って切り始めた先生を、落ちた枝を拾いながら見上げる奥様。“そろそろお茶にしよう”という先生の声が、奥様には聞こえない様子…。
“そういえば、いただいたきんつばがまだあったっけ”と思い立ち、二人分のお茶を入れて、先生のちょうど降りてこられたところを見計らって持って行きました。金沢の、お砂糖を使わないやさしい甘さのきんつばは、なんだか先生ご夫妻のお口に合う気がしました。


…そしてその午後、Tのお迎えにと外に出ると、玄関先にちいさな鳥の巣が…。
“木の上にできちょったから…Tくんにみせてあげちょくれ。”一仕事終えた先生が笑って汗を拭き拭き、家に入っていきながら言われました。


  
                        




早朝running

2006年10月13日 | Cafe Gallery
 
 今、我が家に泊まってくれているのは、福岡の中学校の女の子たち。
バスケ部の彼女たちは、朝練を兼ねて、まだ朝霧の残る田舎の道を走りに行きたいと言った。

せっかくだから、Tを送りがてら保育園まで行こうということに。Tはお姉ちゃん達と一緒に走ると言ったけれど、私は“きっと10メートルぐらいでギブアップだろう”と高をくくっていた。

ところが…。

2キロ近いなだらかに登る道を、Tは完走した。一度も立ち止まることなく、一度も泣き言を言わず。
息があがることもなく走り終わったTの顔は、保育園の前で誇らしげに輝いていた。

田舎の朝の空気は、都会のお嬢さんたちにはきっとひんやりおいしかったことだろう。

そしてTには、きっと大きな自信になったことだろう。




新酒祭

2006年10月10日 | Good Food Fine Wine

この週末、丘の上のワイナリーにて“新酒祭”が催されました。今年採れたぶどうで仕込んだ早飲みのワイン、“ボージョレ”ならぬ“アジム・ヌーヴォー”の解禁を祝うお祭り。なんだかヨーロッパの国みたいで、ちょっとオシャレでしょう?

イベントの最終日、暑いくらいの昼下がり、Tと共に訪ねてみました。いつもはゆったり停められる広大な駐車場も、この日ばかりは場所を探すのにひと苦労です。やっと停めて車を降りると、聞こえてきたのは野外コンサートのにぎやかな音楽。
園庭の芝生の上で、ちょうどアフリカンダンスの出し物が大いに沸いているところでした。
近くで特設の屋台が軒を並べ、いかにもワインと相性の良さそうな“旨いモノ”たちがお客をひきつけています。そしてその横のバーでは、主役の新酒がどんどん注文されています。

   

   

   

バーカウンターの特等席に招かれる。ワイナリー自慢の濃いぶどうジュースで人心地ついて見渡すと、したたる緑が夏の余韻を思わせます。でも、夏のものとは違い秋の風はからりとさわやか。南仏プロヴァンスを思わせる屋外の居心地の良さに、思わず猫のように目を細めたくなります。

ソムリエのUさん曰く、今年の“アジム・ヌーヴォー”もなかなかの出来ばえ。不思議なことにここ数年、安心院の気候が、良いワインを作るためのぶどう栽培に適したものに変わってきているのだとか…。これはひとえに、ワインの町・安心院が、これから豊かに実っていくように、との神様からの祝福では…?もちろん、人には出来ない業ですからね…。

女性ヴォーカルの、透き通った伸びやかなソロを聴き終える頃には、秋の日は駆け足で暮れかかっていました。家から車でほんの10分のところなのに、なんだか随分遠くへ来たような気分。ワイナリーでしか食べられないブランデー風味の特製ソフトクリームを、Tとかわりばんこになめながら、つかの間のホリデーリゾートをあとにしました。

                  安心院葡萄酒工房




2006年10月09日 | Season's Special
      http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/e1315f90f021ef6d815d36333f1205b8

栗はお好きですか?「栗は嫌い」って言う人に、いままであまり出会ったことがないから、けっこうみんな好きなのかな。

ここに来てまだ一年経たないので、毎年どの程度の栗が身近で実るのかよくわかりませんが、とにかく、かごいっぱいの採れたての栗なんて、都会ではついぞ見かけぬものでした。見かけぬものだっただけに、なにやら壮観です。

以前、Tが秋の森でどんぐりをポケットいっぱい拾ってきたことがありましたが、今度のは訳がちがいます。正真正銘“栗”です。そう、食べられます(笑)。

その昔、生まれたばかりのTのためにと夫婦で買った本は、かの名作“ぐりとぐら”でした。(これにしよう!と決めたのは私だけで、夫は傍らで“グレとグロ”…とかくだらないことをつぶやいていただけでしたが…)
ぐりとぐら、私も読んで育った覚えがあります。あのほんわりふわふわのカステラに、どれほどあこがれたことでしょう。

そのぐりとどらの冒頭あたりに、“どんぐりをかごいっぱいひろったら、おさとうをたっぷりいれてにようね”“くりをかごいっぱいひろったら、やわらかくゆでてくりーむにしようね”というくだりがあるのですが、なんともここが好きだったなぁ…。

でも実際は、「栗を軟らかくゆでてクリームにする」なんてのは、かなり手間隙のいる仕事で…“かごいっぱいの栗”を目の前に、半ば途方に暮れているのが現実です(笑)。簡単に「採れたての旬の栗でモンブランを…」なんて憧れるけれど、生の採れたての栗がモンブランになるまでの工程を考えるだけで、育児休暇中のなんちゃってパテシェールにはちと敷居が高すぎです。
ちまたのケーキ屋さんだって、この時期マロンフェアなんかで売るモンブランは、やっぱり缶詰や袋詰めのマロンペーストを使っているのが現実でしょうし…ね。

あーあ、ここにぐりとぐらがいたらなぁ。「クリームにする」ところまではやってくれるかなぁ。そしたらお礼にモンブランにまで仕立ててもいいけれど…。
でも、ぐりとぐらでも、この大量の栗をみたら、ちょっと躊躇しちゃうかな…と、そんな実りの秋の便りでした。





今頃・ミクシィデビュー

2006年10月07日 | Blackboard

友人から届いた一通の招待メールを、何の気もなしにポチったことから、気がつけばミクシィに登録していた。そしてなぜかこんな時間までお友達捜索に奔走することに…。

でも。まぁ。一大決心して始めたことであっても、うっかりの出来心からであっても、起こったことはきっと神様の御心なんだろうからして…。

そしてもしかしたら、ああもしかしたら、こんな何の気もなしに(そして今更ながら)始めっちまったミクシィが、実は記念すべき第一歩かもしれないので、本日ここに記しておくこととする。


                        


              お心あたりの方は、どうぞ探してやっておくんなせぇ…。


                   

SILVER & GOLD

2006年10月04日 | Season's Special

           

秋になると心待ちにするもののひとつに、何といっても木犀の香りがあります。この時期、一歩外に出ようものなら、あまりの香りに恍惚となりそうです。
ところでこの木犀には“金と銀”、つまり金木犀と銀木犀があるのをご存知でしたか?

我が家の横には、大きな金木犀の木があります。毎年それはそれは見事に咲いて、甘い香りを放ってくれます。その昔は、家の両側に金と銀が植わっていたけれど、ガレージを作るために、銀のほうは残念ながら切られてしまったのだとか。

何をかくそう木犀は安心院の町木、そして町花。
だからでしょうか、どこの家でもたいていは植えているようで、この時期は町中が木犀の香りでいっぱいになるのです。一般的な金はもちろん、銀もよく見かけます。金と銀に飾られた道を甘い香りを満喫しながら歩くのは、なんとも贅沢な気分です。
                               

私たちの寝室は金木犀の木のすぐ横です。秋が深まるまでの間、私たち親子は黄金の香りに包まれて眠りに落ちます。屋根裏の小さな部屋も、この時期だけは王様の寝室と呼んでしまいたくなる極上のスイートルームなのです。

     プライスレスなこの恵み、金銀を積まれても、ちょっと手放せそうにありません…