Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Wishing you a...

2007年12月31日 | Blackboard

  今年も残すところあと七時間あまりとなりました。今年も一年、Gabbie's Cafeをご愛顧いただき、心からありがとうございました!

…皆さんの一年はどんなものだったでしょうか?殺伐とした話題ばかりがニュースを独占していた気がしますが、そんな中でもお一人お一人の毎日が、笑顔で彩られていたことを願ってやみません。そしてまもなく幕を開ける新年が、皆さんにとって幸いなものでありますようにと、祈ります。

個人的には、今年は我が家にオーブンがやってきて、再びパテシエ稼業を再開することができたことが、特筆すべきうれしい出来事でした。それ以前に自分自身を含む愛する家族が、神のみ手の中で守られて歩むことができたことへの感謝は、言うまでもありません。

今年私が、ことのほか思いを寄せたのが「自分の分」というものでした。「貧しくもせず、富ませもせず」「神よあなたが定めたパンによって」私を養ってください…という思いでした。その分を越えた時、人はその道を踏み外すのだということを、いたるところに示された思いがしました。

同時に、これほどまでに神が私たちに秤を良くして与えてくださるのには、もっともっと意味があるのだろうと感じる日々でした。ただただ上から降り注がれるものを受け続ける、「受」の年だった去年。今年は受け続けたものが自分のカップから溢れ、それをもとに今必要を感じている人のために何かする、という第一歩を踏み出せたような気がします。
「受けるより、与える幸いな者」となれるよう…来る年はさらなる前進を求めたいと願う店主です。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいますように。また来年も、ここでお会いできることを楽しみに…

    Wishing you all a happy New Year.May God bless you and keep you!!







ジンジャーブレッド

2007年12月25日 | Kid's Plate

クッキーなのにどうして「ブレッド」と名がついているのか、ちょっと不思議なジンジャーブレッド。注文のお菓子を仕上げるので大忙しだった今年のクリスマス。せめてなにかクリスマスらしいことをしてあげたい。。。と、祭日のクリスマスイブに、子供と一緒に作ってみました。
その名の通り、ジンジャーやクローブ、シナモンといったスパイスを入れ、ブラウンシュガーと「モラセス」という名の糖蜜で甘みをつけています。

実は、ちょうどKさんよりクリスマスプレゼントにホールのクローブをいただいた店主。風邪の季節の予防対策に、彼女が「インフルパンチ」と呼んでいるハーブティーのミックスと一緒に入れてくれたものでした。調理目的でちょうど買いたいと思っていたクローブが、プレゼントの包みの中から顔を出した時はもうビックリ!!煮込み料理の時に玉ねぎに挿したりする使い道しか知りませんでしたが、実は喉が痛い時にこのクローブを数本かじると効果覿面なのだとか…。それならお菓子に入っていても効果があるのかもしれません☆
                  

クリスマスツリーに下げるオーナメントにするのが目的なので、味というよりは保存性重視という感じ。保存を良くするためか、バターや卵は少なく、粉が多い配合のクッキーです。参考にしたレシピでは、卵1つの割合で150個近くできてしまいます。こんなにどうしよう…よし、それなら保育園のみんなにもプレゼントしよう!ということに…ちなみにこういうのを、こちらでは「食べてかっせ(食べて加勢)」と言います。なんだかかわいいですね。

    

いただいた「インフルパンチ」を飲みながら、さっそく作業にかかります。男の子と女の子、もみの木やくま、ハートや星に天使の羽…。色々な型抜きで生地を抜くのはTの仕事。天板の上にお行儀よく並べて焼き始めると、部屋中にスパイシーな芳香が漂います。焼き上がりを網にのせて冷ましていると、小さなRがやってきて次から次へと口にねじ込もうとするのを、慌てて制したりして(笑)

仕上げはグラスロワイヤル(粉砂糖を少量の水で溶いたもの)でお化粧です。Tもチャレンジ。可愛らしくできるかな?
…けれどもあまりにたくさんだったため、全部作る前に夜が更けてしまいました。「最後までお手伝いする」と言っていたTを寝室に送り、その後はパテシエールの仕事です。保育園の子供たちの人数を確認し、みんなに行き渡るように袋に詰めていきます。
クリスマスの祝福が、子供たちとそのご家族にありますように。スパイス効果で、風邪をひかずに過ごせますように…祈りを込めたジンジャーブレッドたちは、クリスマスの朝に元気に旅立って行きました。

          

スパイシーで素朴なジンジャーブレッド。かのターシャ・テューダーさんの家でも、大きなヤツを作ってもみの木に吊るしていましたっけ。みんなの健康と幸せを祈って、きっと来年もまた作りましょう。今度は少し早めに作り始めて、あなたのおうちへも届けることができたらいいな。






Christmas Time Is Here

2007年12月08日 | BGM

アドベントの最初の週に、今年のクリスマスはこれをお聴き…と天使が素敵な音を運んでくれました。
ジャジーなピアノとリズムセクションが、なんだかとっても耳に心地よいこのアルバムのタイトルは
                    “Christmas time is here”。

シェリル・クロウを彷彿とさせる歌声が魅力的な、エリン・オドネルという女性の手になるこのアルバムを彩るのは、クラシックな曲と新しい曲。若い頃に大好きでよく聴いていたリッキー・リー・ジョーンズを思わせる曲あり、ハリー・コニックjrのような小粋なアレンジあり…子育て中の今の私が一番ゆっくりと音楽を聴ける場所は、何といっても移動中の車の中。さっそくHDDにダビングして繰り返し聴いています。ぐっと寒くなった朝、暖気のために運転席に身を沈め、エンジンが温まるのを待つ時間が楽しみになりました。

“オアシスブックセンターへ行ったら、BGMにかかっていたXmas songが素敵だったので…”というのは親友Sapping。歳も近く、お互い個性が光る者どうし(笑)ときには本当のきょうだいのようにケンカしたこともありましたっけ。…でもその分共感できることも多く、いつも主の愛で繋がっている私たち。さすが私の好きそうな音楽を知ってます!BGMを耳にして、直感的に「これはガブに…」と感じ取ってくれたにちがいありません。

九州なのに雪が降るほどの山の中にある我が家。インターネットという手段はあれど、まだまだ新しい音探しは困難で、ここに来てから聴いていたのはずっと昔のクリスマスのアルバムばかり。懐かしいなじみの曲たちは、それはそれで満足していたけれど、初めて聴く音源はまるで新鮮な空気に触れるよう。こうして07年のアドベントがワン&オンリーにデザインされていくのです…。


さて!来週からパテシェールは忙しくなります。注文を受けたクリスマスプレゼント用のお菓子を、50セット近くしあげなければなりません!作るのはブルターニュ風ガレットを250個にシェルマドレーヌを200個。お菓子の製造から袋詰め、箱詰め、ラッピングして発送まで、全部ひとりの作業です。夜なべもするかもしれないなぁ…大変だけどとても楽しみ!
子供たちの寝静まった寝室からCDラジカセを持ち出して、キッチンでこのCDをかけながら作るとしましょう♪

            
                          Christmas Card by King




パンと暮らす

2007年12月06日 | Good Food Fine Wine

  ここのところ、Gabbie's Cafeの裏側からはパンの焼ける匂いが頻繁に漂うようになりました。
今年になって導入したCS放送でパンを焼く番組を見て、よし、やってみるかな、と腕まくりをしたくなった店主。クリスマス用の材料を注文しがてら、何種類かのパン用小麦粉を取り寄せてみました。

パンのことも、素材のことも何も知らずに生まれて初めて焼いたパンは、イーストを使っていたのにまるで天然酵母パンのようにどっしりでした(笑)。プルマン(四角い食パン)をつくったつもりなのに、生地が角まで膨らまず、売っているものとは程遠い仕上がりにがっかりしたものでした。
バターロールも翌日になるとかちかちに。そしてパン屋さんで嗅ぐようなかぐわしい香りとは違い、なんだか酸っぱいような古いような、下手な発酵で機嫌を損ねたようなイーストの香りがどうしても鼻につきました。
              

前回パンを焼いたのは、長男Tがおなかに居たとき。出産を控えてほかに何もすることがなかったので、自分なりの発酵器のあり方を考えたり、生地の発酵時間と温度の関係を観察したり、連日まるで実験のように焼いていました。
パンのいろいろなことが分かってきましたが、その時もやはり、以前感じたイーストの香りの悪さが気になってどうしても満足いかず…自分には美味しいパンを作るのは無理なのかしら…と、なんだかやる気を失ったまま、長男Tの誕生でずっとパン作りを忘れていたのでした。

                         

私の使っている徳島の材料屋さんは、パン用の粉だけでもサイズ違いを含めて108ものアイテムがそろっていて、どれを選ぼうか迷ってしまいます。目移りしながら商品の投稿レビューを読んでいたら「スーパーの粉とはぜんぜんちがいます!」「本当にスーパーのイーストと違ってビックリしました」という意見がいくつもありました。
…そういえば、私もスーパーで買った粉とイーストしか使ったことがありませんでした。もしかしてこれが原因なの?
半信半疑でパン屋さんでよく使われている粉を2種類と、国産のはるゆたかを選びました。子供も食べるものだから本当は天然酵母を試してみたいけれど、今回は復帰戦ということで、とりあえず有名なsafのドライイーストの一番小さいものをお試し買い。
                    
   

ビデオに撮っておいたパンの番組を再度観なおしてみます。横浜青葉区にある「ベッカライ徳多朗」の店主・徳永久美子さんがご自宅のキッチンで美味しそうなイギリスパンを焼き上げています。「ビゴの店」派だった我が家、近くに住まいながら一度も行くことのなかったお店でした。美しが丘の懐かしい風景を思い出しながら、今回は徳永さんのやり方でチャレンジです。

予備発酵をさせたりせず、ボールの粉にサラサラッとドライイーストを混ぜてパッパッと手際よく混ぜていく徳永さん。パンをこねることが、ご飯を炊くことのように生活の中に自然に溶け込んでいるようです。こねる時には横に本を開いて読んだり、発酵の間にはちょっと子供部屋を片付けたり、「パンにずっと向き合っているとパン作りが苦痛になってしまうので、同居人をチラッと見る感じでつきあって」という言葉が心に残りました。まさに「パンと暮らす」彼女の姿勢は、ぜひとも自分も身につけたいような素敵さ…なのでした。

以前は随分長く感じた20分のこね時間も、なんだか今回はあっという間。前回作った時に考案した、発泡スチロールのケースを改造した発酵器でこねあがった生地を60分間ゆっくり一次発酵させます。

    

パンチをしてもう20分。ふんわり膨れた生地からは、心地の良いイーストの香りが漂います。むむ、これは…たしかに違う、違いますぞ!
以前何度も試行錯誤した賜物とも言えますが、それにしても今回の生地は香りが違う!やっぱり材料の違いでしょうか。やたらと高まる期待を胸に、分割してベンチタイムを経た生地を、くるくる丸めてずっとお蔵入りしていた食パン型へ。

二次発酵を終えたパン生地はまるで赤ちゃんのおしりのようにふんわりすべすべに…機嫌よく発酵の全過程を終えたイーストが心地よくやさしく香ります。
さあ、この生地を200℃に予熱したオーブンへ。ドキドキしながら覗いていると、みるみるうちに驚くほど窯伸びして、ふんわり膨らんだパンが美味しそうなキツネ色に色づいていきます。
そしてふと気がつけば、部屋中がパンを焼く香ばしい香りでいっぱいに…まさしくこれこそ、昔アルバイトしていたパン屋さんで嗅いだ香り。横浜博覧会の会場で働いていた時、元町の老舗ポンパドウルが、向かいの店で焼きたてフランスパンを配っていた、あの時のパンの焼ける香り!なんども試行錯誤して探し続けた香り、やっと出せた、この香り!

                 

窯から出した焼きたてパンの、皮にヒビが入るパチパチパチパチ…という音に耳を澄ませてみます。それはまるで「よかったね!がんばったね!美味しく焼けたよ!」というパンからの祝福の拍手のよう。もったいない気分で切り分けると、ふんわり立ちのぼる焼きたてパンのいい匂い。焼きあがりを待ち構えていた子供たち、まだあったかいパンの厚切りを、なんにもつけないでぱくぱくぱくっと平らげました。

あっ!というまになくなった1斤半のイギリスパン。こんなに食べてくれるなら、すぐにでも天然酵母の研究を始めなきゃ…!徳永さんのように、素敵に自然に「パンと暮らす」日々をイメージしつつ…
ママなる店主の飽くなき探究心は、尽きることを知らないのでした…。