Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Izu Peninsula

2012年10月21日 | Guest Book

 

正直、ずっと、自分の頭の上のハエを追うので、せいいっぱい人生でした。特に、大人になってからは。

その日その日の苦労が十分すぎたり、間違って進んでしまった歩みの軌道修正に、

莫大な時間と労力を使っていたりして。

 

ずっと根無し草のようだった自分が、やっと居場所を見つけて根を張りはじめた、この半年。

剥がれてしまわないくらいに根付いたのを確認したなら、ぜひ会いに行きたいと思ってやまない友が

わたしにはいました。

 

金曜日の勤務を2時間早上がりして、子供たちの学校の終業時間を待ち、最寄の駅から電車に飛び乗る。

暮れ行くお日様を追いかけるようにして、東海道線で、西へ。

2時間あまり揺られた電車の終着駅に降り立てば、親愛なる友とその子供たちとの、ただただ喜ばしき再会が待っていました。

 

背も伸び、知恵も増し、神と人とに愛されて育ってきた、互いの子供たちを合流させる。

会わなかった時間が、あっと言う間に埋まる。

共有した時間は決して多くないはずなのに、不思議と魂で繋がっている、その恵み。

・・・同じ父を持つ家族なんだ、私たちは。改めて、そう気づく。

 

大切な人だからこそ、罪ある、欠けだらけの自分が訪ねていって、静かな水面を波立てていいものか・・・

そんな風にも思っていたけれど、そんな思いを吹き消すように、ただただ再会を心待ち、そして喜んでくれた友。

与えられた時間をフルに使って、心をつくし、思いをつくし、力をつくし、出費もいとわず、私たちの滞在を有意義なものにしようと、もてなしてくれました。

自分は日常を営みながら、旅の空にある私たちがムリにならないように、でも十分に得ることができるように、と、どんなにか走り回ってくれたのだろうね?

 

地魚のお店・・・遊覧船・・・森のパン工房カフェ・・・『すぅ』

美味しいイタリアン・・・思いがけぬ秋花火・・・礼拝・・・おうちランチ・・・

 

ともに過ごした時間が、今ひとつひとつ宝石のようにキラキラ輝きながら、記憶の中に浮かんでは消えます。

 

伊豆半島は、実は近いんだ。

思い立ちさえすれば、決して来られない距離ではないことに気づき、足元の枷がまたひとつ外れたような、

開放感。

 

『Rくんになにかして欲しいときは、右の耳からお願いするといいよ。』

離れた場所で生きていて、なぜか不思議と、今の我が家の必要に出会うスキルを身に着けていた彼女。

天の配剤といわずして、どのように説明がつくでしょう。

置かれた場所で、抗わず、つぶやかず、 静かに感謝にあふれて咲く友の、凛とした美しさ、強さに、今回もまた心打たれてきました。

 

伊豆半島の美しい自然の中に、主が彼女とその愛する人々を置かれている。

今日も、あの可愛らしい車を駆って、人に仕え神に仕える友の姿が見える。

 

嬉しいような、誇らしいような、ホッと安心するような・・・

 

 

 

 


『お客』、帰る

2008年09月24日 | Guest Book

 
      http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/1954d55e9e133c7ff30ffee16dd6c0a6

『お客』が来て、帰って行きました。終わってみればそれは、本当に『即興曲のように』、どの時もどの時も、『OKな』時間でした。『楽しい時はあっという間に過ぎるね』…飛行機を見送りながらTがつぶやきました。そう、本当にあっという間の4日間でした。

いつものように、私たちの日常に自分という非日常が存在することの影響を気にしながら、大きな『お客』は私たちの小さな部屋にやってきました。“私のことはどうぞおかまいなく”を、折に触れてたびたび口にしつつ、『お客』はあくまで自分らしく、ここでの時間を過ごしていきました。

私が一番気にしていた『私たちの暮らしぶり』を、『お客』は一言も評しませんでした。その代わりに、私たちの生活の不足を、さりげなくそっと満たしていきました。配管の技術を持つ彼は、台所の水漏れする蛇口を直し、洗濯機の水道にバイパスを作ってくれました。フラットだった私の自転車のタイヤに空気を入れてくれ、Tが玄関のひさしの上に載せてしまったボールとブーメランを救済してくれました。滞在中、子供たちと沢山の時間を外で過ごしてくれたおかげで、私は安心して家事がはかどりました。

普段はとても行かれないちょっと贅沢なレストランにランチに連れて行ってくれ、“どこか買い物できるところはないの?”とモールに連れ出してくれました。くたびれて小さくなってきたTの靴を新調し、今年になって5キロ近くもウエイトを落とし、持っていた服がどれも着れなくなってしまった私にも、新しい服をプレゼントしてくれました(秋に向けて穴のあいていないジーンズに恵まれるとは…正直かなりのありがたさなのでした・笑)。
“たまには飲ませてやるよ”と言って帰りの運転を代わってくれ、夕飯を食べて眠ってしまったTをおんぶして車まで歩き、また部屋に担ぎこんでくれました。

Tの初めての運動会に参加するべく、今回有給を使って遠征してきた『お客』。テントの片づけをおヨソの地区の分まで手伝い、女手だけで運ぼうとしている集団の中に入っていって軽々とテントの袋を背負って倉庫に運び、Tの野球のコーチたちと一緒になってトンボをひっぱり、田舎の子供たちに囲まれて楽しそうに走り回り…

存在そのものがまず『不足の満たし』だったことに、『お客』自身がどのくらい気付いていたかは別として、彼が私たちの、いいえ、私の人生の中で大きな『missing piece』であったことを、彼の滞在は示していきました。特別な何をしているわけでもないのに、彼の一挙手一投足を通して潤され満たされ、欠けたものを確実に取り戻していく自分が居ました。
そしてその欠けや渇きは実に深刻で、生命の危機にすら至るものであったことにも気がついた。


『お客』と私は、もう長いこと、お互いから距離をとっていました。とりたいと思ってとっていたわけではなく、いちど掛け違ったボタンがなかなかかけ直せなかった…そんな感じで髄分と長い時間をうまらない溝の両側ですごしました。

沢山の雑音で大切なことがかき消されたように感じていた時期。魔法のとけたシンデレラが、たったひとつ残されたガラスの靴の片方を、薄暗い屋根裏部屋で眺めるような気分でした。夢のような宮殿ははるか彼方に遠ざかり、自力ではもう行くことも叶わない。
出会った頃に垣間見た魔法のような出来事は、単なる偶然だったのだろうかと、何度も振り返っては確認しようとしました。ガラスの靴は、変わったままの自分の苗字と、無邪気にたわむれる二人の息子たち。

そして、『お客』がやってきた。もう片方の靴の代わりに、天井を照らすプラネタリウムの機械をひっさげて。
なぜか自分と同じ苗字を持つ『お客』。私の目の前で、幼いガラスの靴たちとの再会を喜んでいる。

昔見た魔法が、やはりそこに有効であることに、私は今回気がつきました。ぎくしゃくした重苦しい空気に代わって、落ち着いた秩序と心地よい調和が、私たちの間を再び支配していました。
たとえばハンドトスとキャッチ。運転席と助手席。アイコンタクトですべてが済んでしまう不思議。今はそれが確実に自分に、自分だけに用意された恵みなのだとわかる。誰に気兼ねするのでもなく、ごく自然にその恵みに与かることができる自分が、今はいる。

それでもハタと現実に目を向けて、長い長いブランクの後、お互いにとっての自分の席がまだ空いてるのかを、恐る恐る確認してみたり、空いていると知ってそれでも本当にそこに座っていいものやら計りかね、必要とあらばいつでも立てるようにと、妙に浅く座っていてみたり…魔法の健在を認めつつ、かといって魔法だけに頼らないようにしなくちゃと、なにやら心ばかりが忙しく往来していました。

そんな当事者たちの心情はおかまいなしに、当たり前のように私たちをワンセットで扱う周りの人々。
それは、あの魔法に気がつきながら、それを否定しなければならなかった10年前とは違いました。私たちは確かに『神が合わされたもの』であり、また本人たちも含めて『誰も離してはならない』という宣言を経たセットなのでした。『離してはならない』というよりも『離れなくていい』。今の私にとっては、後者のほうがしっくりと腑に落ちますが…。


『お客』が帰る一時間前に『天使のおじちゃん』が現れました。『お客』を“主人です”と紹介している、おかしな矛盾。“お世話になっています”と『家の主人』を『お客』がフォローしている。
『メグロ』に乗った天使のおじちゃんは、この上なくにこやかに『お客』を『主人』として迎え、初めて会う若造が自分のバイクの価値がわかる人であったことに、内心とても嬉しそう。ここでも『わからなかった』私のあけた穴を、『わかる』彼が満たしてくれました。


空港へ出発する時、『お客』は三年前に私たちにくれてしまったエスティマの運転席に当たり前のように乗りました。私は『お客』が、お客でなくなってこの家を去っていくのだと感じました。
“運転、気をつけなさいよ。あなたはヘタなんだから”。それが『お客』の口癖。何度言っても言い足りないのか、今回ももう耳にタコです(笑)。

有形無形に満たすばかりだった『お客』が、最後に少し早い誕生日プレゼントを受け入れてくれたのは、奇跡でした。
『善に使えばキリストを越える』と自ら称する(笑)『お客』は、ストイックなまでにそれを実行しようとする人。その様はまるでキリストを越えるが為に、キリストの教えの上を行こうとしているかのよう。『右の手のしたことを左手に知らせない』だけでなく『右の手自身にすら自覚させな』いし、『受けるよりは与える』自分でいたいあまり、人からなにかをもらうことを頑なに拒む。ましてや自分が養うべき人から受け取ろうなんて、おそらく彼のプライドがゆるさないのでしょう。

自分の好みもはっきり自覚している彼が、趣味の違う私が選んだのものを受け取ることは、きっと多大な譲歩だったにちがいない。私がもうずっと愛用しているもの、きっと重宝だと思うから、とすすめても、彼には無用の長物なのかもしれません。あんたに追従なんかできるか。箱を開けたらそんな気だってするかもしれない。
だからこれは、モノをというより、彼が私の気持ちを受け取ってくれたということ。それは、とても嬉しい出来事でした。

そんな風にして、一歩も二歩も大きく譲ってくれた彼に伝えたい。受け取っているようで居て、あなたは与えるという喜びを、相手に『与えて』いるんだよ。と(そんなことはきっと彼ならわかっていると思いますが)。

ワンランク上のそんな『与え方』。キャリアもサイズもアップした彼には、ますますそれがふさわしいように見えました。

受け合い、与え合い、呼応し合う…。掛け違えたボタンをかけなおすのに、今度はそんなひとつひとつに丁寧な思いで臨みたいと、『主人』なる『お客』を送り出し、改めて心から思う9月24日なのでした。

                 





G-day,Mate!!

2008年01月16日 | Guest Book

                 先日、今年初めてのお客様をお迎えしました。

大型バスで私たちの町にやってきたのは、南半球オーストラリアからのお客様。約50人のみなさんを、私たち農泊仲間が10軒ほどでお迎えしました。真夏のオーストラリアからやってくる皆さんに、とにかくあたたかいおもてなしを…と、数日前からお布団を干しなおしてふかふかにしたり、部屋のストーブを増やしたりと、工夫を重ねてお待ちしていました。

実は私は20歳の頃、シドニーで一年あまりを過ごした経験がありました。ワーキングホリデー・ビザで渡ったオーストラリアでの日々は、開放的で自由で、今も忘れられない体験にあふれていました。
ですからオーストラリアからのお客様と聞いて、張り切らないわけがありません!限られた時間の中で、日本のあれもこれも体験させてあげたい…とワクワクドキドキ…

オーストラリアは移民の国。我が家にやってきた五人の女性たちのルーツもさまざまです。中国系のウェンディさん、イタリア系のペトリーナさん、ドイツ系のハイジさん…見た目は色々でも、話すのはみんな揃ってオージー訛りの英語です(笑)。みなさんは本国で日本語教師をしている方々だそうで、日本語と英語を交え、なんともグローバルな滞在となりました。

残念ながら彼らの滞在中はずっと天気が悪く、畑での農業体験などはさせてあげることができませんでしたが、それでもまだまだお正月気分の漂う季節がら、家の中で一緒にお餅をつくったり、子供も交えて福笑いに興じたり…ちょうど出初式の日だったので、我が家の隣りにある消防の機庫では近所の消防団が集まっていて、見学に行った彼らにもはっぴを着せてくれたりして…


おひとりおひとりがそれぞれ持ち寄ってくださった「オーストラリア土産」は、私にとっては懐かしいものばかり…コアラやカンガルーのぬいぐるみに始まって、ボードゲーム、コアラのティッシュカバー、オージー(オーストラリアン)柄のペンやメモ帳、コーヒーカップにティータオル、チョコバーのセットにオリンピックなんかでよく見かける、オージー色のおかしなカツラまで…(笑)
いやいや、こんなにたくさんの手土産をお持ちになったお客様は初めてです(笑)。記念に(?)ちょっとご紹介しちゃいましょう。
     【Cadburyのチョコバー】                   

  【TIMTAM&オージーな品々…】 

  【英語の勉強になります(笑)】   

                  【モデル by T】  

…そんな中で、オーストラリアといったら何といってもこれ!!というのが、「ベジマイト」!!ビン詰めになっている真っ黒な物体。トーストに塗って食べるのが一般的なペーストですが、これが実に説明がむずかしい。ちなみにビンには「yeast extract」と書いてあります。濃縮したイースト…??どうもわかりませんね?
しいて言うなら日本人にとっての「味噌」!韓国人にとっての「キムチ」!!といったところでしょうか。これなくしてはオージーは語れないものなのですが、オーストラリア人以外にとっては、とにかく奇異な味と風味…としか言いようのないものです。これを好きになったらもうあなたはオージー!と言われるほど。え…私?もちろん大好きですとも!(笑)

農泊の受け入れ家族が、オーストラリアに住んだことがあるとは思いもしなかった一人の方が、自分で食べるために持ってきたのですが、発見した私がコレを食べたいばっかりに、二日目の朝食を「洋食」にしよう!と提案。子供たちに食べさせてその反応に笑い転げたりして、すっかり大盛り上がり大会。いや~これぞ、異文化交流です☆

あっという間だった楽しい時間。ベジマイトを食べながら、きっとまた会おう!と約束したのでした。

            

                         もしかして、今度はオーストラリアで…!




Yokohama Breeze

2007年11月23日 | Guest Book

      私の生まれ故郷である「みなと横浜」から、時々さわやかな風が吹いてきます。

カフェの常連・なおみんちゃんは、もう長いこと某航空会社の客室乗務員をしています。世界中を飛び回って活躍してきた彼女は、今や先輩として新人たちの教育もまかされる立場。一年ほど前から、国内線を中心にフライトをこなしているようです。
そんな彼女が大分方面のフライトの時に声をかけてくれるのを、私たちはいつも楽しみにしています。そう、実は先週末も、大分ステイが入ったと連絡をもらって、一緒に夕ご飯を食べてきたところ。

なおみんとの出会いは、かれこれ20年近くも前にさかのぼります。横浜のみなとみらい地区で開催された博覧会をご記憶の方もおられるかと思いますが、高校を卒業したての私たちは、その会場にアルバイトをしていて出会いました。
同い年でハマッコ、一人っ子という共通点だけでなく、なんというか、その、フィーリングが合ってしまったんですね(笑)。なおみんの幼なじみのMちゃんも三人で、博覧会という非日常的なロケーションのもと、半年間限定という実に特別な時間を過ごしたのでした。

博覧会が終わり、私はオーストラリアに旅立ちましたが、その後も私たちの交流は続きました。海外に暮らし、異文化に触れて帰国した後、あんなものもこんなものも作ってみたかった頃には、我が家を訪ねて家族さながらに試食(毒見??)に参加してくれたなおみん。時には何年も連絡の途絶えることもありましたが、どんなにブランクが長くても、会うとその瞬間に昔に返れる…そんな、私にとってかけがえのない大切な友人が、なおみんちゃんなのです。

          

さて、フライトを終えて別府のホテルに滞在予定のなおみんを訪ねて、夕闇と追いかけっこで山道をドライブした私たち。彼女の滞在しているホテルのならびに、ちょっと気の利いた回転寿司屋を見つけてあったものですから、夕飯にみんなでお寿司を食べることにしました。

ホテルのお部屋を訪ねると、いつものように、会わなかった時間があっというまに縮まります。楽しい会話に美味しいお寿司。デザートには、きな粉大好きのなおみんが、大分名物“やせうま”を注文し、ハラはち切れんばかりの(笑)別府の夜は、あっという間に更けました。

まるでサンタクロースのように、素敵なプレゼントを袋にいっぱい詰めてやってくる彼女。今回は本格的な冬に向けて、これで暖まって!とばかりに、私と母に可愛らしいルームシューズ、そしてウィッタードのアールグレイを。日本ではまずお見かけしない丸いタイプのティーバッグに出会ったのは、いったい何年ぶりでしょう。
「箱がつぶれちゃって、ごめんね」と彼女は言いましたが、そのつぶれた箱は、15年ほど前のヨーロッパ旅行の途中で知り合い、その後ひょっこり私を訪ねて単身日本にやってきた英国はヨークシャーの少年が、やはり丸いティーバッグのつぶれた箱(その時はTITLEYでしたが)をひとつお土産に持ってきてくれたことを彷彿とさせ、なんだか思いがけずほほえましい気分にさせてくれました。

そしてそして、我こそお土産のハイライトとばかりに燦然と輝くハーバーの箱。横浜の人ならばこれを知らない人はいないでしょう。一度は姿を消したこの逸品も、みごとにカムバックを果たしてくれました。このあたりをお土産にそっと加えておいてくれるあたり、なおみんらしいなぁ…と頬がゆるんでしまいます。
子供たちには、飛行機に乗ると客室でキッズにプレゼントされるオリジナルグッズを。Tはいただいた小さなバッグを、翌週から保育園バッグととりかえて登園しています。

                           

ちょうど焼いてきた小さなバナナのパウンドを手渡したけれど、こんなにあれこれ戴いて、ほかになんにも差し上げるものがないので、お礼に別府の夜景をプレゼントすることに…。世界各地、日本全国を旅してまわったなおみんも、まだ見たことがないという別府の夜景を目当てに、山道を登ってとっておきの高台へ向かいました。その日は風が強く夜になって冷え込んできたこともあって、夜景はとてもきれいでした。
洗練されていつもキレイにお化粧しているけれど、彼女は少しも変わりません。博覧会で一緒に花火を見上げていた頃を思い出した夜でした。

           

翌朝、お土産が入っていた袋をたたもうとすると、もうひとつなにか小さいものが滑り出しました。拾い上げてみるとそれは可愛らしいガラスの筒。中に小さなドライフラワーが詰まっています。
ついていたラベルをみると富良野のお土産でした。そういえば、一番下に入っているのはラベンダー。

博覧会の頃、Mちゃんと二人で憧れの富良野にはじめて行った…と、ラベンダーにうずもれているなおみんの写真を見せてもらったことがありました。結婚して北海道に住み、パン職人のご主人と一人息子と一緒にパン工房を切り盛りしているMちゃんのもとを、時々訪ねるなおみん。そんなときには富良野にも足を伸ばすのかもしれません。

今日も、東へ西へ飛び回っているであろうなおみん。重労働をこなす彼女に心からエールを送りつつ、去年彼女が私に選んでくれたマフラー・帽子・手袋のアンサンブルを、今年も使える季節になりました。でもせっかくのスノー柄、九州の冬にはちょっぴりかわいそう。

           

  …そうか、それなら行くかな?…なおみんの飛行機で横浜へ。そしていつか、北海道へ…!






Post Season

2007年10月13日 | Guest Book

     http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/d1359710d749fb6745dc22f07b00eb94


   今、我が家で一番ホットな話題は、海の向こうで誰が一番になるかということです(笑)。

アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)は、ただいまレギュラーシーズンが終わり、ポストシーズンと呼ばれる一番エキサイティングな季節を迎えています。日本のプロ野球で言うところの「クライマックスシリーズ」のことと言えばよいでしょうか。

MLBには全部で30のチームがあり、アメリカンリーグとナショナルリーグに分かれています。
イチロー選手や城島健司選手がいるシアトル・マリナーズ、松井秀喜選手のいるニューヨーク・ヤンキース、そして松坂大輔選手、岡島秀樹選手のいるボストン・レッドソックスなどはアメリカンリーグに、松井稼頭央選手のコロラド・ロッキーズ、井口資仁選手のフィラデルフィア・フィリーズなどはナショナルリーグに属します。

それぞれのリーグがまた「東・中・西」の3地区に分かれており、9月のシーズン最後に各地区の優勝チームが決まります。その優勝した6チーム、プラス地区の2位だったチームの中で一番勝率が良かったチームを、各リーグから1チーム出し(ワイルドカード)、全部で8チームが10月のポストシーズンを戦います。MLBではつまり「10月に野球をする」ことが、なんといっても名誉あることなのです。


この夏、愛する信仰の友であるJぽろが、去年に引き続き我が家を訪れてくれました。今回はご主人のたかぽろさんも一緒です。今年のはじめに母が体調を崩したこともあり、あまり負担にならない程度に…とお気遣いくださり、湯布院を中心に滞在され、我が家には一泊してくださいました。
去年Jぽろが我が家に来てくれた際、スポーツ観戦が大好きな母に初めて会い、きっとご主人と話が合いそうだと、今度はきっと二人で来ると約束してくれたのでした。そう、たかぽろさんは誰もが認める一流のスポーツ通なのですからして。


…そして一年。ついにその約束が果たされる時が来ました。

実は我が家では、MLBをNHKのBS放送でしか観ていなかったのですが、メールやブログの書き込み等を通じて、まだ見ぬたかぽろさんから「もっと深く観たいならスカパーが良いよ」というアドバイスをいただいていました。

…そうだなぁ、では来年のシーズンが始まる頃にあわせてでも、スカパーの導入を検討しようかな…と思っていた矢先のこと。神様の不思議な奇跡が起きました。
きっかけは、たかぽろさんがmixiメッセージをくださった際に届いた「お知らせメール」にくっついてきた、スカパーモニター募集のバナー。それに応募してみたら、スカパーのチューナーとアンテナがなんと無料で与えられ、あれよあれよという間に我が家に一日3試合のMLB生中継がやってきました。

そしてぽろ夫妻がやってきたときには、もうそのスカパーでMLBを一緒に観るという幸いが与えられたのでした。今考えても、実に不思議です。
神様のなさることは、偶然ではなく必然なのだ…こう言ってそのことを評したたかぽろさんの言葉が、妙に腑に落ちて聞こえたのでした。


来訪の際に、お二人が探して来てくださった左利き用の野球のグラブは、実は私がリクエストしたものでした。
最近野球に興味を持ち始めたT。子供用のグラブを買ってもらいましたが、キャッチボールの相手がいません。私がしてあげたいけれど、あいにく左利き用のグラブがなかなか見つからず、ネットでもうまく探し切れずに困っていたところでした。
スポーツのことならぽろ家に訊け!とばかりに相談してみたら、選んでくれたのは、イチローモデル。つけるだけで、なんだかスーパープレイができるような気がしてきます。(あくまでも、「気がする」だけですが…!)

グラブだけでなく、お二人はちゃ~んと、キャッチボール用のボールも添えてくださってありました。なんて至れりつくせり…じんわりと感動しながら、裏のお寺の境内でキャッチボールの日々。時にはTの保育園のお友達が混ざることも。。。

Tには、たかぽろさんがTぐらいの年の頃に欲しかったものを…と、室内用バッティングマシンを…!Tはそれはもう喜んで、お二人の滞在中はほとんどそれで遊んでいただいていました。これなら雨の日だって遊べます。
Rには、ちょうど今のRにぴったりの木のトレイン。まる、さんかく、しかくのブロックが、トレインの穴に合うと中に入るようになっているもの。一生懸命考えて、上手く入るとRも嬉しそう。。。


ぽろ夫妻とはじめてセットで(笑)すごすことができた幸せ…本当に本当に、素敵なカップルです。
ご夫妻がくださった有形無形の贈り物たち…お二人と過ごせた時間、そして共に祈れた祈りが、一ヶ月経った今も私の心を豊かにしてくれています。
暑い時期はなかなかPCの前に座れず、こちらもポストシーズンになってしまいましたが、やはりどうしても書き記したかった今年の夏の素晴らしい出来事でした。


さぁ、いよいよリーグ優勝をかけた闘いがヒートアップしてきました。松井稼の活躍でナリーグはロッキーズが胸すくような快進撃。アリーグでは松坂・岡島のレッドソックスが、ド派手にシリーズを盛り上げています。そしてそれに続くワールドシリーズでは、果たして誰が栄冠を受けるのか…!?

                  10月のMLBから、目が離せません…!!







“ちょこ”ベビー

2006年09月15日 | Guest Book
“ねぇ、ちょこの赤ちゃんってみたことある?”

あいかわらず窓にやってくるヤモリたちを眺めながら、母とそんな話をしていたのは、つい先日のこと。夏のあいだ中、夜な夜な窓に張りつくヤモリの生態系を観察しているうち、ヤモリにも大型小型がいることに気づき、“これは大人でこっちはまだ子供なのかなぁ”とか“それとも違う種類同士で、みんな大人なのかなぁ”などと話していましたが、未だかつて明らかに“赤ちゃん”とわかるサイズのヤモリが張り付いていたことはありませんでした。

それでそんな会話をしていたのですが、昨日、ついに出会ってしまいました。保育園のお迎えのあと、車をしまおうと倉庫の重い鉄扉を開けたら、足元に何やらちょろちょろするモノあり・・・保護色で地面と同じ色になっていたのですが、捕まえてよくみると、それは小さな赤ちゃんヤモリでした。
はじめは逃げようとしていましたが、しばらくすると慣れてきたのか手の上に載って静かにしています。
小さな頃はトカゲなんかを捕まえて、よく手の上にのせたものでした。そのときの感触を久しぶりに思い出しました。ひんやり冷たくて、あごからしっぽまでぺったり手の上にのっかっている…。
Tに“手にのせてあげようか?”というと、口をすぼめて笑いながら首を振り、両手を後ろに隠してしまいました。

しばしの出会いにほのぼのしつつ、倉庫に返してやりました。うむ、これがほんとの“ちょこ”ベビー。




Jぽろりんが来た!

2006年09月09日 | Guest Book

Jぽろりんと私は、川崎時代に同じ町に住んでいました。それだけでなく、実はともに同じクワイヤーの仲間。(彼女は現役選手で、私はいわば“休火山”って感じですが…)

そんな彼女がご主人の粋な計らいによりマイレージをプレゼントされ、その行き先に選んでくれたのはなんと私たちのところでした。人なつこいキラキラのきれいな瞳がチャームポイントの、元気印の彼女に会う人は、みんな元気をもらう気がします。そして彼女のことが大好きになってしまうのです。

忙しいスケジュールを繰り合わせてやって来てくれたJぽろを待っていたのは、なんといっても季節を迎えたぶどう。K村さんのブドウ園にてぶどう狩りをしてみました。何種類ものぶどうを、その場で味見しながら摘みとります。ぶどう狩りのあとには、ウッドデッキでさわやかな風を受けながら、ここで採れたブドウを使ったオリジナルのアイスに舌鼓を打ちました。

   

子供たちに英語を教えている彼女。子供と同じ心になって遊んでくれる彼女に、Tも夢中です。お土産にくださった不思議なボールで、滞在中ず~~~~っと遊んでもらっていました。楽しくて楽しくて、げらげらゲラゲラ笑い声が絶えません。二泊三日のみじかい滞在だったのに“別れの朝”にはやっぱり涙
                 

ナスやゴーヤ…夏野菜を使った田舎料理をおいしいおいしいとたくさん食べてくれるJぽろに、初めて会った母もほれぼれ。“お野菜、送ろうね”と娘がまたひとり増えた気分に浸るのでした。


 地元sunny発、アーチストさんのキーホルダーとともに・・・
                          
                         こだわりの“お持たせ”、上品な甘さの“成城散歩”
         


 Jぽろ!再会を楽しみにしてるよ!




渓谷へ

2006年08月25日 | Guest Book

今週、友人のakiちゃん家族をお迎えしていました。半年も前から計画していた旅がついに実現。。。
Tも、二つ年上のJくんが来るのを心待ちにしていました。
昨日我が家をあとにして、今ごろは次の目的地へ旅しているであろうaki家。その旅の守りを祈りつつ、今朝は盛りだくさんだった四日間をランダムに振り返っています。

厳しい残暑から逃げ出すように、山道を車で30分ほど行ったところの渓谷へ。
この渓谷は、何キロも続く一枚板の岩盤の上を足の甲がかぶるくらいの水が、サラサラと流れている場所。そこはまるで天然のクーラーにいるような涼しさ。木々が作ってくれるトンネルの下、滑らかな岩盤の上を、流れに足を浸かりながらどこまでも歩いていくのです。
キャンプ用の折りたたみテーブルとRのベビーカーを、流れの中に置いてみる。なんだか不思議な光景です。
                    

ここをベースキャンプ(?)に“トム・ソーヤーとハックルベリー・フィン”よろしく、子供たちは滝を目指して水の中をずんずん歩いて行きました。(半分までついて行ったけれど、母はあえなく途中でギブアップ。)遠くから見ていると、まるで水の上を歩いているようです。

お盆休みの頃には連日にぎわうこの渓谷も、今は人影もまばら。足をつめたい流水に浸しながら、
水上ピクニックと洒落込んでみました。
水の上に降り注ぐ木漏れ日。ふと、昔たずねた米南部ルイジアナのバイユーを思い出す店主でした。

            



ゆいまぁる亭

2006年08月23日 | Guest Book

湯布院に温泉に入りに行ったときに立ち寄ったのが、沖縄料理の店“ゆいまぁる亭”。
Eri-Neが来てくれたときに初めて行ったのですが、とても良かったのでakiちゃんたちもお連れしてしまいました。

実は行きがけに立ち寄ったワイナリーで、ソムリエが“湯布院へ行くのなら、ピザのおいしいイタリアンの店がありますよ”とおしえてくれたのですが、行ってみると残念ながら定休日。それでは…と“ゆいまぁる亭”に白羽の矢がたったのでした。
表通りに面していないからか、“ゆいまぁる亭”はなんだか隠れ家みたいな静けさの漂う店。明らかに観光客向けでない、地元の定食屋さんのような佇まい。入口には“めんそーれ”の文字。引き戸を開けて中に入ると迎えてくださるおかあさんは、沖縄の方でしょうか。

           

ランチメニューの中から、ソーキそばにラフテー丼。ゴーヤチャンプルーに麩チャンプルー。冷たいジャスミンティーが振舞われ、M之氏は菊の露をロックで注文。
“本当は今日は定休日だったんですけれど、先週の金曜日に台風で休んでしまったので、今日は私一人でお昼だけ開けようと思ってね、作るのが遅いけど、ごめんなさいね”…どうやら湯布院は水曜休みの店が多いようです。それにしても、危うく二軒にふられるところ…幸いでした。ありがとう台風。

   

食事の終わった子供たちに、おかあさんからシークワーサージュースの差し入れも…。本当に良心的なお店。おかあさんのお人柄を慕って、お店の常連さんが毎月ノーギャラでライブをしているという話もうなずけます。

おなかがはち切れるほど食べてごちそうさま。その頃には、いつの間にやら集まった常連さんたちが数人、カウンターで和やかに過ごしていました。

湯布院の沖縄料理。んー、悪くありません。




天井桟敷

2006年08月23日 | Guest Book
     http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/eda6984ff29848db0cd04afe3d5b4bae

亀の井別荘のカフェ・天井桟敷に行ったなら、迷わず階上の席を選びたい。グレゴリオ聖歌の響きがよく似合う薄暗いその席からは、その名の通りの視界が楽しめる。階下で優雅にお茶を楽しむ客たちを、縦横に張り巡らされた黒い梁越しに天井桟敷で見おろすと、窓の外のしたたる緑がいっそう目に鮮やかだ。

滑車の回る音がして、注文した飲み物が木で出来た手動の“エレベータ”で上がってくる。
誰の目も気にせず、ゆったりと布のソファにもたれる。緊張した神経が、するするとほぐれていくのがわかる瞬間…。
                      
  
                      
  




Eri-Ne

2006年08月15日 | Guest Book

  夕暮れの空に飛び立つ飛行機を、私たちは両手を振って見えなくなるまで見送りました。

Eri-Neは私にとっては姉のような人なので、彼女にとってTは甥っ子のようなものかもしれません。川崎での子育ての中で、彼女は電車を乗り継いで幾度となく私たち親子を訪ねてくれました。
Tも彼女が大好き。久しぶりにその甥っ子に会いに、そして半年前に生まれたもう一人の“甥っ子”を抱っこしに、忙しいスケジュールを繰り合わせてこの大分の地までやってきてくれました。

どうしてもお客さん扱いできなくて、ご飯を作るのを手伝ってもらったり、Rに離乳食を食べさせてもらったり。色々働かせてしまいました(笑)。思えば、川崎にいたときもそうだったなぁ…何でもかんでもまかせたなぁ。随分本音も受け止めてもらったなぁ…なんて思い出したりして。

             

三月に素敵なマザーズバッグを送ってくれたEri-Ne。このバッグに色々入れて、一緒に湯布院温泉に行きたいなぁ…そんな希望も今回かないました。突然のゲリラ雨からも不思議に守られて、おいしい沖縄料理の店に行ってみたり、素敵な古布アートの店でお茶をご馳走になったり。

夜、布団を並べて、以前のようにあれこれ色々な話をしながら、いつのまにか心が解きほぐれていき、自分自身でもわからなかったあんなことこんなことに気がつく。私は一人っ子なのでわからないけれど、仲の良い姉を持つというのは、もしかしたらこんな具合なんだろうな…と思いながら快い眠りに落ちました。

日曜日の礼拝では、一緒に特別賛美をささげる恵みにもあずかりました。Tも飛び入りして、三人でMEG&KOJIの“主のみ手の中で”を賛美。私たちは、共に大きな神のみ手に守られて生きている…離れていても、こうして共に賛美する主はひとつ。そんな幸いを感じました。

楽しいときはあっという間に飛ぶように過ぎました。
最終日は、ゆったり家を出てワイナリーに立ち寄ったりしながら、余裕を持って空港に到着し、レストランで最後にお茶をしました。窓の外で発着する飛行機たちを眺めながら、“またいつでも会えるよね”“T、今度はEri-Neの家に泊まりにおいで”と別れを惜しみました。

共に歌ったあの賛美の歌詞のように…God be with you 主があなたと共におられますように…搭乗口に消えるEri-Neを見送りつつ、心の中でそう祈りました。Eri-Ne、ありがとう。きっとまた近いうちに…!




K村さんのブドウ園

2006年07月18日 | Guest Book

国道50号線をはさんだ向こう側の丘の上に、K村さんのブドウ園があります。大阪でデザインの仕事をしておられたお父さんが、脱サラして心機一転。この安心院町でブドウ農家をはじめました。
奥様と二人ですべて手作り。DIYのお手本のようなご夫妻です。

二人の娘さんのうち、妹のI子ちゃんは私たちの教会の仲間。日曜日はいつも片道30分の道のりを、車を乗り合わせて礼拝に向かいます。
全盲の彼女は、平日は大分市内の寄宿舎にいて、週末だけをこの安心院で過ごします。

日曜の午後、いつもより早めに礼拝から帰ると、K村さんが“ちょっとお茶によって行かれませんか?”と誘ってくださいました。“ウッドデッキがやっと完成したんですよ”と。
アースカラーの建物の横の、バーベキューもできそうな広いウッドデッキに招かれると、そこは遠く由布岳や鶴見岳を一望する絶景。シオカラトンボがにぎやかに飛び交います。ブドウ狩りのお客さんたちに、ほっと一息ついてもらうためのスペースだそう。収穫したブドウを使ってのオリジナルアイスの販売は“丁稚一号”I子ちゃんの担当。シャーベットのような、さわやかな甘さの逸品です。
見事に行き届いた広いハウスの中も見学。丹精されて色づきはじめた何種類ものブドウたちが、8月の収穫を待っていました。
愛犬のハルミにもご対面。I子ちゃんにとっての心の友、満面の笑みで迎えてくれました(笑)。

   

   


  
                     

            この夏はぜひ、K村さんの安心院ブドウをお試しあれ!




感動産業

2006年06月15日 | Guest Book

ここ安心院町には、毎年学生さんたちが“田舎”を体験しにやってきます。
たいていは北九州あたりの中学校ですが、なかには大阪や関東のほうからも修学旅行をかねてやってきてくれる学校もあります。

今年は三十数校、延べ600人以上の学生さんたちがこの小さな農村を訪れます。一学年全部がバスで到着し、いくつもの受け入れ農家に分宿、行った先で農村の生活を体験するのです。稲作農家では田植えのお手伝い、ぶどう農家ではぶどうの木の手入れなど…滞在中に彼らは、ふだん体験できないことに触れていきます。

都会に住む子供たちは、日常自分たちが食べているお米や野菜がどのようにして作られるのかをなかなか知る機会がありません。また核家族化が進んだ今の時代、両親が共働きで家庭のぬくもりを感じることができない子供たちも多くいます。家族揃った食卓につけない子や、ふだん朝ごはんを食べない子たち。親が忙しく、家庭での当たり前の教育を子供たちに施さないために、最低限知っていなければならない人間同士のルールのわからない子供もたくさんいます。そんな子供たちに、食物ができる過程での苦労を知り、農家の、おじいちゃんから子供までいる大家族の中に入って、家庭のぬくもりや共に過ごす大切さを知って欲しい…“農村体験”には先生や父兄たちのそんな思いがこめられているようです。
                  


我が家も、今年もたくさんの学生さんをお迎えしています。週に一度、2泊3日でやってくるおにいちゃんおねえちゃんにtomaも大喜びです。
今日も4人の女の子たちが我が家にお泊り。我が家は農家ではないため、くたびれるほどの農作業はありませんが、それでも家庭菜園でできた野菜を収穫したり、母がハーブ講座を開いたり…そして父が近くの滝へお連れすると、みんなはしゃいで滝つぼまで行って、びしょぬれになって帰ってきます。お風呂は近所のひなびた温泉へ。都会の子供たちがおじいちゃんおばあちゃんのはいる地元の温泉に入るのは、これまた貴重な体験で、公共の場で過ごすときのルールを学ぶ機会になります。時にはマナー違反で叱られることも…。でも、そんなことが案外忘れられない思い出になったりして。

そんな風にして家族のように受け入れられた子供たちは、“別れの朝”にはみんな涙涙です。滞在中ずっと押し黙っているので、“楽しくないのかなぁ”とこちらも心配して気を遣ったりする子も、あとで宿帳を読むと“超楽しかったですっっ”なんて書いてくれてある(笑)。思春期の子供たちの心はなかなか読めないけれど、それでも、なんというか、やりがいを感じるこのプログラムです。
息子さんの滞在を機にメールをくださったお母さんと、すっかり“メル友”になってしまったりして…
(ね、shinobuさん!)

           

泊まるほうにも泊めるほうにも思わぬ感動があるので、私たちはこのプログラムを“感動産業”と呼んでいます。



昆虫記

2006年06月06日 | Guest Book

毎年この時期の、日没後のほんのわずかな時間、家の前の川にホタルが幻想的に飛び交います。
今までテントウムシすらもさわれなかったTの手に、捕まえたホタルをのせてあげると、Tは自分の手の中で点滅する黄緑色の光を見つめてうれしそうに笑いました。

一昨日、我が家の網戸に訪れたのは、世にも大きなカミキリ虫。
畑でしょっちゅう虫を見ている母も、こんなに大きなカミキリ虫を見たのは初めてだとか。胴体だけでも大人の人差し指ぐらいの全長がありました。その名のとおり口にはなんでも噛み切ってしまいそうなハサミ、背中にはきれいな黄色い模様がついていました。

都会ではまず見かけないであろうこんなお客にも、ここではすぐ目の前で出会うことができます。

もちろん、出会うのはこんな素敵な虫たちばかりではありません。階段の下で手のひらサイズの家グモに遭遇することもあれば、寝ている部屋の天井からムカデが落ちてくることも…!(恐) 
TがちょうどRぐらいのとき、とても暑い熱帯夜に起きて授乳していたら、寝ぼけまなこの視界の隅に、上からツーッと下りてくる小さな黒い点あり。“?”と思い見回すと、あそこにもここにも“ツーッ”。はっとして上を見上げると、なんと天井いっぱいに、部屋の隅にできた卵巣からかえったばかりのクモの赤ちゃんが、文字通り“クモの子を散らしたように”無数にちらばっているではありませんか!
…あのときの恐怖は、それほど虫を苦手としない私でも、筆舌に尽くしがたいものがあります。

自然が豊かということは、そういうことも含めてなのですね。そう、でもそれを含めて、あえて言いましょう。“viva!田舎!”(ちょーっと無理があるけれど… )