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映画「ブラッド・ダイヤモンド」レオナルド・ディカプリオ

2012-01-26 19:40:42 | 映画・テレビ
結婚式

人生の晴れの門出に、純白のウエディング・ドレスに身をつつみ、花婿の瞳を見つめながら永遠の愛を誓う花嫁。

その時の花嫁の目には感動の涙があふれ、愛する人と共に生きようと、第二の人生をスタートさせるのです。

その結婚相手の最初の贈り物にダイヤのエンゲージ・リングが多いのは、それだけ人々の心を魅了せずにはいられない何かを持っているからに違いありません。



ダイヤモンド


それは夫婦をつなぐ美しい愛情の証しにもなりますが、時には悲劇を起こす原因にもなります。


この映画は、ダイヤモンドの妖しい輝きに魅せられ、数奇な運命をたどった人々の物語です。

時は1999年、世情不安定なアフリカのシエラレオネが舞台で、ダイヤモンドの採掘権を巡り、内戦が激化しています。
その内戦で、数千の尊い命が奪われ、何百万もの難民を生み、その飛び火はダイヤモンドとは、まったく無関係だった人々にも及びました。

ここに登場するソロモン親子も、そうした中の一員なのです。
ソロモンの息子ディアは、親思いの勉強のよく出来る子供で、将来医者になるのが夢でした。
それは彼が住んでいる国が、貧困にあえいで満足な医療が受けられず、命を落とす人が多かったからなのです。
しかし、彼ら親子の夢は無惨にも引き裂かれ、息子のディアは革命統一戦線URFに拉致され、ソロモンもまた捕らえられて、ダイヤモンド採掘の作業に従事させられてしまうのです。

ダイヤモンドはURFにとって、貴重な資金源の一つなのです。
その採掘現場で、ソロモンはおよそ百カラットあると思われるダイヤモンドの原石を見つけて、そのダイヤモンドを巡り、闇取引を生業とするディカプリオを始め、様々な人間が絡んで、物語は展開していきます。

このURFは祖国の自由と安定を奪取するために、何等抵抗する術を持たない民衆に銃を向け、無慈悲にも容赦なく殺戮していくのです。
彼らの畏怖すべきところは、大量殺戮を終え、歓声と共に、体をリズムに乗せながら、彼らの歌を歌う事にあります。
それは、いかにも有りがちな士気を鼓舞する勇壮な歌ではなく、ゆったりした明るい楽しげな歌で、その場面に私は思わず戦慄を覚えてしまいました。
彼らにとって、人を殺すのは何でもない事なのです。
むしろ、楽しくてたまらない事なのです。
また、このURFは人格形成途上にある子供を拉致して少年兵に仕立て上げ、殺戮に加担させているのです。

ソロモンの息子ディアも、そうして洗脳されるのですが、ソロモンの我が身の危険を省みない強い愛情に、忘れかけていた愛情がよみがえり、ディアの目から涙がこぼれるシーンはとても感動的でした。

それにしても、いくら大金が入るからとは言え、ディカプリオの権謀術数たくましい商魂と、次から次に襲ってくる危険に立ち向かうバイタリティには唖然とせずにいられませんでした。


レオ様、お金のためとは言え、そこまでやる?(笑)


この映画を観終わって、私はふとダイヤモンドにまつわる、こんなエピソードを思い出しました。

ワシントンのスミソニアン博物館には、ホープ・ダイヤモンドと呼ばれる史上名高い呪われたダイヤモンドが陳列されてあるそうです。
このダイヤモンドの所有者は、みな事ごとく不幸に見舞われ、非業の死を遂げた人は延べ20名以上を数えるのだとか。
その中には、あのルイ16世とマリー・アントワネットも含まれていて、共に断頭台の露と消えたのは歴史の1ページとして、みなの知るところです。


なぜ、人はダイヤモンドに魅了され、虜になるのでしょう?

今日も、世界中のどこかで、ダイヤモンドを巡り、様々な悲喜劇が生まれているのかも知れません。









 

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