映画「愛と死を見つめて」昭和三十九年制作、吉永小百合主演。
この映画は、軟骨肉腫という病に冒され、二十一歳という短い一生を終えた大学生、大島みち子さん(ミコ)と、彼女を支え続けた河野実さん(マコ)の実話をもとにした純愛のお話です。
二人が初めて知り合ったのは高校生の時で、関西の同じ病院に入院して、阪神タイガースファン同士という事で意気投合し、退院後も文通をずっと続けていました。
その後、ミコとマコはそれぞれの大学に進み、学業に勤しむ毎日を送っていたのですが、ミコの病気が再発し、再び入院する事になってしまいます。
東京の大学に通っていたマコは文通のほかに夏休みを利用して、大阪駅の構内でビール売りのアルバイトをしながら病院に見舞いに訪れ、ミコを励まし続けます。
しかし、ミコは放射線治療で、少しは病状が良くなるものの、つねに再発の不安と隣り合わせで、マコの幸福の為なら、自分から身を引いた方がよいのではと一人思い悩むのです。
そして、ある日マコに手紙を書きます。
・・・その日、主治医の先生からお話を伺い、そしてさとされました。
私の病気は現代の医学では回復の見込みがない事。
私の命は、これから先、どれくらい持つのかデータが少なくて分からない事などでした。
その時、私は不思議に冷静でした。
すでに覚悟が出来ていたのかも知れません。
ですから、その時すぐあなたに私の病気のすべてをお知らせし、あなたに新しい道を進んでいただかなければ、あなたは幸福を逃がしてしまう。
こんな事、分かりすぎるくらい分かっていながら、あなたとお別れした後の淋しさが怖くて、お別れの手紙を書く勇気がありませんでした。
だけど、もうこれ以上お別れをためらってはいられません。
マコ、あなたは私に真剣に人を愛する事を教えてくれました。
そして私は人を愛する尊さを知りました。
・・・マコ、今までのミコはもう死にました。
この手紙を最後にあなたと私をつないでいた糸はぷっつりと切れたのです。
私の二十年の生活記録にもっとも美しい花を咲かせて下さったあなたに心からありがとうを言います。
ありがとう、マコ。
マコ、ありがとう。
マコ、幸せになって下さい。
ミコの分まで二倍も三倍も・・・さよなら・・・さよなら・・・・
その手紙を読んだマコは急いで病院に駆けつけます。
そして、弱気なミコに、マコは「いいかい?ぼくは君の病気がどんなにひどくなろうとも、君から絶対離れないぞ」と励ますのです。
だけど、ミコはその言葉に「マコは、私がどんな病気なのか分からないから、そんな事を言うのよ」と言いながら、うつむいてそっと涙ぐむのです。
ミコは軟骨肉腫という難病を患い、女性にとって、もっとも大切な顔が冒されてしまう病気だったのです。
しかし、そんな自暴自棄のミコに、マコは「君が病気と闘って闘って敗れたんなら、それでいいじゃないか。だけど、今の君は肉体が病気に負ける前に精神が病気に負けてしまってる。それじゃ今まで君を育ててくれた両親はどうなるんだ。
ぼくは君が病人でなかったら、君を殴りつけてでも君の精神を叩きなおしてやるのに・・・」
その必死なマコの励ましに、涙ながらに謝るミコなのでした。
そうして、ミコは手術を受ける決意をするのですが、いざ手術をしてみると、思いのほか病状が悪化していて、手術を途中で打ち切らざるを得なくなるのです。
その後、病気はさらに悪化の一途をたどり、死の時が刻一刻とミコに近づいてきます。
ミコ危篤の報せに、東京から急いで会いに来たマコに、ミコは細く弱々しい手を差し延べて、マコを迎え入れます。
そして、いつか元気になったら、マコと信州に行きたいと、か細い声を振り絞るようにしてしゃべるのです。
それが、ミコの最期でした。
マコと一緒に信州に行きたいという、彼女の夢は叶えられる事なく亡くなってしまいました。
彼女は病気に負けたのでしょうか?
病気に負けたから彼女は亡くなったのでしょうか?
いいえ。私は決して、そうは思いません。
彼女は何度もくじけそうになり、自ら命を絶とうと思った事さえありましたが、病気と正面から向き合い、マコと一緒に病気と闘ってきたのです。
彼女の身体は病気が奪ったかも知れませんが、彼女の心は病気に勝ったと私は信じています。
先日、私は行きつけの本屋さんで、この「愛と死を見つめて」の文庫本を見つけました。
大島みち子さん(ミコ)が亡くなって、四十数年経った今なお二人の必死に生きた愛の記録は読まれ続け、人々の感動を誘っているようです。
人生は長く生きたかではなく、いかにして生きたかが大切である。
あらためて、この言葉の意味を思いました。
この映画は、軟骨肉腫という病に冒され、二十一歳という短い一生を終えた大学生、大島みち子さん(ミコ)と、彼女を支え続けた河野実さん(マコ)の実話をもとにした純愛のお話です。
二人が初めて知り合ったのは高校生の時で、関西の同じ病院に入院して、阪神タイガースファン同士という事で意気投合し、退院後も文通をずっと続けていました。
その後、ミコとマコはそれぞれの大学に進み、学業に勤しむ毎日を送っていたのですが、ミコの病気が再発し、再び入院する事になってしまいます。
東京の大学に通っていたマコは文通のほかに夏休みを利用して、大阪駅の構内でビール売りのアルバイトをしながら病院に見舞いに訪れ、ミコを励まし続けます。
しかし、ミコは放射線治療で、少しは病状が良くなるものの、つねに再発の不安と隣り合わせで、マコの幸福の為なら、自分から身を引いた方がよいのではと一人思い悩むのです。
そして、ある日マコに手紙を書きます。
・・・その日、主治医の先生からお話を伺い、そしてさとされました。
私の病気は現代の医学では回復の見込みがない事。
私の命は、これから先、どれくらい持つのかデータが少なくて分からない事などでした。
その時、私は不思議に冷静でした。
すでに覚悟が出来ていたのかも知れません。
ですから、その時すぐあなたに私の病気のすべてをお知らせし、あなたに新しい道を進んでいただかなければ、あなたは幸福を逃がしてしまう。
こんな事、分かりすぎるくらい分かっていながら、あなたとお別れした後の淋しさが怖くて、お別れの手紙を書く勇気がありませんでした。
だけど、もうこれ以上お別れをためらってはいられません。
マコ、あなたは私に真剣に人を愛する事を教えてくれました。
そして私は人を愛する尊さを知りました。
・・・マコ、今までのミコはもう死にました。
この手紙を最後にあなたと私をつないでいた糸はぷっつりと切れたのです。
私の二十年の生活記録にもっとも美しい花を咲かせて下さったあなたに心からありがとうを言います。
ありがとう、マコ。
マコ、ありがとう。
マコ、幸せになって下さい。
ミコの分まで二倍も三倍も・・・さよなら・・・さよなら・・・・
その手紙を読んだマコは急いで病院に駆けつけます。
そして、弱気なミコに、マコは「いいかい?ぼくは君の病気がどんなにひどくなろうとも、君から絶対離れないぞ」と励ますのです。
だけど、ミコはその言葉に「マコは、私がどんな病気なのか分からないから、そんな事を言うのよ」と言いながら、うつむいてそっと涙ぐむのです。
ミコは軟骨肉腫という難病を患い、女性にとって、もっとも大切な顔が冒されてしまう病気だったのです。
しかし、そんな自暴自棄のミコに、マコは「君が病気と闘って闘って敗れたんなら、それでいいじゃないか。だけど、今の君は肉体が病気に負ける前に精神が病気に負けてしまってる。それじゃ今まで君を育ててくれた両親はどうなるんだ。
ぼくは君が病人でなかったら、君を殴りつけてでも君の精神を叩きなおしてやるのに・・・」
その必死なマコの励ましに、涙ながらに謝るミコなのでした。
そうして、ミコは手術を受ける決意をするのですが、いざ手術をしてみると、思いのほか病状が悪化していて、手術を途中で打ち切らざるを得なくなるのです。
その後、病気はさらに悪化の一途をたどり、死の時が刻一刻とミコに近づいてきます。
ミコ危篤の報せに、東京から急いで会いに来たマコに、ミコは細く弱々しい手を差し延べて、マコを迎え入れます。
そして、いつか元気になったら、マコと信州に行きたいと、か細い声を振り絞るようにしてしゃべるのです。
それが、ミコの最期でした。
マコと一緒に信州に行きたいという、彼女の夢は叶えられる事なく亡くなってしまいました。
彼女は病気に負けたのでしょうか?
病気に負けたから彼女は亡くなったのでしょうか?
いいえ。私は決して、そうは思いません。
彼女は何度もくじけそうになり、自ら命を絶とうと思った事さえありましたが、病気と正面から向き合い、マコと一緒に病気と闘ってきたのです。
彼女の身体は病気が奪ったかも知れませんが、彼女の心は病気に勝ったと私は信じています。
先日、私は行きつけの本屋さんで、この「愛と死を見つめて」の文庫本を見つけました。
大島みち子さん(ミコ)が亡くなって、四十数年経った今なお二人の必死に生きた愛の記録は読まれ続け、人々の感動を誘っているようです。
人生は長く生きたかではなく、いかにして生きたかが大切である。
あらためて、この言葉の意味を思いました。
この映画かなり古いですよね(笑)
いかにして生きるか!
やはり諦めることなく愛し続けたいと思います。
わたしのブログへのコメントありがとうございます。
”癒されない!”と、おっしゃっている人は、例の社長さんです。
心に何かがあり、恋愛をしない!と決めています。人間的にはとても大きくて素晴らしい人です。
つづきは、わたしのブログで・・・
この映画は純愛を貫いた二人の実話で、原作の本は、今も文庫本になって、読まれ続けているみたいです。
私は、その文庫本を、先日本屋さんで見つけ、今も読まれている事に軽い感動を覚え、このお話を書いてみる気持ちになったのです。
やっぱり、あの男性は例の社長さんだったんですね。
何となく、そんな気がしていました。
なんだか、この社長さんにはかなり器の大きい、深い愛情みたいなものを感じます。
男女の恋愛感情を抜きにしたお付き合い、とても素敵だと思いますよ。
次回のちはるさんのブログ、楽しみにしていますね。