もう過ぎてしまったけれど、ゴールデンウィークに何をしたいか望みが叶うとしたら、旅に出たいなと思っていました。
急行列車に乗り、知らない土地をあちこち巡ってみたい。
だけど、どうして、私は電車に乗ってみたいと思ったのだろう。
もしかしたら、昔、愛知県に住んでいた頃、よく鉄道を利用して、あちこち遊びに行っていたからかも知れない。
その時の思い出で、いまだに忘れられないのは、西尾駅から、名鉄電車に乗って、豊橋駅まで行き、そこから、国鉄に乗り換えて、富士山を見に行った時でした。
浜松の辺りに来ると、海が電車の窓いっぱいに見えて、視界が開けて、とても気持ちよかった。
そして、そこから見える灯台にも感激したものでした。
富士山も、もちろん感動したけれど、ずっと内陸で育った私には、広々とした海を見るのは格別の感動があったのです。
名古屋に行くときにも、よく電車に乗りましたが、もっとも印象に残っているのは帰りの夜の電車内です。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、揺れたり、時折り、鳴る警笛の音や踏み切りのチリンチリンと鳴る音が近づいては、あっという間に通り過ぎる瞬間とか。
そして、車内にいる人々の姿。
会話している人の聞き慣れない方言にも興味深いものがありました。
そうして、ガラスに映る見知らぬ乗客や、自分の姿に、何か不思議なものを見ているような気がして、仕方ありませんでした。
まるで、それは童話の銀河鉄道に乗り、現実を越えて、果てしなく遠いところに向かってるような錯覚を私に起こさせてくれたのです。
この電車は、私をどんな旅へ連れてってくれるのだろう・・・
そういえば、私はもう何年も旅好きの女性のブログを読んでいます。
彼女が旅をするきっかけは、恋に破れたのが始まりでした。
私の旅は、傷心旅行からはじまった・・・
彼女はそのあとも何度も恋をしましたが、なぜか結ばれることはありませんでした。
そういうことが続いたのち、いつしか、彼女は一人で生きようと思うようになりました。
ところが、一年ほど前、ある人の熱心な勧めで、一人の男性と付き合うようになったのです。
彼女は初めのうちは、気が進まなかったみたいですが、自分を愛してくれるならと、男性に次第に心を寄せるようになっていきました。
しかし、ある出来事を境に、彼女の中に疑念が生じ、やがて、二人は喧嘩が絶えなくなってしまいました。
それでも、なお二人はやり直したい気持ちがあったみたいですが、会えば必ず喧嘩になってしまうので、お互い、とうとう別れる決心がついたそうです。
彼女は彼と別れたあと、それまでやめていた一人旅を再び始めることにしたようです。
これからは彼と二人で旅するので淋しくないと、ブログに書いていたこともあったのですが。
彼女はこれから、どこに旅に出るのでしょう?
彼女の旅に終着点はあるのでしょうか?
そんなことを考えていたら、昔、NHKで放送されたドラマ人間模様の「夢千代日記」が、ふと思い出されてきたのです。
このドラマは、主人公、夢千代(吉永小百合)を乗せた電車が、山陰の山あいの線路を走り、餘部(あまるべ)鉄橋を渡る場面から始まります。
夢千代は、戦争中、広島で原爆の放射能を浴びた母親から生まれ、白血病を患い、もう何年も生きられない体なのです。
夢千代はその電車内で、川崎から殺人事件の容疑者を追ってきた山根刑事(林隆三)と乗り合わせ、そこから物語は始まるのです。
夢千代は、芸者の置屋「はる屋」の女将で、金魚(秋吉久美子)、菊奴(樹木希林)、雀(大信田礼子)、千代春(楠トシエ)らの芸者を抱えているのですが、みな夢破れて、この山あいの町にたどり着いたのです。
そして、殺人を犯した市駒も、夢千代のはる屋で芸者をしていたのでした。
このドラマは、殺人事件を起こした市駒の行方を追ってきた山根刑事と、夢千代をめぐる人々の生き様を描きながら、物語が展開していくのです。
このドラマに登場する女性は誰も多くを望んで幸せになりたかった訳ではないのです。
ほんのささやかな幸せでよかった。
だけど、夢千代のように、生まれながらに病におかされ、明日をも知れない命もある。
市駒のように、愛し合っていた人が、何かのはずみで、道を誤り、取り返しのつかないことになってしまうことだってあるのです。
そして、この私自身、あの時、別の選択をすれば、今よりもっと幸せになれたかも知れない。
だけど、あの時はそれが最善の選択に思えたのです。
今さら言ってもどうしようもないけれど、あの時はごめんなさい。
私は、あなたにああ言われた時、どうすればいいか、自分でもわからなかったんです・・・
これから、私はどうすればいいのか・・・
もしかしたら・・・もしかしたら、それはこのドラマが導いてくれてるのかも知れない・・・
夢千代のもとに来た金魚は自殺未遂を起こしたあと、生きる気力を得ようと、幼女を自分の子として育てることにしましたし、時子は貧しい生活に加え、足を患っていながらも、小夢という名で、芸者として道を歩む決心をしましたから。
幸せ はみなひと色だけど、不幸は一つ一つちがった色をしているそうです。
そうした人達を道連れに、夢千代は明日をも知れぬ命を、少しでもより良く生きようと決心するのです。
そんな夢千代の暮らすはる屋に、優しく包み込むように雪が降り、このドラマは幕を閉じるのです・・・
生きるとは、宛のない旅に似てるのかも知れない。
私がずっと読んでいるブログの旅好きの女性も、恋に破れたあと、若かった頃の夢の実現に向けて動き出そうとしています。
みな、心に傷を負いながらも、何とか生きていこうとしているようです。
私はこれから、どこへ行くべきか・・・
急行列車に乗り、知らない土地をあちこち巡ってみたい。
だけど、どうして、私は電車に乗ってみたいと思ったのだろう。
もしかしたら、昔、愛知県に住んでいた頃、よく鉄道を利用して、あちこち遊びに行っていたからかも知れない。
その時の思い出で、いまだに忘れられないのは、西尾駅から、名鉄電車に乗って、豊橋駅まで行き、そこから、国鉄に乗り換えて、富士山を見に行った時でした。
浜松の辺りに来ると、海が電車の窓いっぱいに見えて、視界が開けて、とても気持ちよかった。
そして、そこから見える灯台にも感激したものでした。
富士山も、もちろん感動したけれど、ずっと内陸で育った私には、広々とした海を見るのは格別の感動があったのです。
名古屋に行くときにも、よく電車に乗りましたが、もっとも印象に残っているのは帰りの夜の電車内です。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、揺れたり、時折り、鳴る警笛の音や踏み切りのチリンチリンと鳴る音が近づいては、あっという間に通り過ぎる瞬間とか。
そして、車内にいる人々の姿。
会話している人の聞き慣れない方言にも興味深いものがありました。
そうして、ガラスに映る見知らぬ乗客や、自分の姿に、何か不思議なものを見ているような気がして、仕方ありませんでした。
まるで、それは童話の銀河鉄道に乗り、現実を越えて、果てしなく遠いところに向かってるような錯覚を私に起こさせてくれたのです。
この電車は、私をどんな旅へ連れてってくれるのだろう・・・
そういえば、私はもう何年も旅好きの女性のブログを読んでいます。
彼女が旅をするきっかけは、恋に破れたのが始まりでした。
私の旅は、傷心旅行からはじまった・・・
彼女はそのあとも何度も恋をしましたが、なぜか結ばれることはありませんでした。
そういうことが続いたのち、いつしか、彼女は一人で生きようと思うようになりました。
ところが、一年ほど前、ある人の熱心な勧めで、一人の男性と付き合うようになったのです。
彼女は初めのうちは、気が進まなかったみたいですが、自分を愛してくれるならと、男性に次第に心を寄せるようになっていきました。
しかし、ある出来事を境に、彼女の中に疑念が生じ、やがて、二人は喧嘩が絶えなくなってしまいました。
それでも、なお二人はやり直したい気持ちがあったみたいですが、会えば必ず喧嘩になってしまうので、お互い、とうとう別れる決心がついたそうです。
彼女は彼と別れたあと、それまでやめていた一人旅を再び始めることにしたようです。
これからは彼と二人で旅するので淋しくないと、ブログに書いていたこともあったのですが。
彼女はこれから、どこに旅に出るのでしょう?
彼女の旅に終着点はあるのでしょうか?
そんなことを考えていたら、昔、NHKで放送されたドラマ人間模様の「夢千代日記」が、ふと思い出されてきたのです。
このドラマは、主人公、夢千代(吉永小百合)を乗せた電車が、山陰の山あいの線路を走り、餘部(あまるべ)鉄橋を渡る場面から始まります。
夢千代は、戦争中、広島で原爆の放射能を浴びた母親から生まれ、白血病を患い、もう何年も生きられない体なのです。
夢千代はその電車内で、川崎から殺人事件の容疑者を追ってきた山根刑事(林隆三)と乗り合わせ、そこから物語は始まるのです。
夢千代は、芸者の置屋「はる屋」の女将で、金魚(秋吉久美子)、菊奴(樹木希林)、雀(大信田礼子)、千代春(楠トシエ)らの芸者を抱えているのですが、みな夢破れて、この山あいの町にたどり着いたのです。
そして、殺人を犯した市駒も、夢千代のはる屋で芸者をしていたのでした。
このドラマは、殺人事件を起こした市駒の行方を追ってきた山根刑事と、夢千代をめぐる人々の生き様を描きながら、物語が展開していくのです。
このドラマに登場する女性は誰も多くを望んで幸せになりたかった訳ではないのです。
ほんのささやかな幸せでよかった。
だけど、夢千代のように、生まれながらに病におかされ、明日をも知れない命もある。
市駒のように、愛し合っていた人が、何かのはずみで、道を誤り、取り返しのつかないことになってしまうことだってあるのです。
そして、この私自身、あの時、別の選択をすれば、今よりもっと幸せになれたかも知れない。
だけど、あの時はそれが最善の選択に思えたのです。
今さら言ってもどうしようもないけれど、あの時はごめんなさい。
私は、あなたにああ言われた時、どうすればいいか、自分でもわからなかったんです・・・
これから、私はどうすればいいのか・・・
もしかしたら・・・もしかしたら、それはこのドラマが導いてくれてるのかも知れない・・・
夢千代のもとに来た金魚は自殺未遂を起こしたあと、生きる気力を得ようと、幼女を自分の子として育てることにしましたし、時子は貧しい生活に加え、足を患っていながらも、小夢という名で、芸者として道を歩む決心をしましたから。
幸せ はみなひと色だけど、不幸は一つ一つちがった色をしているそうです。
そうした人達を道連れに、夢千代は明日をも知れぬ命を、少しでもより良く生きようと決心するのです。
そんな夢千代の暮らすはる屋に、優しく包み込むように雪が降り、このドラマは幕を閉じるのです・・・
生きるとは、宛のない旅に似てるのかも知れない。
私がずっと読んでいるブログの旅好きの女性も、恋に破れたあと、若かった頃の夢の実現に向けて動き出そうとしています。
みな、心に傷を負いながらも、何とか生きていこうとしているようです。
私はこれから、どこへ行くべきか・・・