奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

今が正念場

2012-07-22 22:00:19 | Weblog
昨日から、遠くの高校の学生寮に入っている次男が夏休みで帰省しています。
その次男が、夏休みに入る直前に、中学校の学校見学の司会をさせられました。
大勢の前で、しゃべれるのか、ちょっと心配だったのですが、なんとか無事に出来たそうです。
そして、司会が終わって、戻るしたくをしていたところ、母校の中学校の生徒達が、次男のもとに駆け寄り、「先輩、先輩、お元気でしたか?」と嬉しそうに声をかけてきたとか。

次男は中学生の頃、野球部に入って、後輩の面倒を見ていたので、慕われていたのでしょう。
しかし、高校の入学試験で、九州全土から集まった優秀な子供達約520名中、1位の成績で合格し、特待生になった事も、声をかけてきた原因の一つではと思います。
そして、2年生からはトップクラスになったのも知られているようで、次男は母校の中学校で、言わば英雄扱いされているらしいのです。

母校の生徒達の誇りになっている、うちの次男。

そんな事を考えていたら、なんだかぽろぽろ涙が湧いて抑えられなくなりました…

確かに、次男は中学校でも、優秀な成績でしたし、高校もトップの成績で入学を果たしました。
でも、トップだったのは、入学試験の時だけで、そのあとはじりじりほかのクラスメートに追い上げられ、今、とても悩み苦しんでいる最中なのです。
次男は高校に入って、初めて大きな壁にぶつかったのです。
今までは、人の背中を見て、勉強した事はなかったのに、高校に入った途端、自分より優秀なクラスメート達にどんどん抜かれて、自信を失いかけているのです。

お小遣も殆ど漫画ばかりで、ストレス解消しているらしい…

でも、次男の成績を抜いたクラスメートは皆、そこの私立高校の附属中学校出身者ばかりなのだとか。
つまり、部活もしないで、ひたすら勉強ばかりしていた子供達で、勉強への取り組み方がほかの公立中学校出身者とは、まるで違う。

そこへ行くと、うちの次男は小学生のうちから野球部に入っていたし、古くからある伝統芸能にも積極的に参加して、勉強ばかりしていた訳ではないのです。

それを勧めたのは、私の主人でした。

私の主人は、協調性や積極性も学ばせて、一人前の大人にしたいとの願いから、勉強以外の事も積極的に子供達に関わらせていたのです。

そして、中学生までは親の期待以上に頑張ってくれていたと思います。
先生やほかの子供達の親までも、よく誉めてくれていました。
そんな次男でしたから、高校に入って、初めて自分以外の優秀な成績の子供の存在を身を持って知り、自信を失いかけているのです。

そうとは知らない母校の後輩達が、今だに次男を慕っている。


辛いでしょうね…

でも、勉強だけが人生のすべてではないと、うちの主人は長い目で見るように、私や次男を励ましています。

それに挫折は早いうちに経験しておいた方が立ち直りも早いかも知れません。


ねぇ、あなたは大学に進学する夢を持っているのよね?

だったら、これしきの事でへこたれている場合じゃないわよね?


今は確かに辛いでしょう。

でも、立ち止まっても構わないから、夢は大切に持ち続けましょうね。


きっと、将来、この辛い経験が実を結ぶ日が、きっと来るはず。


その日まで、私は子供達の行く末を、時に影になったり、日なたになりながら、ずっと見つめ続けようと思います。












 

漫画「伊賀の影丸」横山光輝

2012-07-22 06:59:35 | 読書
先日、ブックオフで、横山光輝さんの発表50周年記念の「伊賀の影丸」のコンビニ本を、150円で見つけました。
「伊賀の影丸」は、私がブログを始めた頃、お世話になっていたノビーさんという青年が、横山作品中、一番好きだと言っていた作品でした。
それで私も、以前から、この漫画が気になっていたのですが、古本屋で手に取って、パラパラめくっては、いつも買わずにいた経緯があったのです。(苦笑)
その訳は、横山作品は女性にはハードルが高くて理解しにくいような気がしていたからです。。
内容が難解とか、そういうんじゃなく、いまいち面白さが判りづらいのです。
こう書くと、主人公がかっこいいと思わないのかと、横山ファンの男性にお叱りを受けそうですが、確かに横山作品に登場する主人公は美男子で、勇敢で、強い男の子が多いです。
だけど、女性の私にはそれだけだと、どうしても物足りなく感じるのです。
その主な理由は、横山作品の主人公は悩まないですし、弱さもあまり見せませない点にあるように思われてなりません。
男性の弱い部分を見せられると、女性はいても立ってもいられなくなる面が無きにしもあらずなんです。(笑)

あなたは、好きな男性のタイプを聞かれた女性が、「誠実で優しい男性が好き」という言葉を聞いた事はないですか?
誠実とは、うそをつかないという単純な意味だけでなく、弱さも見せてほしいという意味も含まれているのです。
なぜかと言うと、そうした男性の方が、女性は自分の中の愛情を引き出せて、守ってあげたい気持ちが生まれてくるからです。

美男子で、強くて、かっこよくて、お金も持っている。

現実には、そういう男性もいいかも知れませんが、漫画の場合、それだけで女性の心理に訴えるのは至難の技だと思います。(笑)

次に挙げられるのが、横山作品に戦いの場面が多いのも、女性に不人気の理由の一つではないでしょうか?
男性読者にとっては、主人公がどんな武器や作戦で戦うのか興味が湧き、緊張感もあっていいと思うのですが、横山作品の場合、そんな場面が延々、続いていて、女性は途中で飽きちゃうんです。(笑)
そうした理由で、女性には横山作品の面白さは判りづらいのではと、私は思っています。

だから、私は今まで何度も「伊賀の影丸」を買うチャンスはあったのですが、そのたびに躊躇していたのです。
でも、ブックオフで見つけたそのご本は、発表50周年記念のほかに、サブタイトルが、「由比正雪の巻」と書いてありました。
由比正雪は、ノビーさんも日記に書いていて、私は西瓜の赤い色は由比正雪の返り血を浴びたという言い伝えがあるとコメントした覚えがあったのです。
調べてみたら、由比正雪が死んだ直後に西瓜が日本に初めてもたらされ、武士にとって血を連想させる西瓜の赤い色は不吉だと思われていたらしいです。
そんな懐かしい記憶と、「由比正雪の巻」が一番面白いエピソードと知り、読んでみる気になったのです。

それにしても、発表50周年記念のご本が、コンビニ本というのは?

なんだか、それも可笑しくて買う気持ちになった理由の一つでした♪

でも、先程も書いたように横山作品は女性には、かなりハードルが高いです。
だから、あたかも少年の気持ちにならないと、女性には理解しにくいのです。

ですけど、そこがまた、私にとっては横山作品の魅力でもある訳です。
まだはっきり女性としての自覚が芽生える前の小さかった頃の気持ちになるのは、面白くもあり、快感でもありと言ったところでしょうか♪


それでは簡単にあらすじを…

ことの始まりは、慶安四年に、奥村八左衛門の訴えで、軍学者 由比正雪のむほんのたくらみが発覚した事でした。

しかし、この計画はすぐに幕府の知るところとなり、追い詰められて、自刃して果て、鈴が森の刑場で、さらし首にされてしまいます。
ところが、それはまったくの別人で、由比正雪は腹心の部下とともに逃げおおせていたのです。
それを知った幕府は、影丸を始めとする、左近丸、獅子丸、むささび、岩石入道、源心ら忍者に討伐の命令を下し、由比正雪側の忍者、弥九郎、鉄扇、幻心入道、如月文兵衛、太郎坊らと熱き戦いを繰り広げるのです。



簡単に書くと、こんなあらすじなのですが、この漫画のどこが面白いのでしょう?

私としては主人公の伊賀の影丸より、由比正雪の方が好きになりました。

と言いますのも、由比正雪はまったくの悪人として描かれている訳ではなく、美形で、年齢的にも私に近く、味方の忍者が倒されていく苦悩が、私の胸をえぐるように思えたからです。

それに、影丸は私の息子と年が近く、まさかそんな年齢の子を好きになる訳にはいかないでしょう?(笑)

忍者という存在も、かっこいいなと思いました。

忍者といえば、忍術ですが、なんだか超能力者みたいで、一瞬で消えたり、すごい跳躍力で、木から木へ、ぴょんぴょん跳び移ったり、分身の術を使うところが、痛快無比に感じられました。
由比正雪の次には、彼の味方でも、どちらでもない阿魔野邪鬼という男がいいなと思いました。

この男は侍で、忍びの術も心得ていて、不思議な事に、どんなに命に関わる大怪我をしても、わずか3時間で元通りになる不死身の体をしているのです。

しかし、こんな不死身の男でさえ、影丸はやっつけてしまうのです。


影丸って、子供のくせに強すぎて、全然、可愛いげない~(苦笑)


どちらかと言うと、私は脇役や、敵の方に魅力を感じちゃうわ。(笑)


でも、もしかしたら当の横山光輝さん自身、そう思っていたのではないでしょうか?

この作品のラストシーンでの由比正雪の男らしい最期は泣けて泣けて仕方ありませんでした。


おそらく、横山光輝さんが、この漫画で描きたかったのは、何が善で、何が悪ではなく、真の男らしい生き方だったように、私には思われてならないのです。


確固たる信念を持ち、孤独に耐えて、生き抜く。


そういう男性、私も憧れます…