透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

『沈黙の春』その2

2014-02-06 15:04:50 | 日記

晴れ。最低気温-17.9℃。相変わらず今日も酷寒の日となる。

『沈黙の春』の冒頭の続きを。

キーツ「湖水のスゲは枯れはて、鳥は歌わぬ」

E・B・ホワイト「私は、人間にたいした希望を寄せていない。人間は、かしこすぎるあまり、かえってみずから禍をまねく。自然を相手にするときには、自然をねじふせて自分の言いなりにしようとする。私たちみんなの住んでいるこの惑星にもう少し愛情をもち、疑心暗鬼や暴君の心を捨て去れば、人類も生きながらえる希望があるのに。」


ジョン・キーツ John Keats(1795-1821)はイギリスの詩人。結核で25歳の若さで亡くなる。冒頭の部分は「つれなきたおやめ」最終連「それゆえに、わたしはさまようこのあたり、 色青ざめて、ただひとり。 湖のほとり菅(すげ)は枯れ果て、 ひと声の鳥も鳴かぬに。」 (And this is why I sojourn here /Alone and palely loitering,/Though the sedge is wither'd from the lake,/And no birds sing.)
からとのこと。

 

E・B・ホワイトElwyn Brooks White (1899年ー1985年)はアメリカ合衆国ニューヨーク州マウントバートン生まれの作家。

 『沈黙の春』(青木りょう一訳 新潮社)の解説には、カーソンより8つ年長の彼の短文や童話の表現をカーソンが積極的に自分の中に取り入れようとしたのではないかと書かれていた。ホワイトの作品には適切さと優雅さと意外性とが同時に兼ね備えられていて、洗練されたユーモアのなかに真実への火のごとき思いが秘められいると。簡潔で力がこもった表現は高い想像力のみが産み出しうるものだと言い切っていた。

 私はE・B・ホワイトの作品を手にしたことはないのだが、童話作品から一つ選んで読んでみたいと思った。

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