龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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相聞歌2019年(8/28~8/31)

2019年06月19日 14時00分59秒 | 相聞歌
8/28(火)

118
「一身上の都合」退職願の理由欄事情も思いも置き去りの定型(た)


119
気づくのはいつも後からいま今日のこの時のための人生だった(ま)



8/29(水)

120
やれること探し自分が動くことが今ある形の正体たらん(た)


121
お互いに遅るる時の悲しみは未来にとっておくことにする(ま)


122
老い先やどちらが先に倒れるか日々の暮らしの確率論議(ま)


123
明日のことは明日にならなきゃ分からない今日いる人と今日やることを(ま)



8/30(木)

124
波にゆられくるくる回る小貝かな不安と期待ないまぜの通院日(た)


125
ぎりぎりにならねばやらぬ「宿題」に追い込まれてる残暑の夕暮れ(ま)



8/31(金)

126
車めがけ走り来る教え子ら愛おし互いに喪なうものに心痛し(た)


127
「どんな魔法をかけたの?」階段につめかけた生徒に夫(つま)は笑う(た)


128
残された老後を妻と過ごそうと退職決めた夜まだ暑し(ま)


129
夕暮れの廊下にペンキ塗り立ての段ボール林立す明日文化祭(ま)


128と129について書いておく。
妻が退職した中学校に、書類を置きにいったとき、生徒たちは私が乗っていった妻のクルマを二階のベランダから目ざとく見つけて、正面玄関前の階段から怒涛のように下りてきて妻を探し、私しかいないのを見て取ると口々に 自己紹介をしつつ 「妙子先生は?」と尋ねて来る。

まあ、高校と違って義務の 「先生」は生徒との関係が深いのだろうが、それにしてもスゴい。
妻の 「マジック」というか、中学生一人一人を惹きつける力の強さには心底驚いた。
病気で中途退職する、という事情があるにせよ、彼らの動きは、私の教師経験にはない 慕われ方だ。
いつも妻には
「なに中学生騙してるんだよ」
と戯れに言っていたが、これほどとは思わなかった。
騙して何かをさせたい、というより、したい何かを探していけるように立って歩かせたい、という方が近いのだろうとは思っていた。

それがこんなにも中学生に響くのだとは。

「互いに喪うもの」

しばらくの間この言葉に私は向き合ってみようと思う。

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