私の母語は岡山弁ですが、壮大な神話世界を持ち仮面踊りで有名なドゴン人の集落を見たときは思わず「ドエリャ」所に住んでいるものじゃとつぶやいていました。NHKTV9月15日放映「探検ロマン世界遺産 西アフリカ1」のアナウンサーは「絶景!」と叫んでいましたが。(以下この番組をNHKTVと略記します)
地理的位置は2007年6月16日の旅程図でご確認ください。この地はバンディアガラ断崖とよばれる大断層帯が150kmにも広がり、標高は500mにも及びます。ドゴン人はその断崖の上の台地、下の平原、そして断崖に25万人生活しています。
彼らは本来ニジェール川の流域に住んでいましたが、多民族との抗争から逃れるため14世紀初頭この地に移り住むようになりました。彼らは周辺の民族がイスラーム教徒化していくなかで伝統的な宗教観、宇宙観を持ち続けて来ました。そのためか他の民族からは野蛮人とみなされ、奴隷狩りの対象になってきました。それはごく最近まで続いたそうです。(「最近まで」というのはNHKTVの担当プロデューサーから聞いた話です)
写真は私が「ドエリャ」と思った断崖の台地から見た下の断崖の村です。
問題のバニ川をフェリーで渡りジェンネからドゴン人の集落へ向かいました。次々回からドゴン人を紹介する予定ですが、間が悪いこと?に昨夜NHKTVの「探検ロマン西アフリカ」でドゴン人が紹介されました。
次回はジェンネのようです。その次はトンブクトウですか?
写真はバニ川渡河のフェリーから撮影したものです。
最初に紹介した大モスクは勿論世界遺産ですが、一般の住居も世界遺産に1988年指定されています。
ナショナルジオグラフィック(日本版2001年7月号)にかなり詳しくこのジェンネについて書かれているので、その一部を抜粋紹介しておきます。
「ジェンネの美しい建物はもろく、はかないのが難点。定期的に補修をしないと,雨期には雨で流され崩れてしまう。大干ばつに見舞われた1970年代と80年代には、多くの住宅が見捨てられてしまった。*****現在、オランダ政府から50万ドルの資金援助を受け全家屋の約8分の1にあたる168軒の修復に取り組んでいる。*****職人たちは、グリグリと呼ばれる呪文を唱え、家とその住人、そして自分たち自身から災いを守る。古いレンガを壊して再利用をする時は、同じ家の修復に使う。さもないと、レンガにかけた呪文の効力が失われると信じられているからだ。」
ジェンネにはもう一つ問題がおきています。この地に恵をもたらしてきたバニ川に灌漑用のダム建設計画です。ナショナルジオグラフィックはこれに対する住民の反対運動をルポしています。私がこの地を訪れたのは2002年2月ですが、当時この計画は一時中断しているように聞きましたが、はっきりたことは分かりませんでした。
写真は世界遺産の住宅です。
前回紹介した大モスクの前はご覧の通り人々でごった返していました。この日は月曜市の日でした。
14~16世紀にかけてトンブクトウ(2007年6月22日~7月2日に紹介)と並んで「双子の姉妹」と呼ばれ繁栄してきました。トンブクトウの方は寂れましたがジェンネは今も重要な交易都市です。その象徴がこの月曜市です。女性たちは正装してこの市場に出かけるそうです。
写真はこの大モスクの前で開かれている市場の様子です。 干し魚のようですね。