カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

子ガラス、その2

2023年08月07日 08時00分00秒 | カラス
2021.06.01撮影

冒頭画像に子ガラスが1羽写っているのですが、どこにいるかお分かりになりますか。クチバシの脇がちろっと赤いのを探してくだされば、わかるかもしれません。

ここは、うちの玄関前の1階へ向かって上がっていく外階段で、階段の端に、黒いプラスチックの植物の鉢を置いてあります。画像中、右と左の鉢には、まだ、値段を示すラベルが貼られています。・・・あ、でも、これらのラベルは、階段を上がり下がりする人間には、見えないんです、うん。

子ガラスさんは、2番目の鉢の、こちらから見て左手にいます。この画像を写した直前には、鉢と階段の隙間の狭いところに頭をつっこんでいました。その無防備さ、警戒心の低さ(なさ?)、に、ヒヤヒヤしたわ〜。この辺りは、ネコさんもアライグマさんも住んでいるのよ。

大人のカラスさんたちがどっかに頭を突っ込んで平気でいるなんてことは、ぜ〜〜〜〜〜ったいにありません。突っ込む必要があるなら、さっと突っ込んで、さっと頭を抜き出し、周りを仔細に確かめ、時間をかけて安全を確認してから、また、頭を突っ込む、の繰り返しです。

2021.06.01撮影

ああ、またそんな茂みの中に向かって、ひとりで、ぼう〜〜〜、としている。ハラハラするわ〜。

子ガラスが飛行練習を始めると、親は子ガラスを放っておきます。見かけ上は、ですが。人間の目で探せなくても、どっか近くで、親や年上の兄弟が見守っています。「自由」にさせられている子ガラスは、何をどのように習うのでしょうか。

この成長段階の子ガラスは、自分でエサを探してくることも、エサを食べることもできません。

子ガラスは、親などに連れられてエサのあるところまで来ます。親たちが食べ出すと、食べ物は、子ガラスの目の前にもあるわけです。でも、子ガラスは、自分でそれを拾えない。それで、親鳥か年上の兄弟が、子ガラスに食べ物を口移しして食べさせることになります。

ほら、そこに食べ物あるじゃん、と思っても、まだ運動神経が発達していないんですね。自分で首を伸ばして下へ差し出せない。それで、大きく口を開けて、食べさせてもらっています。

子ガラスは、また、ひとりでいるところへ、親鳥などがエサを運んできてくれることもあります。これは、やはり、親鳥に随伴して飛行できないからでしょう。

2021.06.01撮影

子ガラスは、クチバシの両脇が赤いのですが、上の画像の子ガラスは、まだ幼いですね。赤い部分が大きいです。成長するにつれて、この赤い部分がだんだん小さくなっていきます。

クチバシの脇が赤いうちは、口の中も赤いです。口の中の写真は撮れていないので、お見せすることができません。そして、借りてこられる画像を随分探したのですが、見つけられませんでした。

親鳥たちは、子ガラスが口を開けて、この赤い部分を見せると、エサを与える衝動に駆られるのだそうです。子ガラスは、口の中が赤い間は、親鳥に養ってもらえます。

以下は、ツバメの子どもがエサをくれと口を開けているところですが、この黄色く見える部分が子ガラスでは赤いと思ってください。


2023.06.06撮影

ツバメ〜帰国日記1

以下の画像は、子ガラスが翼を伸ばそうとしているところです。やっぱり、頼りないわ。羽もふわふわしているし、艶々感が低い。お顔も幼い。

そして、クチバシの脇だけでなく、足も赤っぽいです。脚は黒いですが。

2021.06.01撮影

大人のカラスさんの足は、以下の画像で見ることができます。大人の足は(脚も)黒いです。

2023.04.25撮影

カラスさんからちょっと離れて隣にいる鳥は、カモメさんです。これは、ワシカモメ(Larus glaucescens)のようですが、確信はありません。バンクーバーにたくさんいます。カモメについては、またの機会に。

学名 Larus glaucescens「灰色のカモメ」
英名 Glaucous-winged gull「灰色の翼のカモメ」
和名 ワシカモメ
カモメ科(Laridae)カモメ属(Larus
原産 カリフォルニアから北海道へかけての北太平洋岸


コメント

カラス襲撃事件、速報

2023年08月06日 08時00分00秒 | カラス
2021.12.27撮影

トロント発、速報:
8月4日、トロントのスパーマーケット前の路上で、女性がカラスに襲われ、鼻に流血するケガを負いました。骨に異常はありませんでした。スーパーマーケットの救急係がたまたま駐車場で休憩中の出来事で、襲撃を目撃し、路上に膝をついている被害者を助け起こし、スーパーマーケット内で応急手当を施しました。大ケガではない、ということです。その救急係の人の言うには、女性がサングラスを頭の上に乗せていたのが引き金ではないか、ということです。

・・・・・

このカラスに襲われた女性は、わたしの知り合いの娘さんです。直接話したのではないので、詳細はわからないのですが、カラスがどこからどのように飛んできたか、興味のあるところです。

人間がカラスに襲われることは、カナダでは日常茶飯にあることですが、血が出るまでには普通至りません。また、カラスが人間の頭には触ってきても、顔を攻撃するのも、そうありません。それで、なぜそこまでエスカレートしたのか、興味があります。

バンクーバーでは、子ガラスは巣立ちして2ヶ月にもなります。が、トロントではそれより遅くて、今、ちょうど、親ガラスたちはピリピリしているのかもしれません。

あるいは、襲撃カラスさんが、彼女を、自分が常日ごろからうらみに思っている他の人と取り違えたのでしょうか。カラスは人間の顔を認識するんですが・・・

この「カラス襲撃事件」は、バンクーバーではなくトロントで起こったので、この襲撃カラスさんは、東アメリカガラス(Corvus brachyrhynchos brachyrhynchos)でしょう。バンクーバーだったら、西アメリカガラス(Corvus brachyrhynchos hesperis)です。

なお、冒頭の画像は、今日の事件速報の内容にはまったく関係がありません。季節も異なるし、アメリカガラスの別亜種だし、ましてや、襲撃したカラスご本人さまでもありません。単に、アメリカガラスの飛んでいる姿が写っている、というだけで、この画像を選びました。

「子ガラス、その2」は、明日になります。


コメント

子ガラス、その1

2023年08月04日 08時00分00秒 | カラス
2023.03.28撮影(若い繁殖していないカラスと思われる)

書き出してから1周年、ということで、わたしの最初のブログ記事「モミジバフウでいい感じの、カラスのご夫婦」(2022.08.02)にちなみ、今日から数日間、カラスさんについて書きます。でも、今回は、ご夫婦のことではなく、子ガラスについてです。

画像の2番目、3番目、4番目が、子ガラスさんです。冒頭の画像は、時期的なものと1羽でいるところから見て、繁殖していない若いカラスだと思います。この時期は、つがいは巣作りに励んでいます。

日本のカラスと言えば、
・ハシブトガラス(Corvus macrorhynchos「大きいくちばしのカラス」)
・ハシボソガラス(Corvus corone:種小名の意味不祥)

北米には、何種類かカラス属の鳥がいますが、そのうち広範囲に分布するのが、
・アメリカガラス(Corvus brachyrhynchos「短いくちばしのカラス」)
です。

このカラスは、日本のカラスでは、どちらかと言えば、ハシボソガラスに似ています。

学名 Corvus brachyrhynchos「短いくちばしのカラス」
英名 American crow「アメリカガラス」
和名 アメリカガラス
カラス科(Corvidae)カラス属(Corvus
原産 北アメリカ

このアメリカガラスには、現在、4亜種が認められていて、うちのあたりに住んでいるカラスさんたちは、「西アメリカガラス」です。

学名 Corvus brachyrhynchos hesperis
英名 Western American crow
和名 西アメリカガラス
原産 北アメリカ西部


2021.05.26撮影(巣立ち直後の子ガラス)

早いつがいは4月初めころに抱卵を始め、孵化期間は18日間、巣立ちは孵化後36日くらいだそうです。

ということは、抱卵が始まってから54日くらい(約8週間)で巣立ちする、ということで、抱卵が4月初めに始まったのなら、巣立ちは5月の終わりの週であることになります。バンクーバーは暖かいので、抱卵が始まるのは3月末かもしれません。


直前の画像と、ここから先2枚の画像は、そんな巣立ちすぐの子ガラス(同一個体)です。うちの2階のベランダの手すりにとまっています。撮影は、二重ガラス(+網戸)越しにしました。

子ガラスだなんて、なぜ、わかる、って? 子ガラスの特徴は以下以外にもあるのですが、画像から読み取れるのだけにすると、

状況
・羽を膨らませて、疲れたとばかり、休んでいる
・無防備な(=逃げるのに難しい)位置(後ろは家屋のガラス戸)にとまっている
・ガラス越しとは言え、50cmに人間が近づいても逃げないほど無頓着
・小柄
・羽の色の黒さが薄い
決定的特徴
・クチバシの脇が赤い

2021.05.26撮影(巣立ち直後の子ガラス)

この家に引っ越してきたとき、周りにカラスが多いのにびっくりしました。巣作りに最適な木が街路樹として並んでいるからだろう、と思います。そして、立地的に、エサを求めやすい地域なんだと思います。

この子ガラスさんは、飛行練習中の休憩をしているところだと思われます。

飛行練習すると、疲れるんですよね。この子ガラスさんは手すりに足でちゃんととまって立っていますが、地上に「落ちて」いる子ガラスさんもいますよ。もう飛べなくなって、体ごと「へたり込んで」いるんです。中には、横向きに「転がって」いる子もいます。

でも、大丈夫、親や年上の兄弟が、どこにいると人間の目にははっきり見えなくても、必ず近くで見守っていますから。

中には、親の見守りや激励があっても動けない子もいます。もう日が暮れたのに草陰にうずくまり、親が長い時間促してもどうにもならず、危険な地上で一夜を過ごすことになる子もいます。巣立ちした子どもは、本来は、1羽ずつ離れて、樹上で身を隠して寝ます。

子ガラスが、人家の庭でではなく、道の近くの地上か樹上でへたっているところに、怪しい人間が近づいてくると、親ガラスは、ガーガーワーワー大変な騒ぎですよ。かすめるように飛んでこられて、それは怖いです。

でも、親ガラスは、危険な人間ではないと認識している人には、こういう威嚇行動はしません。カラスには、人間の識別能力があります。わたしのつれあいは、車のナンバープレートまで見分ける、と言いますが、それはいくらなんでも・・・

2021.05.26撮影(巣立ち直後の子ガラス)

この家に住み出して初めての、子ガラスの時期、隣の雨樋(あまどい)の曲がったところに巣をかけたカラスがいたんです。なんでそんな丸見えのところに? 新米夫婦で、巣の場所の獲得戦に負けたのか?

その巣が、うちの2階のベランダからちょうど目の前に見える位置だったんです。上の画像では、ずっと右の方です。それで、わたしは、大喜びでベランダに出て、手すりから身を乗り出して、つらつらと巣の中のだいぶん成長した子ガラスたちを眺めていました。もっと早く気づけば良かったなあ、成長日記をビデオに撮れたのになあ、なんて思いながら。

すると、巣に帰ってきた親ガラスに、突如、突進してこられた。羽ばたきの空気圧まで感じられたわ。親ガラスは手すりに着地したが、その前に、わたしは手すりを押して、それをバネにして体をよけたので、大事に至りませんでした。大急ぎで屋内に避難。逃げていなければ、やられるところだった。

それから何週間も、庭や道に出るたびに、親ガラスに耳元をかすめるように威嚇飛行をされました。帽子や着るものを変えたりしても、姿勢や歩き方を変えても、認識されちゃうんです。玄関から出てみたり裏口から出てみたり、また、普段と反対方向に歩いたり、しても、それでも、分かられてしまう。

防御方法はわからなかったんですが、とにかくつば広の帽子をかぶって、うつむいて、決して相手を見ない、耳元を飛びすぎても反応しない、走らない、ひたすら同じペースで歩く、で何とかやり過ごしました。

それにしても、ヤツらは、耳元をかすめるのが効果的だと知っているんですよね。頭への攻撃と同じですからね。ヒザあたりとか、コシあたりとか、とは、怖さがまったく違う。それも、相手にやり返される可能性のある前からではなく、後ろから襲ってくる。あ〜〜、こわ。

もうひとつ分かったことがあります。傘を持っていると、もっと警戒される。うかつに傘を持って外へ出た時には、えらい目にあいました。バットでもゴルフクラブでも同じことだと思います。道具の長さを認識するんですね。

でも、あっちだって、別に人間を襲いたくないんだと思います。なんと言っても人間の方が体が大きいですからね。ですから、警告行為には出るけれども、実際に襲ってくることは滅多にない。そう思うと、わたしがあのベランダで子ガラスたちを見ていた行為は、親鳥には挑発でしかなかったんだろうな、ごめんね。

2019.07.12撮影(大人のカラス:見張り中?)

ところで、アメリカガラスの人間を認識する力については、研究がたくさんあり、また書籍もたくさん出ています。わたしのように巣の中にいる子ガラスたちを眺めていただけでなく、カラスに直接的な害を与えたと見なされる(例えば、実験として、死んだカラスの模型を持っている)人は、カラスさんたちには、何年も、世代を超えて忘れてもらえないそうです。

つづく


コメント

今日は19℃、1年前のこの日は?

2023年08月02日 08時00分00秒 | わたし

2023.08.01撮影(日本時間で8月2日)

今日(バンクーバー時間では8月1日)のお昼前の外の気温は、わたしのうちの木陰の北側で、19℃。去年はどうだったか・・・

1年前(2022年)のこの日、わたしは、ブログを書き始めました。

1年前、goo blog運営から
> 長期間ご利用のないブログの編集機能停止
という「告知」メールが来て、書くしかないか、と・・・

このブログアカウントを、わたしは、「5000+日」前に開設したらしく、計算してみると、開設日は2008年10月8日であることがわかりました。

大方、15年も前・・・ああ、わたしがまだ若かった?ころね。

ブログ名を「カラスといちごとクロッカスと」などという妙な名前にしていたらしく、変えようと思えば変えられるみたいでしたけど、まあ、いいか、ということで、その名称にちなみ、最初の投稿はカラスさんについてにしました。


その最初の投稿にちなみ、今日ではないんですが、次の投稿からカラスさんについてまた書きます。でも、ご夫婦のことではなく、子ガラスについてです。

まずは、木の葉を背景にとまっている、その年に巣立った若いカラスをご覧ください。

2022.09.06撮影

ブログの名称「カラスといちごとクロッカスと」の「カラス」の次は「いちご」なので、カラスの次にイチゴの画像をお見せしたい・・・のですが、うちの畑ではもうずいぶん長い間イチゴを育てたことがなく、画像がまったくないので、その代わりに、指貫(ゆびぬき)ベリーの実(サイコーに美味しい)をお見せします。

2016.06.16撮影

イチゴ(Fragaria × ananassa)も指貫ベリー(Rubus parviflorus)も、同じくバラ科であり、白い5弁の花、赤い実、ということで許してください。

「指貫ベリー」という名称は、和名がないようなので、英名の Thimbleberry を訳しました。


1年前に書いたブログ記事を読み返してみると、ずいぶん書くスタイルが変わってきているなあ・・・みなさんも、そのようにして、変遷されてきましたか。

あ、イチゴの写真があるのを思い出した。うひひ。これ。高級品ではないのだろうけど・・・

2023.03.22撮影

3月に帰国していたとき、わたしは生まれて初めていちご大福を食べました〜〜。いちご大福ってどんなものだろう、と夢見ていたんです。美味しかったわああああ。

お客さんが手土産に持ってきてくれたの。甘いものを食べない父をいいことに、母とわたしで3つずついただきました。一度に3つではありませんよ。画像は、母とわたしが1こずつ食べた後の証拠写真。

で、わたしのブログの名称「カラスといちごとクロッカスと」の最後の部分のクロッカスですが、このクロッカスを取って、ニセクロッカス(コルチクム)をアイコン画像にしました。


そんなニセクロッカス(「ニセ」と言っても、きれいなんですが)では申し訳ないので、次には、季節外れですが、本物のクロッカスを1種類。う〜〜ん、薄紫の筋が、何とも言えないなあ。

2014.03.24撮影

で、そのブログ開設日から「5000+日」前が2008年10月8日のようである、というのは、手で計算したんですよ。2020年は365日ではなく366日、2016年も366日、2012年も・・・、他の年は365日、って計算したんです。日付が出てきたときには、満足感がありました。

その後、ふと思いついて、「〜日前の日付」ってのを検索したら、簡単に出てきた。がっくり。わたしのあの頭脳労働は、何のためであったか。脳活に役立ったのか? 脳に疲労を与えたのか?

次回の話題は、子ガラスさんです。


コメント (3)