これは、CBC(日本のNHKに当たる)のインターネット版ニュース(8月18日付)からです。
著作権のついている記事ですが、多くの人が危険にさらされている天災に関するニュースだということで、許可を取らずに転載(「天災」とゴロってるわけじゃない、たまたまそうなった)いたします。
現在、BC州に非常事態宣言が出ています。上の記事の中の英語の表現では、under state of emergency「非常事態下にある」がそれを示します。
山火事は(毎年のことながら)もう数ヶ月ずっと続いていたのですが、先週半ば、いよいよ、オカナガン地方の中心地、ケロウナ(Kelowna)に迫っていました。
ケロウナは、観光地として知られ、夏には、オカナガン湖とその湖畔で湖水浴やウォータースポーツが楽しまれます。また、ブドウが多く栽培されていて、ワイナリーが点在します。アイスワインも作られます。
上の画像では、高層ビルは画像中央に見えるだけで、基本的には、観光地、住宅地、農業地、の広がった街です。
この画像に写っているのは、川ではなく湖です。この湖の向こう側がウエスト・ケロウナ、こちら側がケロウナです。
以下の地図では、湖が細長い形であるのが見えます。そして、その左側(西側)がウエスト・ケロウナ、右側(東側)がケロウナです。地図中右下の地図は、BC州のどこにケロウナとウエスト・ケロウナが位置するか、示されています。
赤く塗られているのは、8月20日現在で、今後ここまで火事は広がるであろう、と推測される地域。
8月16日にはすでにウエスト・ケロウナ住民に避難命令が出ていました。そして、わたしは、オカナガン湖畔近くのケロウナ側に住む友だちに、大丈夫なのか聞いたのですが、「いや、対岸の火事だよ」なんて呑気なことを言っておりました。
ところが、火が西岸から東岸へ飛び火し、同日の夜のうちにケロウナ側にも避難命令が出て、わたしの友だち家族も避難しました。彼女たちは、たまたま、火の手の届かないところに親戚のうちがあるからよかったけど、他の人々はどうしているのか。
3万人がすでに避難しており、そのうちの数千人は、東隣の州のアルバータまで至っているとか、そして、そのうちの3千人は、さらにその東隣のマニトバまで至る模様、と報道されています。
また、早くに避難命令に従った人たちは、車で高速道路まで出られたが、出遅れた人たちは、湖をボートで逃げたとか。でも、両岸が燃えているんですよね?
さらに、3万6千人に、避難勧告が出ており、それが、避難命令にいつ変わってもおかしくない状況。
現在、避難民を受け入れるように、と、メディアが要請を流しています。こういうの、カナダ人って、全体的に寛容で親切なのね。
海外からの難民でも、自宅に招き入れたりします。基本的には、地下室が独立して使える建て方になっている、というのも、他家族を受け入れるのがやりやすくなっている理由でしょうが。
上の地図は、8月19日現在のBC州山火事の状況です。異なる印の意味は:
・炎の形:危険地域
・赤:拡大中
・黄色:現条件下ではこれ以上拡大しないであろう
・黄緑:これ以上拡大しないであろう
・灰色:消火
この地図からわかるように、山火事は、オカナガン地方に限られているわけでもないのです。
また、500kmは離れているバンクーバーにも、煙がやってきます。そのせいで、昨日あたりから、空が妙に明るくどんよりとしています。「明るい」と「どんより」をいっしょに使うのはおかしいかもしれませんが、他になんと形容したらいいのか・・・空から地上までそんな空気が続いているのです。車を運転したら、辺りがピカピカします。
バンクーバーも雨は一滴も降らずカラカラで、植物も動物もホームレスの人々も苦しんでいるが、それはもう少し我慢しますので(家の中に住んでいる人間は我慢できるよな〜)、どうか、どうか、火事が荒れ狂っている地域に雨を降らせてくださいまし。