カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

カタバミ(オキザリス)、その1

2022年12月07日 08時21分37秒 | カタバミ科
2022.10.28撮影

【2023.7.01付で、一部ですが、訂正を書き加えておきます。
カタバミについて勉強していて気づいたことに基づいています。
誤った情報を流して、申し訳ございませんでした。】

わたしは、コロナ以来3年ぶりに、カナダから日本へ帰国しました。10月末から4週間ほど帰省。両親の家にたどり着いたのは、夜の8時半ごろだったか・・・

門を入ると、庭一面に白っぽいツンツンと飛び出しているものが・・・何??? あんな植物、この庭に前あったか? 

と思いましたが、とにかく、両親に会って顔を見せてあいさつして、荷物を下ろして、お風呂に入って、と心が急いだので、その白いツンツンが何かは確かめることなく、玄関に入りました。

翌日、ゆっくり目に起きて、久しぶりに和風の朝ごはんを食べて(父が用意してくれました)、両親と談笑してから、じゃ、庭でも見てくるか、と庭に出たのですが、そこで見たのは、上の画像のような植物。

これが昨晩見えた、白いツンツンか。それにしても、庭中、あちこちに。と言うか、あちらにも、こちらにも。敷き詰められたようになっているところも。

この時点で、え? 何? 朝顔の一種? と、花びらがロート状でないのを見過ごして、反応してしまいました。そして、葉っぱを見て、さらに混乱。これ、何?

庭にあるはずのない植物が、わたしの知らない間に蔓延していたので、植物の特徴を普通に足していけばわかるはずのことが、わからなかったのです。

でも、花のつぼんでいたのが開いてきて、こんがらがっていたわたしも、わかってきました。カタバミか〜〜 

でも、なんでカタバミがこんなところに大量に??? だれかが植えたの? 庭を作っている母が足を骨折して長らく療養したので、新たに植物を植えるはずがないが・・・

2022.10.30撮影

では、このカタバミはなんでしょう、と調べてみると、フヨウカタバミでした。

学名 Oxalis purpurea
英名 Purple woodsorel
和名 フヨウカタバミ(芙蓉片喰)
別名 アオイカタバミ(葵片喰)
カタバミ科(Oxalidaceae)カタバミ属(Oxalis

フヨウカタバミ

学名で purpurea というのは、「紫の」という意味。ちょっと待って、白い花で「紫の」ってことはないだろ、と思っていると、ありました、ありました、同じく庭に、「赤紫っぽい」のも。これまた、白いのと同様、あちらにも、こちらにも。群生、群生、また、群生。

上のWikipediaの記事によると、
> 花や葉には変異性が大きい
> 紫紅色、ピンク、白、藤色、紫色、黄色など多彩な花の色がある
> 葉は通常緑色だが、これも灰色がかった色や紫色などの変異がある
ということです。

この情報がなかったら、わたしは、白いのと赤紫のとは、別の種だと思ったことでしょう。花の色だけでなく、葉っぱの色も違うし、全体の姿も同じようには見えないし。【訂正:以下の画像のカタバミは、フヨウカタバミの赤花ではなく、Oxalis bowiei と呼ばれるカタバミのようです。Oxalis bowiei には、和名はないもよう。】

2022.10.30撮影

上の画像の花色は、英語では purple と形容できます。英語の purple は日本語には普通「紫」と訳されますが、実際は、「赤紫」のことです。ラテン語である学名の purpurea の「紫」が、「青寄り」なのか「赤寄り」なのか、は、わたしは知りません。

フヨウカタバミが purpurea を学名としているのは、赤紫の花色をこの種の基本色と見なしているのでしょうか。【訂正:上の画像のカタバミは、フヨウカタバミの赤花ではないが、フヨウカタバミには、実際に赤花があるので、この議論はまだ成り立つ、と言えます。】

わたしは、子どもの時、ムラサキカタバミ(Oxalis debilis subsp. corymbosa)に親しんで大きくなりました。子ども時代の記憶の情景に現れるぐらいです。(こちらが、和名では「紫」カタバミ、と呼ばれるんですね。)

ムラサキカタバミ
撮影者:Σ64
撮影日:2006.07.08

ムラサキカタバミならやや小型なので雑草で、フヨウカタバミなら大型で鑑賞価値に耐えられる、ということでしょうか。それとも、フヨウカタバミも雑草なんですか。わたしは日本に住んでいないので知らない。

わたしは、フヨウカタバミが見慣れないからか、珍しくて、きれいだと思いましたが、母は、あり過ぎてうんざりしているようでした。実は、わたしも、フヨウカタバミの庭を覆う量には、圧倒されましたが。

わたしは普段かなりの枚数の花の写真を撮るのですが、この帰省中、あまりそういう時間がありませんでした。それで、お見せするのにいい写真があまりないのです。

その代わり、と言ってはなんですが、フヨウカタバミのきれいな画像が、「ひげ爺さん」の記事で見ることができますので、よろしければ訪問なさってください。リンクの許可は取ってあります。

「フヨウカタバミ(芙蓉片喰)」 カタバミ科


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フウちゃん、伐採を免れる

2022年12月06日 06時41分24秒 | 樹木
2022.09.07撮影

拙宅の玄関先で上を見上げると、9月ならこんな感じ。木は他にもありますが、ここに写っているのは、手前から反時計回りに、

・クルミ(Juglans regia
・モミジバフウ(Liquidambar styraciflua
・アメリカサイカチ(Gleditsia triacanthos
・ナラ(Quercus
・イチイ(Taxus

今日の記事は、過去3日間の記事の内容と被さるところがありますが、どうか、おつきあいください。モミジバフウについての記事は、一応、今回で終わりです。まずは、バンクーバー市の条例から始めます。

・・・・・・・・・・

バンクーバー市では、市の条例により、次のことが決まっています。
・敷地内に植える木の数(敷地の大きさ、また、その敷地の場所、によって)
・どの種が「木」と見なされるか(例えば、レンギョウは「木」と見なされない)
・本数に数えられる木の状態(高さとか太さとか)

うちのあたりの住宅地なら、敷地内に3本木を植えていなくてはならないことになっています。ですから、新築の家の敷地には、必ず、3本の木が植えられています。注文住宅でない限り、業者は必要以上にお金を使いたくないので、最低限の本数しか植えないんです。

また、植えるべし、という条例に並行して、木の伐採や除去についての条例もあります。

伐採、あるいは、除去したいなら、
・市の所定の課に書面で申請すること
・(郵便ででもいいが、早く決済を仰ぎたければ)書面を面談で提出すること
・敷地の地図を描いて、どこに何が植わっているか示すこと
・木の太さ、高さを記すこと
・どの木を伐採・除去をしたい示し、その理由を説明すること
などです。

木の太さは、地上から1mだったか、1.2mだったかの高さの部分で、幹の外縁を測ります。

さて、わたしのフウちゃん(うちのモミジバフウの愛称)、わたしが最初はカエデだと思っていたフウちゃん、やせっぽちだったんですが、どんどん太って、どんどん大きくなりました。

立派なこの幹を見てください! 親バカ丸出しですけど。(左側の葉はフウちゃんの葉ではなく、ジャスミンの葉。)

2022.12.02撮影

そして、高く成長し、枝を伸ばし、美しい緑の色合いの葉をつけ、夏は涼しい日陰を提供してくれるようになりました。

と同時に、他に大事に育てていた植物がどんどん弱っていくことに。「半陽当たり」のお庭が「半日陰〜日陰」のお庭に変わってしまいました。それは、フウちゃんだけのせいではないのですが。木々は、冒頭の画像みたいな感じになっているので。

以下は、犠牲になった植物の一部です。消えてしまってもう存在しない、大幅に弱っている、また、見かけは普通に生きているが全然花が咲かなくなった、など。

2006.03.12撮影
クロッカス「プリンス・クラウス」(Crocus chrysanthus ‘Prins Claus’)

2006.03.27撮影
Polygala chamaebuxus(和名は、ないもよう)

2006.03.27撮影
ボケ(Chaenomeles speciosa)品種は不明

でも、それは、いいんです。植物、特に木は成長するものなので、庭も木々の成長に伴って変わっていくものです。そのように割り切ることにしました。

ただ、1点、困ったことが。こちらの方が大問題。フウちゃんは、成長に伴い、秋に半端ない量の葉っぱを落とすようになりました。そして、お隣から文句が出るように・・・

それで、しのびないがこの木を切ろう、と思い、市に申請したら、こんなにきれいな木をなんで切りたいんだ、と静かな口調でですが説教を受け、同情的ながらも、あっさり却下されました。

実は、カラスが遊びに来るんですよ、と言ったら、ほら、みろ、わかるだろ? と言われました。はい、わかります。

それ以来、わたしは、フウちゃんといっしょに生きていくことに、キッパリと決めました。わたしよりフウちゃんの方が長生きするでしょうけど。

そして、その対策のひとつとして、この太陽光線の当たりにくい前庭から、南向きの裏庭へ、植物の移動を少しずつですが、しています。

フウちゃんは、とにかく葉っぱの量が多いんですよ。うちは腐葉土として使うのでうれしいんですが、隣の木の嫌いなおばさんがいや〜〜な目つきで見る。それで、嫌味を言われる前に、落ち葉かきを毎年何回かします。

とにかく、一定以上の大きさの木は、市の許可なく伐採はできないんだからね。ですから、隣のおばさんが、フウちゃんを切れ、とわたしに要求することもできない。

そのおばさんに、申請して却下された、と言っても、申請したなんてウソだろう、とまで言われた(英語で、You are lying.)。隣人に、お前はウソを言っている、なんて言う? あれはびっくりした。

そして、おばさん、続けるに、1年に1本は好き〜〜に切って良いことになっている、と言って譲らない。

あのねえ、それは、切って良い条件を満たした場合でしょ? 大きさがなんとか以下、とか。

オタクの敷地もウチと同じで(実際、横幅が1インチしか違わない)、敷地内に3本木を植えておく義務があるのよ、とわたしが口を酸っぱくして言っても、わたしを重ねてウソつき呼ばわりする。

そんなら、市の条例を読んでみれば? と何度か言ったのだが、読むはずがない(多分、硬い英語は読めない、カナダは移民の国)。

このお隣は、条例に基づき3本植えてあった木を、入居した時に全て処分してしまったのよ。それ以来、芝生だけよ。

ですから、散水制限のある夏には、芝生がカラカラ。うちの木は青々としているのに。


バンクーバーでは、木を切るには許可がいる、許可なく切ると罰金。許可なく切っても、バレなければ当然お咎めなし。また、庭に全く木がなくても咎められない、だれもパトロールに来ないし、違反切符も切らない(散水制限のパトロールは来るし、切符も切るが)。切符が切られるのは、許可なく木を切って運悪く見つかった人だけ。

緑化運動の趣旨に賛同して、真面目に木を植えている方が、大量に実や葉や枝が落ちてきたり、木が大木になりすぎたり、病気になったり、倒れたり、根が上がってきたりした時に大変なことになる。

市議会に出向いて、木を植えていない家の取り締まりをしてください、と陳情しようかと思っているぐらいです。

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モミジバフウのフウちゃん

2022年12月05日 12時48分59秒 | 樹木
2020.08.20撮影

昨日お話ししましたように、フウちゃんこと、うちのモミジハフウ(Liquidambar styraciflua)が、大風で大枝を1本失いました。その豪快さを、もう一度、ややアップの上の画像で見てください〜〜

その3ヶ月後にも、もう1回、フウちゃんの大枝が1本、豪快に落ちてきたの。あれも迫力あった。これも、もう一度。アップで〜す。

2020.11.17撮影

実は、わたしは、フウちゃんがこんなに大きな木になるなんて知らなかったんですね。それで、植える時(もっと正確には、植え替える時:植え替えられるぐらい小さかった)、いろいろな植物の近くに平気で植えたし、お隣との幅を十分に取らなかった。

それで、わたしは問題点を作り出してしまった。

1.大きく茂った枝が陰を作り出してしまい、他の植物が育たなくなった
2.枝がお隣に大きく張り出してしまっている
3.葉が秋に大量に落ち、お隣にまで落ちていく

1はわたしの自業自得なので、お亡くなりになった植物さんたちに哀悼の意を表し、深く謝辞を述べるしかありません。

2に関しては、枝が張り出しているのは、低いところのは早めに切り取ったので、高いところだけにあり、そんな高いところの枝は専門家しか切ることができませんから、おばさんのできるのは文句を言うだけ。でも、文句を言って当然だと思います。危険ではない、とは言えませんから。ただ、それなら、木を植えてあるところはみんな危険である、ということになる。

わたしがいつも思うのは、お隣さんは、フウちゃんの美しい木の姿と葉のサラサラと動くのを、真夏に2階のベランダから見ていて、いい、と思わないのかなあ、です。

3については、うちの敷地内に落ちている落ち葉は、わたしには宝物なんです、まずはマルチとして使い、結局は腐葉土になってもらう、という。それは、こんな感じ。

2020.11.29撮影

でも、隣のおばさんは、落ち葉が大嫌い。それで、わたしは寒い時でも、暖かめの日を選んで、お隣の落ち葉かきをします。隣に落ちている葉っぱはうちの木からばかりではないのですが、ついでにやってしまうわけです。そして、うちの庭まで運びます。2時間はかかりますね。

わたしの労働の跡を見てください! これは、一部です。落ち葉かきをした次の日、この冬初の雪が降りました(と言うか、雪の予報が出ていたので、急遽落ち葉かきをしたのです)。

バンクーバーですからこの程度(今回は)ですけど。山がちの方では、ニュースによると、もっと積もっています。そして、今日出かけてみると、他の地域では雪がまだ積もって残っていました。バンクーバーは、同じく市内でも、場所によって積雪量が異なるのです。

2020.11.29撮影

うちのフウちゃん、美しい木で人間を慰めてくれるだけでなく、カラス(アメリカガラス Corvus brachyrhynchos)さんたちの憩いの場所となっています。

そのカラスさんたちの休憩所・集会所をなくさないように、フウちゃんを剪定する時には、業者さんたちに、カラスさんたちが止まり木に使っている枝は残しておいてくれるようお願いしました。フウちゃんには、そんな止まり木が4、5本もあります。

2019.07.12撮影

よろしければ、わたしが最初に書いたブログ記事もどうぞ。


さて、フウちゃんにはどんな運命が待っていたか。明日、お話しします。

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モミジバフウの大枝が落ちてきた(+アライグマ、つけたし)

2022年12月04日 04時59分47秒 | 樹木
2020.08.20撮影

あの元はやせっぽちの「カエデ」が、モミジバフウの本性を表し、今じゃ、大木。

天井の高い2階建の家屋のとんがった屋根よりも、優に高い。冒頭の画像の右下に見える人造物はお隣の家の2階の上部分ですが、そこを楽々超えて伸びている。てっぺんは、うちの2階のベランダよりもずっとずっと上。

何メートルあるかと聞かれても、地上から上を見ても何メートルかなんて分からない。

とにかく、住宅地にある木としては、高い方です。反対側の隣のお家2軒の木々は、もっと高いですが。

う〜〜ん、このモミジバフウ、ううん、面倒くさいから、そして、かわいいから、「フウちゃん」と呼ぼう、フウちゃんは、一体どこまで成長するつもり?


上記、Wikipediaの記事には、
> 日本では高さ20 – 25mほどであるが、
> 原産地では45 mの巨木になるものもある
と書いてある。

うわあ、どうしよう。

根も上がってきていて、庭の敷石が浮かんでいるんだよ〜〜、歩くとぐらぐらするんだよ〜〜、危ないんだよ〜〜

大風が吹くと、ゆ〜〜〜っっさ、ゆ〜〜〜っっさ、と大〜〜きく揺れるわあ。枝が落っこちてきたら、どうしよう、

と思っていると、

2020.08.20撮影

フウちゃん、やってくれたね。大枝のひとつが、大風で折れちゃった。どうも、腐っていたところがあるらしい。

葉の白い裏側が見えて、きれいだなあ・・・なんて、呑気なことは言っていられません。

なぜなら、お隣が木が大嫌いだからです。立っているだけなら、まだしもいいのだそうです。でも、倒れたのとか、落ちてきたのとか、大嫌い。庭が汚れるだけ。と、彼女は言う。

でも、お隣へ、ご迷惑のところご勘弁を、とご挨拶とお詫びに行き、業者に救急だと言って手配したけど明日まで来られないと言われた旨を告げると、特に大ごとにもなりませんでした。(「ふう〜」、いや、優雅にかけ言葉でないよ、フウちゃん。)

でも、3ヶ月後に、もう一度、大風でフウちゃんの大枝が落ちてきた時には、違った。

2020.11.17撮影

お隣は、カンカン。どうしてくれるんだ、と。

オタクとウチの敷地(と言っても、柵の外は市からの管理委託地、わたしたちの持ち物ではない)の境界に落ちているのはわかっております、即刻撤去いたします、業者には今日中に来てくださいと(お隣が木が嫌いなのを説明して)嘆願してあるので、来てくれるはずです、と言うと、

撤去は当たり前だ、それより、前回と今回のように家とは反対側に落ちればまだしも、将来的に、建物に向かって枝が落ちてきたり木が倒れかかってきたりしたらどうするんだ、だれが修理に金を出すのかね、と。

おっしゃることはごもっとも、そうならないことを願いますが、もしそういうことが起こった場合には、はい、費用は、わたくしどもの保険会社が支払います、保険にはちゃんと入っておりますので、と。

そのあたりで業者が到着し、その隣のおばさんが、わたしを介さずに直接業者に、この枝を切れ、あの枝を切れ、ついでに、根本から切れ、と注文をつけ始め、

業者が、あのね、木があったら、花びらも落ちてくるし、葉っぱも落ちてくるし、実も落ちてくる。小枝だって落ちてくるし、大きい枝も折れてくるし、根だって上がってくるよ。木自体が倒れることもあるの。それが当たり前なの、それに、木を切るには、市の許可が要るんだよ、この木を切る許可は申請しても出ないよ、とおばさんに説教していました。

そして、業者さん自身が怒っていた、そのおばさんに。木々をなんだと思っているんだ、単なる装飾じゃないぞ、生き物だぞ、と。

2021.12.28撮影

大きな枝を2本失ったので、フウちゃんは、上半分が元の3分の2ぐらいの広がりになりました。上の画像で、木の向こう側3分の1が欠けているのをご覧ください。

わたしは業者さんに、この木がお隣の建物に倒れて行っては困るので、お隣側へ広がる枝を伐採してほしい、と頼みました。すると、ある程度はしてくれましたが、これ以上はできない、と。

理由は、バランスを取って広がった枝を切り取ってしまうと、木が不安定になり、むしろ、根を上げて倒れる可能性が出るのだ、とか。

そういうことをわたし本人が伝えたのでは信用してもらえないので、お隣のおばさんには、業者さんから説明してもらいました。

みなさん、明日も、もう少し、フウちゃんにお付き合いください。

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アライグマ、つけたし

8週間ほど(そのうち4週間は、わたしが家にいなかった)お目にかかっていなかったアライグマの一家が、どおん、とまたドアに体当たり。でも、体当たりの仕方が前よりおとなしかった。どした? と思って覗いてみると、やあ、もうあんまりかわいらしくなくなっていました。子どもの体から成長して、大人の体に近づき、後半身が発達したようです。あの体型で歩くと、かなり、のしのしになっていました。機敏さを失ったような。

帰国中、11月に、アライグマシリーズを「下書きポチポチ投稿」でふたつ連載しました。シリーズの最初の記事は、以下です。よろしければ、ご覧ください。おもしろい画像も、中には混じっています。


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うちのモミジバフウをご紹介します

2022年12月03日 07時10分55秒 | 樹木
2022.09.03撮影

この木は、うちのモミジバフウです。モミジバフウって、漢字で「紅葉葉楓」。え? 「紅葉の葉っぱのカエデ」。何だ、それは? カエデなの?

上の画像は9月に撮影したので、葉っぱが青々としています。

下の画像は、このモミジバフウの葉です。数日前、この冬初めての雪の降った翌日に、庭から、なるべく緑なのを選んで拾ってきました。拾った場所からして、この葉がモミジバフウの葉であることは、確かなのです。

2022.11.30撮影

実は、これが、昨日の記事「この葉は、カエデの葉でしょうか」の冒頭でお見せした葉。どう見ても、カエデの葉の形をしていますよね。


それで、モミジバフウって、やっぱりカエデなの? ここで学名が活躍します。

カエデ
学名 Acer(属名)
英名 Maple
和名 カエデ(楓)
ムクロジ科(Sapindaceae)カエデ属(Acer

モミジバフウ
学名 Liquidambar styraciflua(種名)
英名 Sweetgum
和名 モミジバフウ(紅葉葉楓)
別名 アメリカフウ(アメリカ楓)
フウ科(Altingilaceae)フウ属(Liquidambar

モミジバフウ


この葉はモミジハフウ(紅葉葉楓)の葉、つまり、カエデ(楓)の葉じゃなくて、フウ(楓)の葉なんだ〜〜

2022.11.30撮影

そんなら、モミジハフウ(紅葉葉楓)なんてややこしい名前をつけないでよ、と言いたい。「カエデ」も「楓」と書き、「フウ」も「楓」と書くんかい。と、毒づく。「フウ」なんて、名前そのものが、へんてこりんだ。

だいたい、葉っぱの形がどう見てもカエデの葉の形なので、わたしはすっかりだまされていた。互生だとか対生だとか、観察すべきところを見ていなかったし。

やせっぽちのちっちゃい木だったんですよ。

ですから、葉の形を見て、これはカエデだ! と(若かったわたしは)速攻で結論いたしました。そして、カナダのカエデって、こんなものなのかな、と思っていました。

が、木肌がちょっと違うような・・・とは、そのころでも思っていたのです。

ところが・・・

2019.05.09撮影

上の画像の左側に写るような枝が発達してきた。まるで、ニシキギ(Euonymus alatus)みたい。このあたりから、わたしはうちの「カエデ」に疑いの目を向けるようになりました。


ほどなくして、上の画像のように幹がどんどん太く成長し、その幹に縦皺が深くつくようになりました。

ここまで来ると、わたしでもこの木がカエデでないことはわかりましたよ。

で、周りに聞いて回ると、この木は英語で Sweetgum(なんで gum なのかは知りませんが)と呼ばれるらしい。そこから辿って、和名のモミジバフウにたどり着いたのでありました。

画像中の鳥は、カラスですが、日本のカラスで言うと、ハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)ではなく、ハシボソガラス(Corvus corone)に近い、体が小さめのアメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)です。


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昨日の記事のクイズの答え

クイズ1
この葉は、カエデの葉でしょうか。
答え
一見似ていますが、違います。モミジバフウの葉です。

クイズ2
次の画像の中から、この種類の葉を探し出してください。
ヒント
カエデの葉の方には突起が出ています(日本産のカエデの葉には突起が出ません)。
突起の出ていないのがこの種類の葉です。この画像中ではほとんどがカエデの葉です。

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この葉は、カエデの葉でしょうか

2022年12月02日 07時30分34秒 | クイズ
2022.11.30撮影

自宅(カナダのバンクーバー)の庭で拾った落ち葉を、並べてみました。冒頭の葉は、黄変しかけだがまだ緑の葉。下に続く葉は、色づいた葉です。目で楽しんでくだされば、幸いです。

最後にクイズをふたつ入れておきますので、よろしければ、どうぞ。クイズの答えは、明日の記事の最後に載せます。

2022.11.28撮影

2022.11.28撮影

2022.11.28撮影

2022.11.28撮影

2022.11.28撮影

2022.11.28撮影

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クイズ1
この葉は、カエデの葉でしょうか。

クイズ2
次の画像の中から、この種類の葉を探し出してください。

2022.11.24撮影

ヒント
次の画像の葉と比べてください。

2022.11.26撮影

答えは、明日。

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カナダのカエデ、カナダの国旗

2022年12月01日 07時00分00秒 | カナダ
2022.11.26撮影

この画像の葉は、わたしが自宅の庭から拾ってきた、カエデの園芸種 Pacific Sunset Maple「太平洋の日没のカエデ」の黄葉です。昨日、「カエデの葉の形(その2)」でご紹介したカエデです。

カナダでは、カエデの葉が各分野で象徴になっているのですが、カナダで人々が「カナダのカエデの葉の形」と言って思い浮かべる形は、ほぼ、この上のような形です。

世界には100種以上のカエデがあります。そのうちの10種がカナダ原産(「カナダ *だけ* に産する」という意味ではなく)です。

Canada’s Arboreal Emblems(英文+画像)

カナダには、10の州と3つの準州がありますが、そのうち、ユーコン準州とヌナブット準州以外のすべての州と準州に、これらのカナダ原産のカエデが産します。


著作権のついていないカナダの行政区分地図の画像
英語版Wikipediaの記事 Provinces and territories of Canada から

原典は、以下のURL。


カナダのカエデ、と言えば、メープルシロップでしょうか。(と、ここで、わたしはパンケーキを思い浮かべ、思わず舌なめずり)。

メープルシロップは、サトウカエデ(Acer Saccharum)などから取ります。カナダのアメリカに近い東南部と、アメリカのかなり南部までの東北部で収穫、生産されます。カナダの収穫量の方が多く、その90%はケベック州からです。

学名:Acer Saccharum
英名:Sugar maple「砂糖のカエデ」
和名:サトウカエデ(砂糖楓)
ムクロジ科(Sapindaceae)カエデ属(Acer)

Maple syrup(英文+画像)

サトウカエデの学名 Acer Saccharum の saccharum は、人工甘味料の「サッカリン saccharine」と同根の言葉です。つまりは、「甘い」。

【2022年版】サッカリン メーカー6社一覧

サトウカエデの葉の形は、以下のWikipediaの記事の画像でお確かめください。冒頭に掲載しました葉の形とよく似ています。

Acer saccharum(英文+画像)


次は、カナダの国旗をご覧ください。

この、真ん中に赤いカエデの葉が意匠化されたカナダの国旗は、お馴染みの方も多いと思います。(日本の国旗と同じように、白地に赤で美しいですね。)

そして、この国旗のカエデの葉は、サトウカエデの葉がモデルだ、と一般に思われがちなのですが・・・実は、そうではありません。


著作権のついていないカナダ国旗の画像
英語版Wikipediaの記事 Flag of Canada から

原典は、以下のURL。


この赤いカエデの形を叙述するとしたら、
・葉が5裂する
・左右の1裂目と5裂目が小さい
・2裂目と3裂目と4裂目が大きい
・大きい2裂目と3裂目と4裂目には、それぞれ左右に突起が出る

そして、サトウカエデの葉の形も、そのように叙述することができます。

が、国旗のカエデのデザインには、サトウカエデの葉のみがデザインの元になっているのではなく、次の2点が考慮されているそうです。

カナダの10種のカエデのどれひとつを取り上げているのではなく、一般的な形にすること。

その上で、旗が風の中ではためいても、中央のカエデの形がなるべく整った形で見えるようにすること。そして、それは、実験を重ねた結果に至ったデザインなのだそうです。

Flag of Canada(英文+画像)

最後に、カナダの国旗のデザインの詳しい数値をどうぞ。日本の国旗(縦2に対して横3)に比べ、カナダの国旗(縦1に対し横2)は横長であることになります。


著作権のついていないカナダ国旗のデザインの数値の画像
英語版Wikipediaの記事 Flag of Canada から

原典は、以下のURL。

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