カラスといちごとクロッカスと

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フウちゃん、伐採を免れる

2022年12月06日 06時41分24秒 | 樹木
2022.09.07撮影

拙宅の玄関先で上を見上げると、9月ならこんな感じ。木は他にもありますが、ここに写っているのは、手前から反時計回りに、

・クルミ(Juglans regia
・モミジバフウ(Liquidambar styraciflua
・アメリカサイカチ(Gleditsia triacanthos
・ナラ(Quercus
・イチイ(Taxus

今日の記事は、過去3日間の記事の内容と被さるところがありますが、どうか、おつきあいください。モミジバフウについての記事は、一応、今回で終わりです。まずは、バンクーバー市の条例から始めます。

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バンクーバー市では、市の条例により、次のことが決まっています。
・敷地内に植える木の数(敷地の大きさ、また、その敷地の場所、によって)
・どの種が「木」と見なされるか(例えば、レンギョウは「木」と見なされない)
・本数に数えられる木の状態(高さとか太さとか)

うちのあたりの住宅地なら、敷地内に3本木を植えていなくてはならないことになっています。ですから、新築の家の敷地には、必ず、3本の木が植えられています。注文住宅でない限り、業者は必要以上にお金を使いたくないので、最低限の本数しか植えないんです。

また、植えるべし、という条例に並行して、木の伐採や除去についての条例もあります。

伐採、あるいは、除去したいなら、
・市の所定の課に書面で申請すること
・(郵便ででもいいが、早く決済を仰ぎたければ)書面を面談で提出すること
・敷地の地図を描いて、どこに何が植わっているか示すこと
・木の太さ、高さを記すこと
・どの木を伐採・除去をしたい示し、その理由を説明すること
などです。

木の太さは、地上から1mだったか、1.2mだったかの高さの部分で、幹の外縁を測ります。

さて、わたしのフウちゃん(うちのモミジバフウの愛称)、わたしが最初はカエデだと思っていたフウちゃん、やせっぽちだったんですが、どんどん太って、どんどん大きくなりました。

立派なこの幹を見てください! 親バカ丸出しですけど。(左側の葉はフウちゃんの葉ではなく、ジャスミンの葉。)

2022.12.02撮影

そして、高く成長し、枝を伸ばし、美しい緑の色合いの葉をつけ、夏は涼しい日陰を提供してくれるようになりました。

と同時に、他に大事に育てていた植物がどんどん弱っていくことに。「半陽当たり」のお庭が「半日陰〜日陰」のお庭に変わってしまいました。それは、フウちゃんだけのせいではないのですが。木々は、冒頭の画像みたいな感じになっているので。

以下は、犠牲になった植物の一部です。消えてしまってもう存在しない、大幅に弱っている、また、見かけは普通に生きているが全然花が咲かなくなった、など。

2006.03.12撮影
クロッカス「プリンス・クラウス」(Crocus chrysanthus ‘Prins Claus’)

2006.03.27撮影
Polygala chamaebuxus(和名は、ないもよう)

2006.03.27撮影
ボケ(Chaenomeles speciosa)品種は不明

でも、それは、いいんです。植物、特に木は成長するものなので、庭も木々の成長に伴って変わっていくものです。そのように割り切ることにしました。

ただ、1点、困ったことが。こちらの方が大問題。フウちゃんは、成長に伴い、秋に半端ない量の葉っぱを落とすようになりました。そして、お隣から文句が出るように・・・

それで、しのびないがこの木を切ろう、と思い、市に申請したら、こんなにきれいな木をなんで切りたいんだ、と静かな口調でですが説教を受け、同情的ながらも、あっさり却下されました。

実は、カラスが遊びに来るんですよ、と言ったら、ほら、みろ、わかるだろ? と言われました。はい、わかります。

それ以来、わたしは、フウちゃんといっしょに生きていくことに、キッパリと決めました。わたしよりフウちゃんの方が長生きするでしょうけど。

そして、その対策のひとつとして、この太陽光線の当たりにくい前庭から、南向きの裏庭へ、植物の移動を少しずつですが、しています。

フウちゃんは、とにかく葉っぱの量が多いんですよ。うちは腐葉土として使うのでうれしいんですが、隣の木の嫌いなおばさんがいや〜〜な目つきで見る。それで、嫌味を言われる前に、落ち葉かきを毎年何回かします。

とにかく、一定以上の大きさの木は、市の許可なく伐採はできないんだからね。ですから、隣のおばさんが、フウちゃんを切れ、とわたしに要求することもできない。

そのおばさんに、申請して却下された、と言っても、申請したなんてウソだろう、とまで言われた(英語で、You are lying.)。隣人に、お前はウソを言っている、なんて言う? あれはびっくりした。

そして、おばさん、続けるに、1年に1本は好き〜〜に切って良いことになっている、と言って譲らない。

あのねえ、それは、切って良い条件を満たした場合でしょ? 大きさがなんとか以下、とか。

オタクの敷地もウチと同じで(実際、横幅が1インチしか違わない)、敷地内に3本木を植えておく義務があるのよ、とわたしが口を酸っぱくして言っても、わたしを重ねてウソつき呼ばわりする。

そんなら、市の条例を読んでみれば? と何度か言ったのだが、読むはずがない(多分、硬い英語は読めない、カナダは移民の国)。

このお隣は、条例に基づき3本植えてあった木を、入居した時に全て処分してしまったのよ。それ以来、芝生だけよ。

ですから、散水制限のある夏には、芝生がカラカラ。うちの木は青々としているのに。


バンクーバーでは、木を切るには許可がいる、許可なく切ると罰金。許可なく切っても、バレなければ当然お咎めなし。また、庭に全く木がなくても咎められない、だれもパトロールに来ないし、違反切符も切らない(散水制限のパトロールは来るし、切符も切るが)。切符が切られるのは、許可なく木を切って運悪く見つかった人だけ。

緑化運動の趣旨に賛同して、真面目に木を植えている方が、大量に実や葉や枝が落ちてきたり、木が大木になりすぎたり、病気になったり、倒れたり、根が上がってきたりした時に大変なことになる。

市議会に出向いて、木を植えていない家の取り締まりをしてください、と陳情しようかと思っているぐらいです。

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