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アセビはいいけど、マサキは?

2022年12月23日 08時00分00秒 | ツツジ科
2022.04.06撮影

冒頭の画像は、うちの、なぜか花が全然咲かないアセビです。アセビって、ある程度成長しないと花が咲かないのかしら。それとも、日光量が足りない? でも、毎年、美しい若葉で楽しませてくれます。

和名 アセビ(馬酔木)
ツツジ科(Ericaceae)アセビ属(Pieris
学名 Pieris japonica

もう少し時期が経つと、次のような色になります。わたしは、これも美しいと思います。

2021.06.30撮影

上に書いたアセビの学名に、わたしがここ数日話題にしている japonica がしっかりと入っているのに、気づかれた方もいらっしゃると思います。反対に、学名には関心がない、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも、学名って、一度ハマると、便利なんですよ。

さて、その生物の学名に使われるラテン語ですが、語形変化をよくします。例えば、形容詞は、それが修飾する名詞の「性」により、形を変えます。なんで名詞に「性」があるか、なんて聞かないでね。そうしたいからそうしたんでしょう。

その名詞の「性」とは、「男性」「女性」「中性」です。

学名の属名は名詞で、その後に続く種小名が形容詞です。ですから、種小名には、語形が3種類あることになります。

例えば、japonica(でた〜)なら、これは、japonicus(男性形)の女性形です。

japonicus(男性形)
japonica(女性形)
japonicum(中性形)

なぜ男性を立てて japonicus(男性形)から話を始めなかったか、と言うと、それは、日本人の間では「ジャポニカ」というのは知られた表現だからです。それだけ。男性のみなさま、ここまで無視を続けてごめんね。

ところで、ラテン語の読み方は、「ジャポニカ」ではなく「ヤポニカ」です。今まで、この点に触れておらず、失礼いたしました。

Euonymus japonicus(マサキ)
パブリックドメイン

直前の画像のマサキは、男性形 japonicus の例です。

和名 マサキ(正木)
ニシキギ科(Celastraceae)ニシキギ属(Euonymus
学名 Euonymus japonicus

次のジャノヒゲも、男性形 japonicus の例。

Ophiopogon japonicus(ジャノヒゲ)
撮影者:Alpsdake
撮影日:2018.01.06
オリジナルからの改変、なし

和名 ジャノヒゲ(蛇の髭)
別名 リュウノヒゲ(竜の髯)
キジカクシ科(Asparagaceae)ジャノヒゲ属(Ophiopogon
学名 Ophiopogon japonicus

「ヒゲ」を「髭」と書くか、「髯」と書くか、あるいは、「鬚」と書くか、ははっきりしませんでした。

次は、中性形 japonicum の例です。

Acer japonicum(ハウチワカエデ)
撮影者:西画像創庫
撮影日:2008.05.17
オリジナルからの改変、なし

和名 ハウチワカエデ(羽団扇楓)
別名 メイゲツカエデ(名月楓)
骸じ科(Sapindaceae)カエデ属(Acer
学名 Acer japonicum

中性形 japonicum の例は、他に、
・ヒメオトギリ(Hypericum japonicum
・フジバカマ(Eupatorium japonicum
など。

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