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人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

南太平洋島嶼国「トゥヴァル」について(20):中本博皓

2016年11月25日 10時51分01秒 | 島嶼諸国
南太平洋島嶼国「トゥヴァル」について(20)




(3)日本政府のトゥヴァルに対するODAの基本的姿勢

ⅰ) トウヴァルに対して日本がODAを行う意義について
 上述したように、日本もまた、トゥヴァルに対しては主要援助国の一つである。日本は、トゥヴァルが独立後、太平洋諸国における後発開発途上国(LDC:Least Developed Countries)である同国の経済・社会基盤の整備に大きな役割を果たして来たと言える。と同時に、トゥヴァルとの友好親善に力を入れて来た。日本が、太平洋戦争において多大な損害を与えたことも両国の友好親善関係の強化・促進に大きく貢献してきた理由の一つと考えられるのである。

ⅱ) トゥヴァルに対するODAの基本方針
 第3回太平洋・島サミット(2003年5月)で採択された「沖縄イニシアティブ:より豊かで安全な太平洋のための地域開発戦略及び共同行動計画」において、日本は、①安全保障、②環境、③教育、④保健、そして⑤経済成長の5点を重点政策目標として、トゥヴァルへのODAを行っている。

ⅲ) 4点の支援分野
 上述(2)の基本方針を前提として、とくにトゥヴァルに対しては、次の4分野を重点に支援を行って来ている。
 トゥヴァルについては、人口1万人程度の極めて小規模のLDCであることを踏まえて、海抜2-3メートルの低地島嶼国であり、地球温暖化の影響を強く受けていると見られている。しかし、地球温暖化で国土が水没する可能性も指摘されているが、議論もある。地下水をくみ上げ過ぎても地番沈下が起こることは良く知られている。

 また、トゥヴァルは、海洋資源(水産資源及び鉱物資源)開発に力を入れていること等を考えて、ODAなど経済協力を行っている。今後のトゥヴァルに対する経済協力についてはトゥヴァルにとって効果的な支援の検討がひつようである。一般には、以下にあるように4分野に日本の場合には重点支援協力している。

① 水産
 (a) 漁業開発:ツナ漁
 (b) インフラ整備支援、維持管理能力の向上

② 環境保全
  環境保全体制の強化と環境保全啓発教育の普及:とくにゴミ問題への取り組み

③ 上下水道施設整備、淡水化(真水)装置、有孔虫の養殖プロジェクト(有孔虫)が成長できる環境の整備、土壌の増加など。

④ 教育
  教育関連施設の拡充

⑤ 保健・医療
  医療施設の整備改善(次回(21),マーガレット・プリンセス病院に触れる)

【2014年度、外務省の資料から】:(A)2011年度 、(B)2011年度までの累計については、以下の通り。
 (1)有償資金協力  (A) なし     (B)なし
 (2)無償資金協力   (A)9.8億円    (B)85.41億円
 (3)技術協力   (A)1.9億円   (B)19.73億円