素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

博物館めぐり、その10

2024年08月26日 19時32分48秒 | 絶滅と進化
           神奈川県立生命の星・地球博物館めぐり、その4



  この博物館は神奈川県立博物館ですから、神奈川の大地がどのように形成されたか、どのように変化してきたかについても大変詳細に、その生い立ちが理解できるように工夫された展示がなされているのも特徴の一つといえるようです。
  丹沢の海の時代について興味深い展示があります。今から大凡1600万年もの昔新生代第三紀の中新世の頃の、海進の時代、地球全体の気温が上昇し海面が高くなった時代がありました。この時代は、日本も熱帯だったようです。そのことを示すのが当時熱帯に生息していたとみられるのがデスモスチルスとかパラドキシアのような動物です。日本列島のあちこちか化石標本が発見されていますが、パレヲパラドキシアのレプリカなども展示されています。その頃、現在の神奈川県の丹沢は南海の海中にあったんだそうです。しかも海底火山として溶岩が噴き出していたということです。

  同博物館の説明では、南の海にあった丹沢は、プレートにのって北へ移動し、凡そ今から500万年前のことですが日本列島に衝突したそうです。これが「丹沢の衝突」です。700万年前から600万年前、丹沢や伊豆半島になった島々の塊(ブロック)は南海の火山島だったといわれています。

  時代が大分前後しますが、この博物館ではゾウやゾウの仲間たちの進化の歴史についても学べるようになっています。レプリカですが、新生代第4紀完新世凡そ1万年前のコロンビアマンモス(Mammuthus columbi)の化石標本があります。なかなか勇壮な感じです。米国ユタ州が産地です。また、この標本とは別のもので、新生代第4紀更新世(凡そ170万年前から1万年前)のもので、産地は米国ネブラスカ州のコロンビアマンモスの下顎、レプリカの表示がありませんので本物の化石標本だと思います。大変珍しい化石ですが、新生代第4紀完新世(凡そ1万1000年前)米国ネブラスカ産のゴンフォテリュウムの下顎の化石、それに米国、オハイオ州産のアメリカマストドンの下顎の化石も展示してあります。これらは、レプリカの表示がありませんので大変貴重な標本といえます。

  この博物館の展示品で興味を持ったのが、生命展示室の奥にコームパッシア・エクセルサというマメ科の植物の「板根」が展示されていることです。熱帯多雨林に生え、高さ70mにも達するそうですが一見の価値はあります。
幹の下半分、付け根の部分から板のように張り出した「板根」と呼ばれる根を作り、数十メートルものびた自分の体、すなわち「巨木」を支えているのです。

  いろいろ調べてみますと、この博物館に展示するために、数十メートルもある巨木を搬送することは難儀だったようで、搬送可能は大きさといいますか長さに(12メートル)に、「板根」の付け根の部分で切断したそうです。よく観察しますと、この板根は太いワイヤーで吊られ、固定されていることが分かります。 同館の説明では、「1年に1度、足場を組んで点検し、直立に近い状態を保っている」とのことです。

  このコームパッシア・エクセルサの「板根」も含めて、この博物館には驚かされるよな展示物が大変多くあります。博物館はたくさんありますが、神奈川県立生命の星・地球博物館は多くの人々に是非足を運んで欲しい博物館の一つだと推奨 します。