素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

始祖鳥についての改訂増補版(1)

2024年03月03日 10時07分56秒 | 絶滅と進化
   始祖鳥は「鳥類」なのか、それとも「恐竜」なのか(1)

                       
                         まえがき

  近くを散歩していますと、いろいろな野鳥を見かけます。最も身近なのがカラス(学名:Corvidae、スズメ目、カラス科、カラス属、和名はカラス)とスズメ(学名:Passer montanus、スズメ目、スズメ科、スズメ属、和名はスズメ)でしょうか。現在、鳥類の種は凡そ10,400種そのうちスズメ目は6,200目で約6割占めています。 またキジバト(学名:Streptopelia orientalis、ハト目、ハト科、キジバト属、和名はキジバト)、ドバトまたはカワラバト(Columba livia、ハト目、ハト科、カワラバト属、和名はドバトまたはカワラバト)、ムクドリ(学名:Sturnus cineraceus、スズメ目、ムクドリ科、ムクドリ属、和名はムクドリ)そして郊外の田園などでは人なつこい雉:キジ(学名:Phasianus versicolor、キジ目、キジ科、キジ属、和名はキジ)のつがいなども見かけることがあります。「雉も鳴かずば撃たれまい」、と言われますが人の気配を感じると首を伸ばして鳴くことが多いです。また、「余計なことを言ったために自ら不利益を招くこと」を形容した言葉としても使われることがあるようです。「雉の草隠れ」などとも言い、なんとも憎めない鳥類の一種です。

 鳥類学者の川上和人氏や「カラスの教科書」の著者で東京大学総合博物館の松原始氏等その道の専門家の先生方は、「カラスという鳥はいない」と言われています。お二人とも日本で知られているカラスは、①ハシブトカラス、②ハシボソカラス、③コクマルカラス、④ミヤマカラス、⑤ワタリカラス、⑥ホシガラスそして⑦カチガラスの7種類と言われています。わたしが日常見かけるのはそのうちの①と②の2種類です。最近カラス一筋20年の宇都宮大学特任助教塚原直樹氏のお書きになっているコラムを見ましたら5種だそうです。これは数え方の問題でしょう。そしてよく見かけるのはわたしと同じ2種だそうです。2種類には同意します。わたしと同じです。それらのカラスは、嘴(くちばし)の太い「ハシブトカラス」と嘴の細い「ハシボソカラス」という2種のことです。前者は、都市部の街中や公園などいたるところに生息する嘴が太いカラスのことです。後者は、主に郊外の田園地帯や農耕地、河川敷などに生息する嘴が細いカラスです。しかし最近では、両方とも餌の多い街なかでも見かけることが多くなりました。ところで、カラス一筋」20年の専門家の先生が言われていることで大切なことは、残りの3種は越冬のために大陸から日本にやってくる越冬カラスだそうです。ですからわたしの目にとまらなくても不思議ではなさそうです。

 さて、俳句(小林一茶の雀の子そこのけそこのけ御馬が通る)や民話(舌切り雀)で親しまれているのがスズメです。結構長生きして、日本では全国的に生息しており、野鳥でありながら人にもなつく小鳥として知られています。またスズメと酷似した野鳥にニュウナイスズメ(学名:Passer rutilans、スズメ目、スズメ科、スズメ属、和名はニュウナイスズメ)がいます。スズメにはスズメという種とニュウナイスズメという種の2種がいることになります。
郊外の公園の水辺や小川の浅瀬などでは、白鷺(白い羽毛に包まれた鷺の総称、学名:Ardeidae、ペリカン目、サギ科、コサギ属、和名はコサギ)や川鵜(学名:Phalacrocorax carbo、カツオドリ目、ウ科、ウ属、和名はカワウ)なども見かけます。そして人家の庭先では季節にもよりますが、ウグイス(学名:Horornis diphone、スズメ目、ウグイス科、ウグイス属、和名はウグイス)、メジロ(学名:Zosterops japonicu、スズメ目、メジロ科。メジロ属、和名はメジロ)、シジュウガラ(学名:Parus minor、スズメ目、シジュウガラ科、シジュウガラ属、和名はシジュウガラ)、ゴジュウカラ(学名:Sitta europaea、スズメ目、ゴジュウカラ科、ゴジュウカラ属、和名はゴジュウカラ)は、シュジュウカラとは大きな違いがあります。嘴が黒くて長いそして尾羽が短い、頭から尾にかけて灰色がかっており、しかも薄い青みがかっているところが高貴に感じます。

 シジュウカラは、嘴が黒く短く、頬は白い斑紋がり、尾は長めで、頭頂は黒い羽毛で覆われています。スズメとよく似たホオジロ等々、そのさえずりは日頃のストレスから解放してくれますし、また気持ちをなごませてくれます。ホオジロとスズメの違いは一寸見ただけでは分かりにくいです。それに野鳥をよく観察しますと、成鳥と幼鳥、雌雄そして季節によっても羽毛の色が微妙に違います。ホオジロは目の上が白く、下嘴の下から首の周りが白いのが特徴的です。スズメは嘴の下の下顎から首にかけて黒っぽく、ホオジロより体形がやや細長い感じがします。近ごろ、散歩をしていますと、白セキレイ(学名:Motacilla alba lugens、スズメ目、セキレイ科、セキレイ属、和名はハクセキレイ(白鶺鴒))が道路を飛び跳ねているのを見かけることがあります。

  最近はのらねこも少ないので捕食されることもないようですし、人々も自然を大切にしますし、特に日本人は春のお花見、十五夜、そして紅葉と四季折々の自然を愛でるといいますか、花鳥風月を愛する文化を持っています。それにいまは、わが国では野鳥は許可なく捕獲することも飼養することも法律で禁じられていることもあって、いろいろな野鳥を身近に見かけることができるようになったのかも知れません。わたしが子どもの頃は、二股になった小枝を使ってゴムでパチンコを作り、大豆粒位の小石を挟んで飛んでいる野鳥目がけて撃ったものです。今だったら110番され、立派な犯罪でしょう。大変なことになるのでしょうが、7,80年昔はそれが田舎の子どもの遊びの一つだった時代なんです。肯定するつもりはありませんが、正直言ってそんな子どもの頃が懐かしい気がします。

(注)2023年10月に環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室から『ホオジロ(Emberiza cioides) 識別マニュアル』が発行されています。財団法人山科鳥類研究所が作業を請け負って作成されたもので、写真もとても豊富で大変参考になりますし、見ていてとても楽しいです。気分も癒やされます。 
       
最近のことですが、ふとしたことから鳥たちの祖先のことに思いを馳せるようになりました。鳥類といえば、大分昔になりますが、学校時代にききかじったことのある始祖鳥のことが頭をよぎりました。始祖鳥は本当に鳥だったのか、本当に現生鳥類の祖先なのかどうか、鳥だとすると始祖鳥は大空を飛べたのだろうか、ヨーロッパのドイツに始祖鳥が生息した中生代ジュラ紀の後期中国には昆虫などを捕食していた肉食のアウロルニス(Aurornis)が、白亜紀前期の中国には植物食のコンフキウソルニス(Cnfuciusornis)が、そして白亜紀後期アメリカには魚など食していた肉食のイクチオルニス(Ichthyornis)が生息していたことを示す化石が見つかっています。そこでもう一度、これまでに分かっている唯一の情報源、すなわち骨格標本等を通して調べ直して見ることにしました。