電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

『奪命金』公開

2013-02-12 18:56:16 | Weblog
2月9日にやっと『奪命金』が公開されました。今回はいつものジョニー・トー印のノワール・アクションではなく、市井の人々が金融に振り回されながらも自分自身の運命が決まる話なので、日本の劇場公開はどうなんだろうという不安もありましたが、まずは一安心といったところでした。
今回はパンフレットに経済本を出されている細野真宏さんに、映画の各キャラクターが遭遇する金融に関しての説明をしていただいてるので、映画で描かれている金融のことがわからなくても、これを読んでから観るとわかりやすいと思いますので、これからご覧になられる方はぜひパンフレットを読んでみてください。
この作品もストーリー上の時間軸が観る人によっては理解できない部分もあるところですが、そこをジョニー・トーが映画の教科書のような手法で見せていることに、さすがだなあと思いました。そしてここ数本、音楽のザヴィエル・ジャモーと編集がデヴィッド・M・リチャードソンと外国人の手によるものが大きく、それが香港映画らしからぬ雰囲気を醸し出しています。今回は特に全編に流れるスキャットは耳から離れないくらい印象的です。
印象的と言えば、ラウ・チンワンのやくざもいい味だしてますが、個人的には親分のパーティに最初に来場する兄貴分のやくざが、ン・チーホンだったこと。この人は『古惑仔』シリーズでヤクザのボスだったり、 『バレット・オブ・ラブ』のチャーリー・チャンとの刺青兄弟だったりとヤクザキャラはお手の物ですが、現実・・・・なので、これはキャラなのかどうかといったところですが。それから投資会社の社長を演じてるパトリック・クンはダンテ・ラム作品の常連俳優なので、これもまたチェックの俳優です。そして、もう一人懐かしいといったら怒られますが、テレンス・インが中国大陸マフィアのボスで登場。彼は同じジョニー・トー作品の『独身の行方(単身男女)』の冒頭のバスのシーンで、高圓圓(カオ・ユエンユエン)の元恋人として登場しますが、久々に顔が見れて嬉しいというか、深読みすると仲間であるダニエル・ウーの出演のバーターみたいな感じがしているのは私だけでしょうか?

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