電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

宿命のドラゴン・イン

2013-02-10 18:03:04 | Weblog
『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』が3Dで日本でも公開されたことはうれしい出来事だったのですが、かなりの厳しい数字となり、2週間でほとんどの劇場で公開終了、そして東京はお台場のみとなり、あっさりと終了となってしまいました。
あわててお台場まで行った1月27日の日曜の朝、シネマメディアージュで映画を観たのは、ジャッキー・チェン『神話』の試写会以来だから、そうとうな時間が経ってますが、やっぱり映画を観に行くには遠く感じます。
やはり私と同じように、観そびれてお台場に集まったお客さんが40人ぐらいでしたが、それでも観に行ってよかった3Dでした。というのも、DVDで2D版を見ると画面構成がなんか変で物足りなかったのですが、これが劇場の3Dで観るとがぜんイキイキしてくるわけです。やっぱりツイ・ハークは画面構成を3Dでうまく考えての監督したのだと、劇場の画面で見てつくづく思った次第でした。
冒頭の宦官の城で俯瞰から撮る、はためく旗や行進する人物の角度といい、ツイ・ハークがいかに3Dとしてよく見れるかという演出はさすがだと思いました。
さて話は、1992年に公開された『ドラゴン・イン』の3年後の設定になっており、(役名は違ってますが)レオン・カーファイ→ジェット・リー、マギー・チャン→ジョウ・シュン、そして笛の持ち主は『ドラゴン・イン』で砂に沈んだブリジット・リンとなります。
昔、ツイ・ハークに会った時に、『ドラゴン・イン』でブリジット・リンが途中で消えてしまったのは、撮影中に彼女が怪我をしてしまったのでストーリーを変更したと聞いていたのですが、取り残された笛が今回のキーになっていいるのは前作を観た人間としてはニヤリなのですが、『ドラゴン・イン』を観ていない人にはこの笛の重要さがもう少しわかりづらかったかと思います。
さて、そんな『ドラゴンゲート』ですが、ツイ・ハークとジェット・リーのコンビで観れたことはうれしいのですが、やっぱり20年前にやってほしかったとつくづく思います。それも1992年に起こったゴールデンハーベスト社(電影工作室)とジェット・リーの契約問題が発端となっていますが、ある意味、この二人にとっての宿命が『ドラゴン・イン』だったわけです。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』の撮影中に揉めた話は以前ブログにも書きましたが、ツイ・ハークがブリジット・リンらで企画を起ち上げた同時期に、ジェット・リーが自分の起ち上げた会社でミシェル・ヨー共演、オブザーバーにキン・フーを迎えての企画でしたが、ジェット・リー側のプロデューサーであるジム・チョイが殺し屋に暗殺されて大騒ぎになり、リー側の製作は中止になったわけです。
もし、あの頃、ジェット・リーが契約でごねていなければ、ツイ・ハークとの『ドラゴン・イン』が実現していたわけですが、紆余曲折の末に作られた『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』はまさに二人にとっての宿命ともいえるでしょう。