電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

題名

2008-08-19 15:42:20 | Weblog
映画の宣伝をしていていちばん悩ませるのが、題名付けです。ファンであるならば、原題を知っているうえにそれに慣れてしまっているので、違う題名にされると気がついてもらえなかったりするのですが、広い観客に対してアピールするためには、どうしても内容のイメージがわかってもらえるような題名をつけなければなりません。なので、毎回、映画の題名考えるのに50~100個はアイディアを出します。
一時期、アメリカ映画は原題をそのまま表記したものが多かったのですが、最近はそれだと観客にイメージしづらいので、日本語題名にすることが多くなっていますが、これもまた飽きられてくると原題を題名にするという、その繰り返しの歴史が続いていくわけです。
香港映画も題名つけるのも苦労が多く、たとえばショウ・ブラザース黄金のシネマシリーズも80本あまりのタイトルに題名案を出し、またコピー案も出しましたが、いつもあれこれ考えてしまい、日々言葉遊びの格闘となります。

映画の題名だと、この前お亡くなりになった映画評論家の水野晴郎さんが、映画会社の宣伝部長時代、『007危機一発』や『真夜中のカウボーイ』等、歴史に残る題名をつけられていたわけですが、映画の題名はすべて宣伝マンが考えます。自分の経験からだと、デビッド・クローネンバーグ監督の『戦慄の絆』という作品は、題名締切30分前に作ったタイトルでしたが、これは双子の医者の話なので「絆」という言葉、サスペンスで怖い部分があるので「戦慄」という言葉を合体させた題名です。

題名もヒットすれば、「いい題名だ。」、ヒットしないと「題名がよくなかったんじゃないか?」と、どっちにころんでも宣伝担当は頭の痛いところですが、昔の宣伝マンは同じ題名があったらつけないというのが暗黙の鉄則で、最近はビデオもあるので、同じ題名が3本もレンタルビデオの棚に並んでいるということもあり、題名つけるのはほんと頭の痛い問題です。

と、以上に前置が長くなりましたが、今日、キングレコードから試写状が送られてきたのですが、その作品は原題『放・逐』、そして日本題名『エグザイル 絆』となっておりました。12月に公開ということなので、日本語字幕入ったのが早くみたいですが、試写状の内容によると字幕も新字幕となっており、映画祭で上映した字幕を変えているようです。