電影宣伝自由人

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『レッドクリフ』完成披露試写会

2008-08-02 18:36:20 | Weblog
昨日1日(金)は『レッドクリフ』の完成披露試写会が行われました。場所は渋谷のCCLEMONホールで、仕事を早めに切り上げて渋谷に向ったのでした。
完成披露試写会で観るホールとしては、ちょっと設備的に?がつくのですが、とにかく今日、この作品を観れるということがポイントだったので、しっかりと観てきました。
で、個人的な感想としては、非常に面白かった!2時間25分という長さですが、それすらも感じさせないストーリー展開、そして知性を駆使した戦のすさまじさに圧倒されました。
ストーリーは、西暦208年の、劉備が長坂で曹操(チャン・フォンイー)に敗れるところから始まります。江夏に逃亡した劉備は、軍師・諸葛亮明(金城武)の提案により、平和な時代を築く呉の孫権(チャン・チェン)と同盟を組んで曹操と戦うことを提案します。諸葛亮明自身が呉に赴き孫権を説得するとともに、呉の外交を担当する知将、周瑜(トニー・レオン)に会いに赤壁へ向かい、二人は静かなる友情を交わします(お互いの琴の演奏で理解する)。周瑜は戦うことを決心し、彼の意見を持って孫権も曹操との決戦を決断。ついに戦いの火ぶたが切られた!というのがストーリーの概略です。
冒頭から戦のシーンが続き、戦のシーンの間に登場人物たちのドラマが描かれているという感じですが、とにかく圧倒的な物量と、壮絶な戦闘シーン、そして80万の兵に3万の兵がいかに戦うかという、知力を駆使した戦いと、とにかくあっという間でした。ただ、2部作の前半ということで、これから赤壁の戦いが・・・というところへ後半に続くになっているので、そこがちょっと拍子抜けしてしまいます。(上映が終わった後、某著名な映画評論家と目が合い、「これって後半って作ってるの?」と聞かれてしまいました)。昔だったら、インターミッションもうけて4時間半とか一挙に上映していたでしょうが、たぶん製作費も中国映画史上最高の金額になっているので、より多く回収するために前後篇にわけたような気もしておりますが・・・・そのくらいあっという間の上映時間です。
それから俳優陣ですが、当初いろいろありました(チョウ・ユンファ降板とか)が、登場人物のイメージを崩さない、各俳優ともキャラクターにぴったりだと思います。また主役となる俳優たちだけでなく、劉備、孫権に仕える武将たち各自の見せ場もあって、これもまたたまりません。私自身は、劉備に仕える猛将、趙雲を演じたフー・ジュンに注目。冒頭から見せ場ありでかなりかっこいいです。
今度は大きなスクリーンと音響施設の整った映画館でもう一度観たいと思いますが、特に音(生活音や自然音)はすごく重要な役割となってますので、公開時に観られる方は画面だけでなく、音にも注目しながら観てください。
と、私がすごく楽しめたことはおわかりになると思いますが、でも、帰りがけに知り合いと会ったのでご飯食べながらいろいろ聞いたのですが、知人曰く、「登場する人物がどうゆうキャラなのかわからない、演出がちょっとうすっぺらではないか?」という意見もありました。というのも、その知人は「三国志」を読んでいないというのもあり、登場人物が多いうえ、いくら字幕で名前が出ていてもわかりずらいということを言っていましたが、実は私も映画が始まって最初、これは誰なのかというのがすごくわかりずらく感じたのでした。それから、ストーリーも「三国志」を読んでいる人にはわかるところから描かれているので問題ないと思いますが、読んだことのない人には状況を理解する時間がかかってしまう心配もありました。
公開時には、本編の冒頭に「三国志」についての説明をつけるとアナウンスで言っておりましたが、さて、それだけで読んだことない人が理解してくれるか、この部分は映画を宣伝・配給している会社には頭の痛いところかもしれません。
それから、この映画を観ながら思うことは、いかにリーダーの人望や知恵が大事かということ。世の中、どうしようもない経営者、政治家が多いですが、この映画で描かれる人物たちは、今の時代に当てはめてみても面白い題材となっています。人を動かすにはどうゆうリーダーが必要なのか。
ということで、公開まで3か月ありますが、ぜひ劇場で観てください。