福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

待望!第二の「白州次郎」さん

2006年11月24日 | オピニオン
白州次郎さんが世の中の多くの人に語られるようになりました。
私より詳しい方が大勢いらっしゃることと思いますが・・・。

白州さんの妻である作家 白州正子さんについては、民芸・古美術好きの夫から随分前に教えられていたので、憧れもあり本なども持っていました。
影響を受けて、古陶磁、古民具、工芸、着物、茶花など日本の伝統文化にも眼を開かせていただきました。
2年ほど前の雑誌サライでそのパートナーである白洲次郎さんの特集を読んで気になっていましたが、「あらゆることに造詣の深い粋な紳士」くらいのイメージしかなかったところ、先月末にNHK番組で特集が組まれて改めて接する機会を得ました。
白州次郎さんについては数々のエピソードが、「風の男 白州次郎」青柳恵介著 新潮文庫に紹介されています。

歴史上日本が最も自信を喪失し卑屈になっていた敗戦期に吉田茂の懐刀を務め、連合国に屈せず、日本人の誇りと気概を貫きながら終戦処理に奔走した人物・・・。
大仕事のメドが立つと歴史の表舞台から潔く去り、その後も私利私欲に溺れず、様々な事業を援助しながら、成功しても「俺がやったんだ」とは決して他人には語らず、人の心を見つめ続けた、外見も中身も粋な人物・・・。

書き出したらきりがなくなるほど逸話の多い人物です。
知れば知るほど、こんな人がいたとは知らなかった・・・と唸りました。
「人間として」も「男として」も、至極痛快・快哉です。

「日本一かっこいい男」と言われる所以は、やはりその「生き様と人柄」でしょう。

 弱いものに徹底的に優しくて、
 育ちがいいのに、不良・野蛮人で、
 紳士なのに、野生的で、
 重厚で筋を貫き通すのに、自由気ままで型破り、
 毒舌家なのに、友情に厚く、
 先見性と健全な心を持ち続けて、常に前へ進む

口癖は「馬鹿野郎!」だったそうです。
親しい人には温かく優しい「馬鹿野郎」だったそうですが、権力を笠に着て威張り理不尽をはたらく人間や私利私欲を持って計算高く人付き合いする人間を最も嫌い、激怒の「馬鹿野郎」を相手構わずぶつけたそうです。

自らの信念を最後まで貫き通すことを旨とし、成すべき仕事は身体を張ってこなし、それでも決して表舞台に躍り出ようとはしなかった男。
いつでもどこでも、子どもたちになつかれた純真で優しい男。 
そして最期は「葬式無用 戒名不用」という8文字の遺言を残しただけで、何の未練も持たずに風のように逝った男。

少し熱くなりました・・・。あしからず。

でも、今の日本に、いや今だけじゃなくていつの世でも、社会に必要なのはこういう流儀の人だと思います。白州次郎さんのような、素晴らしい日本人の先輩がいたことを知るだけでもなぜか心強く感じます。

やたらめっぽう世を憂い、反対を訴えるだけではなくて、筋を通しながら先を見通せる人。
こういう人に、社会のリーダーとして舵取りと大きな決断を下していただきたいと思います。
でも、なかなかお目にかかることができません。

そこから更に一歩進化して鎧を脱ぎ捨てて、
感性が豊かで、人生のなんたるかを知り、
人にも物にも深い見識眼があり、
人の心を見つめ痛みを知り、
世代の違いによる考え方や行動の違いを受け入れられる広くて柔軟な心を持ち、

上手に言えませんが、自分のこと以外に、できるだけ沢山の事を感じ取れる資質を備えている・・・。

外側・外面(そとづら)をそこそこにこなすことに加えて、内面・感性が磨かれた人、バランス感覚に優れ緩急自在な人・・・。
そして、子どもやお年寄りが自然に寄ってくる人・・・。

今は、構造改革、行政改革、財政改革、少子高齢化、外交混迷のさなか。
そんな社会をリードする存在「第2、第3の白州次郎さん」が大勢現れてくれる事を心から望んでいます。



 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp 

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