福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

第5回民主塾 「民主党の農業政策」に参加しました

2006年09月10日 | 活動報告
民主党栃木県連主催による、第5回民主塾「民主党の農業政策」が真岡市で開催されました。講師は山岡賢次衆議院議員でした。

・地球環境破壊による異常気象、温暖化。
・さらには30年前は30億人台だった地球人口が、現在65億人。そして今後20年足らずで85億人に達するといった人口爆発の予測。
・近い将来、地球全体の食糧生産能力が限界に達するといった明らかな推計。

恐ろしい事態が現実になろうとしているそうです。

現在は、お金で食糧が買えます。
国境を越えて食糧の輸入が出来るのも、輸出してくれる国があるからのこと。


日本では過去20年で、産業としての農業は大きく衰退しています。
主な指標は次の通りです。

          昭和60年    平成16年   減少率
 農  地     583万ha     471万ha   △12%
 産 出 額   116,29億円   87,863億円  △24%
 就農者数    444万人    257万人    △42%
 食料自給率   53%       40%     △25%


自国農業の衰退で、食糧自給率は下落の一途(先進国中最低)です。
 
       食料自給率
 アメリカ   119%
 フランス   130%
 ドイツ     91%
 イギリス   74%
 日本     40%

日本よりも国土が狭く、工業化の歴史がずっと古いイギリスでさえ74%。
ドイツが91%。そして、アメリカ、フランスは100%を越える食糧庫余裕国。

日本の食糧自給率は40%を切る寸前です。
日頃口にする食糧の半分以上が輸入品だということです。

なんとも心細いデータです。
これからの人口爆発と地球環境破壊の進行で、間違いなく訪れるのが、食糧の奪い合いです。
食糧囲い込み時代がすぐに訪れます。
現在、石油輸出国が我が物顔で世界を手玉に取ることの生き写しが、食糧の分野にも起こるそうです。

自給率の低い日本は生き残れるでしょうか・・・。


農業振興に成功した欧米には、昔から、手厚い農業保護政策がありました。

ひとつは、政府が農業(農家)の所得を補償することです。

      政府所得補償比率
 アメリカ  46%
 フランス  52%
 ドイツ    50%
 イギリス  71%
 日本    0.7%

先進国ほど、農業者の所得補償政策によって手厚く農業をまもっています。
日本では現在、山間地の一部にだけ所得補償をしているだけです。


さらに、日本の農業予算は、その半分近くが土木事業費(公共事業費)として使われています。
予算の大半は、農業従事者(農家)にではなく土木業者に流れているということです。

 平成18年度農林水産一般会計予算総額 2兆8,310億円
  うち公共事業費       1兆2,617億円  45%
    一般事業費         9,332億円  33%
    食料安定供給関係費    6,361億円  22%
 


民主党は「農家に対する直接所得補償政策」を提案しています。
自民党もそれに似た政策を打ち出してきましたが、4ヘクタール(以下「ha」と記載します)以上の大農家のみを所得補償の対象としているようです。

大農家優先・小規模農家切捨て(格差拡大)路線ともみてとれる政策です。


これまでの、民主党と自民党の農業政策を比較してみます。

(1) 対象とする農業者

  民主党案
   ・全ての農家 = 約200万戸

  自民党案
   ・4ha以上の認定農業者(北海道は10ha以上)。
   ・経理を一元化した20ha以上の営農団体。
    (※政府答弁ではこの二つで全体の3割=52万戸程度)

(2) 対象となる農産物

  民主党案
   ①米、小麦、大豆・菜種
   ②自給率の向上に資する作物(でんぷん原料用ばいれいしょ等)
   ③地域の農業振興に欠かせない作物

  自民党案
   ①米(収入源の場合のみ補てん)、麦、大豆、てん菜

(3) 自給率向上の目標

  民主党→10年で50%、将来的には60%以上、最終的には100%。
  自民党→45%

(4) 支払総額

  民主党→1兆円(国:5000億円/地方:5000億円)
  自民党→約1700億円

(5) 米の生産調整

  民主党→廃止
  自民党→継続


政府案は、大規模農家だけを対象としています。
民主党案は農業従事者全てを対象とすることを提言しています。

約200万戸程度の農家を対象とし、これまでの米などの「生産調整を廃止」しようとしてます。

また、農業予算を真に農業者のために使用するために、農業土木関係予算を大幅に削減してお金の行き先を変えていこうとする考え方です。


来るべき食糧難時代に備えて、国内自給自足が目指すべきところであると思います。

国民の食糧確保、農業政策は、さらに徹底して議論されるべき課題であるとつくづく感じました。


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栃木県医師会勤務医部会主催記念講演「崩壊する日本の医療制度」を拝聴しました

2006年09月02日 | オピニオン
2006.09.02
栃木県医師会勤務医部会の主催で「崩壊する日本の医療制度」と題して、済生会栗橋病院副院長・医療制度研究会幹事 本田宏先生による設立記念講演会が行われ、拝聴してきました。

 本田先生は、深刻化する医師不足と勤務医の疲弊、にもかかわらず増大する医療ニーズといった矛盾に真剣に対処しなければ、日本の医療制度は崩壊する!と訴える改革推進の急先鋒です。
 医療の現場をよく知らない人々(役人、政治家)が医療政策を決めていいのか!医療は会議室で行われているわけじゃない!医療の最前線にいる勤務医自らが考え声を上げよ!と本務の傍ら精力的に講演、テレビ出演などをこなしておられます。
 本田先生が代表幹事を務める「医療制度研究会」は、現場で働く者の立場で国民のための医療を考える勉強会です。

 講演内容の抜粋と感想をアップします。

○諸外国に比べて日本の医師不足、看護師不足、過重労働は深刻極まりない
 忙しさに盲殺され、長就労時間と過重労働のため体力・気力の限界のところで自分にムチ打つ医師や看護師士たちの毎日と、いつ人的ミス(医療事故)が噴出してもおかしくないほどに逼迫した現場の窮状をうかがい知りました。

 医師は過剰状態では…。これまでの私の誤った認識でした。
 国民千人当たりの医師数はOECD加盟国平均が2.9人であるのに対して、日本は2.0人と50%もの不足、数にして12万人が不足しているとのこと。
 満足な兵士の数も武器も食糧も無く、ただひたすら精神力で戦いぬけ!カンと度胸で乗り切れ!と言われている様なもの。まるでガダルカナル島の玉砕、二百三高地の無謀戦、女工哀史、蟹工船の虐待的強制労働…との比喩に、かなりうなづけるものがありました。日本はこれまで、精神論で切り抜けようとして、いつも失敗してきたんですよね。
 世界最高レベルであると信じて疑わなかった日本の医療が、実は質量ともに不足した低開発国並のものだ、との訴えには正直驚きました。
   
○医者は間違えないはず、失敗しないはず、は誤った日本流の発想
 人は誰でも間違い、失敗を犯す。これが欧米の発想。余裕のない乏しいマンパワーでは、医療事故の発生は自明の理。
 なのに、医療事故に関与した医者に刑事罰を堂々と科すのは日本だけ。これでは医者を志す者がいなくなる。危険を伴う専門医(産科、小児科など)の担い手がますますいなくなる。

 ほんとにそうですよね。現に各メディアが地域医療現場からの医師の離散、病院閉鎖、救急患者のたらい回しなどを頻繁に報道するようになりました。
 行政は、現場の真実をよく分析、理解して危機感を覚えるべきでしょう。医療は幸福な国民生活のためにあるのです。

 民主主義の根幹は、治安と教育そして医療、福祉なんですから。
 今のままでは国民の期待に応えられない。精も根も尽き果てるような働き方をせずとも、安全な医療を提供したいというのが医師たちの本音でしょう。

○日本の医療費は先進国中最低額(病院・医師の悲鳴)、なのに国民自己負担は世界最高額(国民の悲鳴)、笑うのはいったい誰?
 医療費が最低?一般的には医者は儲かっているというイメージがあります。   しかし医療制度改革(改悪)で、病院が受け取る診療報酬の見直し(引き下げ)が自民党政権の元、断行されました。一見、国民のために喜ばしい改革のように聞こえますが、それによって引き起こされたのが上記の医療現場の窮状(医師の疲弊、病院解散など)なんです。

 病院を維持するため、無理に多くの患者を受け入れても、高額な医療機器や薬を買うことを余儀なくされ(様々な行政規制で世界一高額な薬剤、機器を導入することを余儀なくされており、患者さんからいただく診療代のほとんどが右から左に医療機器メーカーや薬剤問屋に流れているとか…これも少し変ですね)、ほかに人件費を払えば病院に残る金はわずかだそうです。決して病院が儲かる仕組みにはなっていないようです。
 産科や小児科などの不採算部門が、特に地域医療の現場から赤字部門として切り捨てられ、ひいては病院そのものが無くなっていくのも納得がいきます。

 医療費の抑制は、日本の医療レベルの深刻な低下を招いたわけです。

 そして、医療費の抑制が果たして国民に還元されたかというと、全く逆で医療制度改革(改悪)では患者の医療費自己負担見直し(大幅増加)も併せて敢行されました。

 日本は先進国の中では世界一低い医療費のはずなのですが、国民は医療費は高いと感じています。
 実際に日本の医療費個人負担(窓口負担)率は約20%で、世界の先進国中第一位。フランス(11%)の約2倍、ドイツ(6%)の約3倍、スウェーデン(3%)の約7倍そしてイギリス(2.4%)の約10倍といった状況です。
 家計支出に占める医療・健康費用もEU8カ国平均の3倍とずば抜けて高額です。

 こうした自己負担を軽減するためにはどうしたらいいのか。医療費をさらに抑制して、医療現場をさらにムチ打つのか…。誰が考えても違いますよね。

 これ以上の医療費抑制は理不尽の一言!国民の生命と健康を守るための安心した医療が受けられなくなります。
 これ以上の個人負担(窓口負担)増も理不尽の一言!増税、社会保険料増額、年金減額と続き、またまた国民に不健全財政のツケをまわすなんて許せません。

○医療の質を落とさず、国民に負担を上積みせず、欧米先進諸国並みに、国がその分を補えばいいのです。財政赤字だからと諦めることはありません。国のお金はもともと我々が納めた税金なんですから。

 要は、税金の使い方を変えるべきなんだ、ということです。

 これまでの政府が公共事業(道路、港湾、橋、ダムなど)や天下り財団に垂れ流してきた巨額の税金を一部見直して、医療費の公費負担分(現在約10兆円 国の医療費総額の約30%)にあてれば、医療の質の低下に歯止めをかけ、患者の負担を劇的に減らすことが十分可能なんです。

 G7各国のデータを見ると、他の6カ国(米、英、仏、西独、加、伊)の公共事業費を合計した総額よりも、日本1国の公共事業費のほうがはるかに多いという驚きの実態が明らかになりました。
 本田先生は、なるほどと唸らせるフレーズを使っていました、

 まさに日本は「社会保障大国」ならぬ「社会舗装大国」であると。

 「財政赤字のため医療の現場と国民は応分の負担を……」との政府の説明に国民はごまかされてはいけないでしょう。
 まるで、個人負担が重いのは医療費が高めに設定されていたため(医者が大儲けしていたため)とでも言いたげな、問題点すり替えの誤魔化しの理屈付けなのですから。

○公共事業天国の日本とそれらの利権金権に群がる政財界や天下り官僚の収奪、搾取に、国民はこれ以上愚弄されてはなりません。

 例えばガソリン税や自動車重量税は、私たちが普段、国家予算と呼んでいる一般会計(社会保障費など、その規模約80兆円。)には使われていません。
 特別会計として、その税収のすべてが、道路の整備や関連施設建設にあてられています。道路特定財源とも呼ばれているご存知あの問題の金です。
 この税金により高速道路上には、ほとんど使われないにもかかわらず1キロおきに1台300万円もの緊急電話が道路の両側に設置されているとのことで…氷山の一角ですが、ため息です。

*特別会計は、総額で毎年約450兆円ほどあって、国民の目からは伏せられるように複雑に影のように存在しています。
 直接あるいは天引きで収める所得税、住民税や消費税などと違って、日々の暮らしの中で知らず徴収されていることが多く、しっかり国の別の財布に集められています。
 国民の監視から外されたおいしいお金です。政官財の癒着の温床ともいわれ、毎年ジャブジャブ使い切られています。

 まだまだ使用に耐える舗装道路が、いつのまにかまた掘り返されて再舗装している。在る所にはふんだんに金が余っていることは、誰の目から見ても明らかです。

 国民の命と健康を守るために政治はあるはず。道路を造るのはそれからの話です。
 その国が(政府が)何を大切にしているかは予算を見れば一目瞭然です!
  
  *医療費における公費負担と個人負担(窓口負担、健康保険料)の割合
              公(国)費   個人負担   
     OECD加盟国    73%     15%
     日 本        33%     45%

  *予算全体に占める社会保障費の割合
     アメリカ       50%
     日 本        25%

 とても興味深い内容で熱い講演でした。
 政治の歪みと課題は大きいと痛感しました。


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「第8回 JAM定期大会」に出席しました

2006年09月01日 | 活動報告
静岡・熱海にて開催された、「JAM(金属関係の企業で働く方々で組織する労働組合の上部団体で、連合の構成組織のひとつです。今回の立候補表明で、JAM栃木からご推薦をいただいております。)」の定期大会に出席してきました。

2日間の日程で、全国から約500人の関係者が集まり、「働く者とその家族の暮らしの向上」を目指した活動報告、議案審議、大会宣言採択などが行なわれました。

○今後の課題と目標として取り上げられた議題は次のとおりです

1 「職場」に関する取り組み
(1) 労働条件(賃金、労働時間、労働協約など)の改善
(2) 安全・衛生活動の強化
(3) 正規従業員の採用
(4) 派遣・請負労働者に関する実態把握と相談
(5) 男女の均等待遇

2 「社会」に関する取り組み
(1) モノづくり技術・技能の育成、伝承と中小企業の自立支援活動
(2) 公正なワークルール(男女雇用機会均等法、労働基準法)の確立
(3) 安心・信頼の社会保障制度と公平な税制の確立
(4) CO2削減など環境問題への取り組み

 終始気迫に満ちた大会でした。
 生活者(労働者)よ、一人ひとりの小さな声も、一致団結すれば大きなうねりを起こすことができる!
 北欧では労働者と行政の社会対話が成り立っていると聞きます。労組が国や地方の政策決定に参画する万人に公平・公正な世の中が早期に実現するよう、非力ながらお手伝いさせていただきたいと思います。


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