福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

「格差社会」イコール「いじめ社会」?

2007年01月20日 | オピニオン
とても残念なことに昨年も全国で自殺が相次ぎました。
小・中学生、高校生、教師、管理職・・・ますます社会問題化することが予想されるのが自殺問題です。

特に、学校での生活が死を決意する原因になってしまった「いじめによる子どもの自殺」は、平和なはずの日本にいてとてもやり切れない思いです。

最近は、文科省、学校や教育委員会の対応に全国からの批判が集中し、事実関係を隠す風潮に見直しのメスが入りました。
今日も、「文科省が いじめ自殺の定義を見直す」・・といった報道がなされています。

もうひとつ問題を深刻にしたのは、ひとつの自殺が新たな犠牲者を連鎖反応的に生み出したこと。
報道が引き金と指摘するむきもあり、今後の報道の在り方も大変気がかりです。

しかしなんといっても問題の核心は、子どもの社会に深く根付いた「いじめの体質」があるとみるべきでしょう。
そしてそれはそのまま、子どもを育てる「大人社会」の生き写しでもあると考えています。
子どもの最大の教材は「大人の生き方」ですから・・・。

抑圧が弱者へと向かう社会 ~ 格差社会

「学校のいじめ」問題との類似点が指摘されるものに、社会からドロップアウトした少年たちが弱者に暴行し快感を得るという「ホームレス狩り」があります。
どちらも今の大人社会のあり方の象徴と分析する専門家もいらっしゃいますが、
「生活するうえでの社会の抑圧」が、強い方から弱い方へ、弱い方から更に弱い方へ・・・と、確実にしわ寄せされていく今の日本の政治・行政、社会の制度・体質の別なあらわれといった見方で「いじめ」や「自殺」や「ホームレス狩り」「ドメスティック・バイオレンス」「虐待」などを考えてみると、なるほどと思えるものがあります。

「格差社会」となった日本。
「勝ち組」と「負け組」の言葉が、なぜかますます実感をもって感じ受け止められる今日この頃です。
いじめの土壌に「格差社会」があると言うのは突飛でしょうか?
「負け組」になるな「勝ち組」となれ。子どもの頃からそんな言葉を耳にして育つ今の子ども達。
厳しい生き残り競争社会、他人出し抜き社会が、子ども、青少年、そして大人にも重圧となってのしかかります。
 
「弱者の切り捨て」 ~ 日本全体が「いじめ社会」

先日のブログでも記しましたが、暮らしの根幹を支える労働の在り方にも非常に冷たい風が吹き荒れています。
人員削減・賃金抑制によって、財界が収益を上げることを第一に推し進められる労働政策です。

小泉政権下で大々的に推し進められた規制緩和策で、正社員が減り非正規雇用が増え続け、いまや労働者の3人に1人が非正規雇用社員といわれます。

非正規雇用の蔓延は、「所得格差=格差社会」をつくり出した大きな要因のひとつです。
「結婚したくてもできないよ・・・」「子どもが欲しくても産めないよ・・・」といった嘆きの訴えを、私もこれまで何人もの方に聞かされてきました。
いつ職を失うか・・・1年先の保証もままならない不安定な立場におかれていながら、平均賃金は正社員の半分以下の水準に抑えられる・・・。
雇用機会や人件費抑制が、弱い立場にある非正規社員へと確実にしわ寄せされています。
しかしそのことによって、企業は繁栄し過去最大益を更新中・・・の構図です。

また、社会保障の分野もしかりです。
数年前から度々実施された「医療制度改革」では、高齢者を含め窓口負担が増加する一方です。
昨年成立した「障害者自立支援法」で、施設利用者に対して、自立を疎遠にするかのごとく負担の増加を強いたのもその一例です。

「弱者の切り捨て」が止まりません。
既得権益によって私腹を肥やし続ける一部の政治家、官僚、その取り巻き財界といった「勝者」によって、声の小さい私たち「弱者」の血税がどれだけ貪られていることでしょうか。

学校のいじめ問題も、格差社会が生んだ様々な歪みも同じこと。
まるで日本全体が「いじめ社会」になっているかのように感じるのは私だけでは無いと思います。

社会の抑圧が、強い方から弱い方へとしわ寄せされていくことに歯止めをかけることは絶望的なのでしょうか・・・。
弱者へと向かうしわ寄せを黙って見ていれば、状況はますます悪化する。
黙っていたら状況は変わりません。
他人事として傍観者にならず、一歩踏み出して(勇気を出して)「声を上げてみる」ことが大切です。
「気になる集会や活動に参加する」のも良いでしょう、
そして何より「選挙・投票」で政治の流れを変える一石を投じてみることで、社会の良化にに向けた道筋が少しずつでも開けると思います。

小さな一滴も、まとまれば大きな流れを生み出します。
これからも、小さな積み重ねで「優しさ」「温かさ」「思いやり」「安心の生活」そして「命」を大切にする社会をつくる流れができますよう汗したいと思います。


 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp 

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