福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

労働関係法規大改正の年(2) ~ 人を雇う上での規制の緩和がもたらしたもの

2007年01月16日 | オピニオン


昨日のブログで触れた「ホワイトカラー・エグゼンプション」。
選挙をにらんで、政府与党(自民・公明)の中でも時期早尚との慎重意見が大勢を占めたようで、次の通常国会へは提出されないこととなりました。

労働者の心情に逆行する改悪法案との世論が急速に広まったためでしょう。
政府与党から提出される法案が数の原理ですべて可決されてしまう今の議会の動きに、草の根の声が歯止めをかけたわけです。
やはり世論は強し! ですね。

アンテナをいつも高くして、納得のいかないものには異論の声をあげることで、「自分たちの生活や将来は自分たちの手で守ることができるんだ」ということが示された気がします。
でも、党利党略で問題が先延ばしにされただけですから、まだまだ予断は許しませんね。

「非正規雇用(パート、派遣)」が生んだとされる社会問題 「格差社会」や「ワーキング・プア」は放置されそうです

今の政府が、財界からの要請に応えなければならないもう一つの労働法規改正の動きに次は目配せしたいと思います。
「非正規雇用」の問題です。

これまでなし崩し的に行なわれてきた「非正規労働者への差別的な待遇」を助長するような法改正(労働者派遣法の規制緩和)で、全国の職場の3分の1の労働者(約1600万人超)が派遣などの非正規雇用労働者になっているとのこと。

正規社員の半分以下という低い賃金・待遇で同等の仕事をさせられる「派遣・パート」は「現代の身分差別」ともいわれていますが、明らかに「格差社会」を生み出した大きな原因のひとつです。

年収300万円に満たない収入で暮らす非正規雇用労働者は、全体の労働者の4割に迫る勢いだそうです。
働いても働いても豊かになれない「ワーキング・プア」の蔓延の背景には、企業利益を何よりも優先し、非正規雇用の拡大を積極的に推し進めた政府の労働政策があることは間違いありません。

すぐにでも取り組むべき「非正規労働者に対する待遇の改善と雇用の安定」については・・・残念ながら、今年期待される「労働法制大改正」の最重要課題として取り上げられる動きは今のところありません。

非正規から正規社員への転換を促進するように「パート労働法」や「労働契約法」を改正する・・・といった耳ざわりの良い言葉も、実際は具体策や強制力を伴わない
お茶にごしの改善に終わってしまえば、今の社会問題は放置先送りになってしまいます。

人員削減・賃金抑制によって収益を上げることを目的に財界が提唱し、政府与党がお膳立て後押し(規制緩和)する形で進められている労働政策。
私たち労働者の働き方がこの先どう変わっていくのか・・・心配されている方も多いと思います。
今後もアンテナを高くして、納得のいかないものには異論の声をあげることを続ける必要がありそうですね。


 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp 

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