福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

中心市街地活性化の有効打は?

2007年01月04日 | オピニオン
               近い将来 二荒山神社前はこんな風景に?


夫と二荒山前に出かけてきました。
宇都宮市では中心市街地の再開発を6つの拠点をベースに進めています。
相生地区のパルコ周辺、JR西口のララ・スクェア(旧ロビンソン)は有名ですが、今後平成21年までに馬場通り二荒山神社前のかつての上野百貨店(旧館・新館とも)が、商業・業務・公共公益施設(8階建)と住居・商業複合施設(24階建)に生まれ変わる予定です。

二荒山神社前の高層マンション建築については、景観を著しく損ねるといった理由から反対運動が拡がっていることは周知の通りです。
住民説明や広報公聴が十分になされないまま行政の独断専行で推し進められているといった内容で、ついには計画撤回側が提訴に踏み切ったとのこと。
必要な段取りは踏んできたとする行政側の主張との食い違いが、今後の裁判を経て折り合いをみるのか注目したいところです。

二荒山神社前に24階建の高層マンション。
パルコ(10階建)の2倍以上ののっぽビルですから、仮に計画が現実になると、その威容はきっと凄まじいものになるはず。

中心市街地に人を呼び戻し、シャッター通りを早急に解消したい。
そのために、老朽化したビルを周辺と一体にして収益性の高い大きな施設に建て替える。繁華街にある土地を有効活用する意味では納得のいく方策であるといえます。
ゆとりある都市空間や歩行者空間ができれば、街は安全・快適で魅力的なものに生まれ変わるでしょう。

お正月の某紙の論評に、「宇都宮はたいていのものが揃っているが、心に残るものがひとつもない不思議な街」と述べられたものがありました。
評したのは県外在住の有識者の方です。

まちの顔となるものがない。あれこれ取り組んではいるもののどれも場当たり的で、長大なグランドデザインが見えてこないためでしょう。
宇都宮城の復元も今年の春にひとつの節目を迎えるそうですが、民意をさらに集めて是非とも成功事業にしていただきたいと切に思います。

これからの中心市街地の役割は?

さて、国の社会資本整備審議会が出した答申では、これからの街づくりのあり方として、大都市への一極集中を促進支援し、地方でも市街地へ公共・商業・文化・文教施設を一極集中させることを提言しています。
高齢化社会などをにらみ、歩いて用を済ませられるまちづくり、が提言の趣旨です。
理想とするものは脱車社会。公共交通機関で日常生活の用が足りる社会。
理想は確かに素晴らしいのですが、現状はなかなかそうはいかないでしょう。
特に車保有率全国1,2位を争う、完全車社会の我が郷土栃木県では・・・。

栃木の施設には広大な駐車場が絶対必要だと思います。
繁華街で人を呼ぼうとすればなおさらだと思います。
駐車場が容易に利用できることを連想できない施設は、高齢者、身体障害者はもちろん、大概の人にとって、近づきがたい施設・繁華街なんです。

現実の生活から車を切り離すのは至難の業。
シャッター通りが増えたのは、ひとえに駐車場がないからだと思います。
公共交通網が網の目のように張り巡らされ、車での移動がかえって不便な東京のような街とは違うわけですし。

人は利便な手段をどうしても選びます。
忙しい人ならば、買い物は少ない回数で済ませたい。スーパーなどへ行って、3つも4つもの買い物袋は極力短い時間で運び終えたいと考えるのが人情。
そうした生活態様と中心市街地の環境は、どうしても乖離しています。
行きたいお店が中心市街地にあっても、駐車の不便さから足が遠のきがちになっていると私は考えています。

今年の早い時期に調査研究結果がまとめられ示されるLRT(新交通システム=宇都宮市大通りの路面電車?)整備にしても、あったらいいなぁ~の次元を超えて十分に有用性の議論をしていただきたいと思います。
街づくり政策のほんとうの有効打に成り得るのか。
利害の絡んだ場当たり施策による負の遺産に絶対ならないようにしていただきたいと思います。

街づくりは誰が決めるのか・・・?
そこに生活する市民が決めるわけです。
あたりまえですが、市民の声を十分に聴き、市民の声を反映したものにしていかなければなりません。
中心市街地は、商業だけでなく、情報発信の拠点であり、人々の憩いと交流の場など様々な要素があると思います。
いろいろな機能を持ってこそ中心市街地です。
仮に利権企業優先の議員や行政マンが先導する施策であれば、正しい街づくりはできません。
着工直前で紛糾している馬場通り二荒山神社前の再開発の轍を踏まないよう、みなさん一人一人が魅力ある街づくりに参画する感覚をもって、賢い選択をしていきましょう。


 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp 

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