goo blog サービス終了のお知らせ 

島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

高速道路の無料化問題を考える ③

2009-09-16 23:10:49 | Weblog
 「無料」を外国に倣う必要なし   高速道路無料化提唱者によれば、無料にすべき論拠として幾つか挙げられるうち、欧米諸国の高速道路のほとんどが無料であり、また、東名高速などはそもそも料金収入により債務を完済した時点で無料化すると決められていたから、いつまでも有料のままにしておくことは不当だということが無料化の大きな理由のようである。
 後者については後日論じることとして、前者の欧米諸国の場合に関してであるが、高速道路の建設費において日本と欧米とでは格段の高低の差があることを無視して論じることはできない。
 欧米の場合は土地が公有地が多いとか、私有地であっても地価が日本と比べてかなり安いから用地取得にかかる費用も低額で済むことが多いと思われ、また、欧米の場合は平原とかなだらかな丘陵が多いのに比して、日本の場合は地形が複雑で、山あり谷ありの地形が多い所に広い道路を建設することは技術的にも困難で、それだけでも費用はものすごく嵩むという事情がある。
 つまり用地取得にかかる費用と工事にかかる費用の合計は欧米の場合と格段に高額になるので、ただ単に無料とするのには無理があると言える。
 むろん、高速道路ばかりでなく、一般道路についても国や自治体の財政を逼迫させるほどに費用が嵩んでいるから、可能ならば一般道路についても有料にしてもおかしくないはずなのである。
 ◎写真 前回の記事で紹介した地図に記された道路のうち、手前が東北中央高速道、向こう側のアーチ橋が県道51号線。地峡のような狭隘な地帯に、この他2本の国道、2本の県道の計6本の幹線道路が併行している。

車(竜巻)が車を吹き飛ばした(続編)

2009-07-28 22:20:51 | Weblog
 姉妹ブログ『山形の過去、現在、未来』の記述より続く
http://blog.goo.ne.jp/rekishi-huukei/d/20090728
 むろん以上のいずれでもない。
 何と言っても「クルマ」こそが地球温暖化の主役なのである。
 正確には「クルマ社会」と申すべきであろう。
 車の走行による二酸化炭素の排出量は全体の20%程度だから大したことではないと思われがちだが、車を走らせる「クルマ社会全体」の裾野はべらぼうに広大であり、車本体及び部品・関連製品の生産、販売、修理、廃棄、道路等の建設と整備、石油産業等を総合すると二酸化炭素の排出量は優に40%を超えそうである。
 館林市では駐車中の車が多数横転した。直接的にはむろん竜巻が車を横転させたのだが、その背後で竜巻の発生に力を貸したのは世界的なモータリゼーションである。
 これからもこの度のような豪雨や竜巻・突風は頻発する可能性が大である。そんな時に大きな地震が起きたらそれこそ目も当てられない惨状になるであろう。
 そんな中、景気浮揚対策の一環としてか、政府自民党は高速道路料金を一律1000円で乗り放題としたが、民主党は原則無料を公約としている。
 これでは日本に倣い、中国やインド等もますますモータリゼーションを加速させて温暖化に拍車がかけられ、異常気象はますます頻発する恐れがある。
 それでも高速道路の料金の低額や無料化は撤回できないものなのか。
 むろん、一般道路での車の走行も大幅に削減が望まれるのである。

 ※ 写真は防府市内の老人施設の前の惨状(NHKニュースより)

歩行者に優しくない広い歩道

2009-04-13 23:51:07 | Weblog
 上の写真は山形県内の某小都市の歩道である。 
 それにしても人通りがあまりにも少ない割合に豪勢なくらいにゆったりした幅の歩道である。
 だから、この歩道はいかにも歩行者に優しい道路のようにも思われる。
 確かに、ゆったりした広い幅の歩道を歩く歩行者は車道を走るクルマと接触したり、はねられたりする危険はほとんどなくなるのかもしれない。
 ところが、広い歩道が新設される道路に限って歩行者の危険や不便は増大するのだ。
 第一に、その歩道の内側の部分の店舗等も改築を余儀なくされるのを機に、駐車ゾーンを歩道の内側に新設するのが相次いでその新設歩道を横断するクルマが激増し、歩道内でのクルマとの側面衝突の危険性が増し、またクルマの出入りの部分が切り込まれて傾斜するから、冬季に積雪や凍結すると歩行者は転倒の危険性が増す。
 そもそも「道路拡幅」とは歩道のみを拡幅したり新設することではない。
 むろん、車道こそ更に拡幅して車線も増やすことが道路拡幅の本来のねらいであり、歩道の整備はあくまで付随的なものである。付随的でありながら、いかにも「歩行者に優しい道路造り」のイメージが浮かび上がる。
 しかし、歩行者は歩道をまっすぐ歩くだけでは利便を感じない。
 車道の向こうの店に行きたい場合はすぐにでも車道を横断したくなる。
 だが、信号機のある横断歩道を渡るべきとされるが、そこまでは何百メートルも歩かなければならない。足腰が弱くなった老人ならば15分もかかるだろう。
 歩道もない狭い道路だった時代なら、真向かいの八百屋まではものの10秒で済んだのが、更に信号待ちで90秒、車道横断で30秒、更にその八百屋まで15分で、計32分ほどを要することになる。
 しかも車道拡幅に伴うクルマの交通量の増加と高速化による騒音と大気汚染の増加で静寂だった狭い生活道路の環境は悪化する。
 これで道路行政は歩行者に優しくなったとは断じて言えない。

写真人は本気で「潤い」が好きなのか?

2009-03-23 17:12:39 | Weblog
 県内のアマチュア写真家の作品を展示する「山形県写真展」が昨日終了した。
 約640点の作品が観覧者の目を楽しませてくれたが、カメラの対象となったものはほとんどが郷愁をさそう「潤い」ある事物であった。
 この傾向はここ数年如実になっているようだ。
 そのうち村祭りなどの伝統行事を素材にしたスナップ写真だけで100点余。
 また、村の老人たちの憩う情景、農村風景、山川草木などの自然景観、鳥やペットなどの動物、桜や紅葉などの季節の風景などを含めると四分の三以上にはなるようだし、人工物も名も無き村はずれの古い民家などが多く、都市部のビル群や高速道路を颯爽と疾走するクルマなどはほとんど素材とされていない。
 バイクを被写体としたものは2点で、クルマが描かれているものはわずかに1点のみだが、その写真の主たる素材ではないし、決して格好のよいクルマではない。
 姉妹ブログ(下記)の本日の記事では「緑と水と歴史的景観」のような「潤い」要素を徹底排除して新設された駐車場について記事にしたが、アマチュア写真家にとってレンズの対象としてクルマはほぼ排除されていると言える。
 まさに現代人の嗜好は両極端のようである。

●姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」(←クリック)をご覧ください。

 

高速料金値下げは京都議定書を反故にする

2009-03-17 23:50:58 | Weblog
 姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」の3月17日の記事の続編 URLは下記

 高速道路利用料金が地方の休日に千円を上限として28日から実施されることになったが、不況克服ばかりか地球温暖化防止にも貢献することになるとも言われている。
 確かに渋滞しがちな一般道路をのろのろ走行することも二酸化炭素を多く輩出するのだが、クルマの高速走行も大量に二酸化炭素を排出することは言うまでもないし、また、何よりも走行距離が伸びるし、クルマはいつも高速道路ばかりを走るわけではなく、高速道路経由で一般道路に乗り入れるクルマが多くなる。
 つまり、一般道路には地元のクルマの他に遠来のクルマが増加して、結局は一般道路の渋滞に拍車がかかり、二酸化炭素の排出は増加することになるのではないか。

●姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」(←クリック)をご覧ください。


レジ袋追放も悪くはないのだが・・・

2009-03-05 17:22:17 | Weblog

 最近ははスーパーマーケット等でのレジ袋は有料となり、確かに“マイバッグ”を持参する市民が多くレジの脇に並ぶことが多くなった。
 これはこれで市民の環境保全意識のささやかな高まりとして悪くはない。 また、家庭電気器具のプラグをこまめにコンセントから抜いておくことも消費電力の軽減に有効で、ひいては地球温暖化防止にも結びつくのだという。
 その他にも行政やマスコミ、市民団体等は家庭生活における地球温暖化防止 (※注→下記)に有効な努力項目として幾つかを推奨している。
 だが、もっとも有効なはずのクルマの使用抑制の呼びかけはさほど強く推奨されていないようだ。
 このことについては、クルマの使用抑制がいかに二酸化炭素の削減に貢献できれるか、上の写真の右側のグラフを見れば一目瞭然である。(下から二番目の黒色の棒線 クリックによりグラフ拡大
 わずか1日10分の乗車控えだけだから、通勤の場合は片道5分だけになる。だが、普通通勤でクルマを使用する場合は少なくとも片道10分は要するであろう。しかも特に通勤時間帯や夕方の帰宅時間帯は渋滞することが多いから、アイドリング等で一層二酸化炭素の排出は多くなる。
 これを見れば、通勤者の職住近接の推奨もしくは公共交通の充実は急務の行政施策であると言わなければならない。

 ※レジ袋の追放等だけで地球温暖化を“防止”できると考えるならば、これはあまりにも傲慢な考え方であると言わなければならない。それゆえ、“防止”よりは“抑制”の言葉の方がふさわしいであろう。

この人は誰だろう?③ & 地球危機本格化?

2009-02-09 11:45:14 | Weblog
①と②に続く[朝日新聞GLOBE2月2日づけより]

    アメリカ民主党は鉄道派
 バイデン副大統領も、ワシントンとデラウェアを結ぶアムトラック「アセラ」で通勤していた=AP 勢いづく鉄道関係者が、さらに環境の好転を期待するのがオバマ政権の発足だ。労働組合を支持母体に抱える民主党は伝統的に鉄道支持者が多い。 
 副大統領に就任したバイデンの次男はアムトラックの役員だ。バイデン自身も上院議員時代は、地元デラウェア州から首都ワシントンまで1時間半かけてアムトラックで通勤した。下院運輸族のボスで、議会きっての「鉄道派」と目されるオーベルスターも民主党議員だ。
 オバマも選挙中に発表した政策で、「アムトラックは国内の多くの地域で唯一の信頼できる交通体系だ。新政権は国内高速鉄道網の整備を進める。速くて安全な旅客鉄道は、環境面でも、都市計画の上でも大きな利点がある」と述べている。
「米国はいま社会が変わる潮目にいる」と運輸省のヤシュメッツは話す。「この仕事に就いて30年、変化は起きなかった。今回は違う。いま鉄道政策にかかわることができるのは、とてもエキサイティングだ」 (了)(左の写真はアムトラック)

このシリーズの本文全体を1度で見たい方は、下記URLをクリック
http://globe.asahi.com/feature/090202/

◆地球危機本格化?
 ニュースでも盛んに報道されているようにオーストラリアの山火事による被害はかなりのものだ。死者は100人をかなり超えており、これは直接的には46度という異常高温がもたらしたものだが、この異常高温を地球温暖化の如実な表れと見做しても間違いでなかろう。
 世間では軽々しく「地球温暖化防止」を口にしてレジ袋追放とかが盛んになっているが、未曾有の不況を更に倍加させるようなことになりかねないものの、脱クルマとりわけ脱マイカーこそが地球温暖化対策のの切り札なのであり、この意味でも鉄道重視を唱えた米国新政権の取組みが注目される。(火災の写真はYahooニュースより)

「ぬりかべ」から謹賀新年

2009-01-03 20:31:57 | Weblog
 幹線道路沿いに「ぬりかべ」のようなタワーが出現したことを年末に記事にしたが、屋外アートの作家なら放っておけない衝動に駆られるであろう。
 むろん、無許可で自称“芸術作品”を描いたりしたら、器物損壊の罪になる。
 でも、正月の初夢の気分が抜けないのか、この巨大な「ぬりかべ」に堂々と「謹賀新年」の文字と門松の絵が現れているように思えるが、さ~て、これはただの幻影なのか現実なのか、ご想像にお任せしたい。
 ※年末の記事を参照ください。

ボクたちは国土交通省、経済産業省・・・

2008-11-25 23:23:48 | Weblog
 小泉とかいう男が保健所に愛犬を殺されたという少年時代の恨みで彼がペット行政の最高責任者とみなした厚生労働省の2人の元事務次官の自宅を襲い、3人を死傷させ、保健所が年間に50万匹の犬・猫を殺害した罪は重大だと語っている。
 ところで、小泉純一郎氏が厚生大臣の時、小泉容疑者は純一郎氏に対してどんな感情を抱いていたことだろうか。
 だが、直接的には保健所は地方自治体の管轄下にある。
 でも、ボクたちの仲間である猫族や野良犬だけでなく、飼い犬でさえクルマに轢き逃げされたり、跳ね飛ばされたりして即死する場合もかなりの数になる。
 それに自然界で暮らすキツネやタヌキなどの野生の動物たちもかなりの数がクルマによって死に至っている。
 合わせれば、やはり数十万匹にはなるだろう。
 だから、ボクたちにとっては道路行政の最高責任者たる国土交通省やクルマの生産や販売の促進に助力してきた経済産業省、そして動物の交通事故死を犯罪とみなさない警察庁などにもモノを申したい気持ちが強い。
 だが、小泉容疑者のようなやり方は絶対によくない。

写真 霞城公園(山形城跡)で集う野良猫たち・・・彼らの行く末はいかに?