とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ザ・ワン

2006年03月22日 14時28分28秒 | 香港的電影
『ザ・ワン』
(The One ジェームズ・ウォン監督 2001 アメリカ)


『SPIRIT』観てまいりました~!
リー・リンチェイふぁんは、絶対観るべし!!

これはまさにリー・リンチェイ/ジェット・リーの集大成でしょう!アクション俳優としての引退もまことしやかに噂される今、ぜひ円熟のリンチェイを大画面で堪能していただきたい。
公開中なので、これ以上のコメントはひかえます。レビューはまた公開終了後にね。

で、リンチェイの作品をなにか取り上げたいな~、『ワンチャイ』にしようか『キス・オブ・ザ・ドラゴン』にしようかな~と迷ったんですけども…映画館から帰ってまず再生したのが、なぜか『ザ・ワン』のDVDだったので、これにします。ジェット・リー主演、ハリウッドの近未来SF娯楽作です。

<あらすじ>
125の多元宇宙が存在する世界。文明がより進歩した宇宙では、パラレルユニバースとの通路(ワームホール)が発見され、行き来できるようになっていた。ユーロウ(ジェット・リー)という悪い男、別の宇宙に存在する123人の自分を殺して、お尋ね者に。多元宇宙警察(デルロイ・リンドー、ジェイソン・ステイサム)に追われていた。あと一人残ったゲイブ(ジェット・リー)を殺せば、全宇宙のエネルギーを吸収して全能=ザ・ワンになれる。さあ、ふたりのジェットの一騎討ちだ・・・!!


なぜこの作品なのか?と言いますと、『SPIRIT』でのリンチェイ、前半は結構どうしようもない悪い人、後半はいい人なんですよ。そのギャップが、『ザ・ワン』を思い出させたんですねえ、はい。

『ザ・ワン』、つっこみどころは、いっぱいあります。あるんですが、一生懸命誠実な娯楽作なんですね。ちょっとしたセリフに洒落っ気があって、小品ではありますが、なかなかどうして、あなどれない作品です。

キャスティングもいい。『ロミオ・マスト・ダイ』でも共演しているデルロイ・リンドーがいい味出してるし、カーラ・グギーノが、賢明なリンチェイ妻役を好演しています。彼女は『スパイキッズ』のママ役よりこっちの方がずっといいと思う。

だけど何がいいって、そりゃあ<良いリンチェイ>と<悪いリンチェイ>が一度に観られること。もうそのカッコイイことといったら!最高に男前なリンチェイに、女性陣(と男性陣も)はトキメキっぱなしになること間違いなし。個人的には、悪いリンチェイの鋭いまなざしにドッキドキ!!

しかし肝要なのはアクション。リンチェイ的には、もっとレベルの高い作品が他にいくつもあるでしょうが、ハリウッドだからこそできるユニークな功夫アクションを観られるという点では貴重かも。

ラストでは、善リンチェイvs悪リンチェイの闘いが展開されます。ここでそれぞれが使う功夫の技に、陰陽思想があらわれているのがおもしろい。直線的で攻撃的な悪リンチェイの技に対し、善リンチェイの方は太極拳を使って、悪の力を吸収し、円運動の中でより大きな力を得ていくのです。

…って、こんなのおそらく一般のアメリカ人観客は絶対わからないと思うんだけど、あえてやっている所になかなかの勇気を感じます。アクション監督はユン・ケイ(元奎)。

そんな中国武術の深い思想があらわれた格闘シーンのバックに、ハードロックが流れるのは、いかがなものかと思いますが…。

そしていっちばんラスト、悪リンチェイの最後の顛末が、またおもしろいんだな~!ここが一番好きかも。


それにつけてもリー・リンチェイ、何と美しい人でしょう。アクションの美しさはもちろん文句なし、と同時に、ロマンチックなムードを醸し出すこともできる人なんですよね。アメリカ人の妻がいる役でも、まったく違和感を感じさせない。これはハリウッドに進出した他の中華系スターにはない資質で、だからこそ彼は成功したのではないかな(チョウ・ユンファはなぜかハリウッドではそういう面を出せないでいる)。プラス英語もうまいし。

わたしは、リンチェイの横顔の美しさが大好きです!それとあの笑顔もね♪


最後に『SPIRIT』の中村獅童に一言。
「ヘンな中国語をマスターするヒマがあったら、殺陣をもっとしっかりやらんかい!」
・・・獅童くん、キライじゃないっすけどね。





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