とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

R-1グランプリ2006

2006年02月20日 19時48分57秒 | 日本的笑世界
昨年までの放送を見てないのでナンなんですけど、今年は見たので、感想書いてみます。
決勝戦は非常にレベルが高かったですね。

とりあえず、まず優勝・準優勝者から。
上位2名は、あべこうじさんと、それから何と「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」でおなじみ博多華丸さん。

あべこうじという方を初めて見ましたが、この人はス・ゴ・イですね!びっっくりしました。日本では意外とあまり見られない、スタンダップ形式の一人しゃべくり。内容はしっかりと構成され完成された「芸」でした。
「ウインナーを二本フライパンで焼いたがフタが密閉されて食べられなかった」という話を基点として、それとはまったく関係のないネタがメビウスの輪のようにつながっては戻ってくる…その構成力たるや。あえて誰に近いか、とかんがえたら、雰囲気はちょっとキッチュ(松尾貴史)に近いかもしれませんね(ネタはわかんないけど)。

一方、博多華丸さんは、「細かすぎて」でやったのと同じ児玉清のマネ。ネタもほぼ同じあいうえお作文の拡大バージョンでした。児玉清研究というネタなので、華丸さん本人も時々顔を出しつつ、最後はアタックNo.1のテーマでしめる、というとてもおもしろいもの。
ただ、「おかげでした」で一度見ていた(さらに先日のモジモジくんでも見たばかり)だったので、正直わたしの中では、インパクト小さめだったんですよね。

ところが!なんと優勝は華丸さん!みごと500万円をゲットしました。

「あら?」と多少不満だったのですが、審査員長の伊東四朗さんのコメントが…
「テレビを見ているのは若い人だけじゃない。お年寄りも見ている。だから、あえてわかりやすい笑いが評価された、ということでしょう」…はげしく納得。


以前、若手芸人発掘番組について書いた記事で、わたしは若い観客にだけ受ける最近の笑いを批判していたのです。にもかかわらず、自分でも知らず知らずの内に「多くの人にわかりやすい笑い」を否定してマニアックにはしることがかっこいい、みたいな視線をもってしまっていたのかもしれません。

…ま、とはいえ、何をおもしろいと思うかは個人差あります。わたしの中ではやっぱり、あべこうじさんが、ぶっちぎりで一等賞でした。ただ、今回のR-1での結果が、お笑いのあり方に一石を投じることになるのかもしれませんね。

それに、「おかげでした」に関わりのある芸人さんが優勝してくれたことは、素直にすっごくうれしかったです。

他に気になったのはバカリズム。基本的にフリップを使うネタがあんまり好きではないけれど、この「トツギーノ」はおもしろかったなあ。「森のくまさん」と「さだまさし」でキターッ。絵もおもしろいけど、自分で描いてるのかしら。

浅越ゴエさんもすばらしいですね。彼は筒井康隆が好きなんじゃないかなあ。この方は舞台で見た事あります。川下大洋さんの「ドナインシタイン博士の世紀末学会」という舞台に出ていて、その時は芸人さんとは知りませんでした。アナウンサーくずれの人かと(笑)。

岸学さんも、わたしは好きでした。クラスにいじめられる先生、「原付200km出るように改造したやつ誰だーっ!」っていうのがすごく良かった(笑)。ほんとに想像しちゃった。もっとネタにドラマ性もたせたら、独特の世界になったのでは。


ピン芸、あなどれませんな!





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