とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ビッグ・リボウスキ

2006年03月08日 16時27分05秒 | 世界的笑世界
『ビッグ・リボウスキ』
(The Big Lebowski ジョエル・コーエン監督 1998 アメリカ)


こんなこと、ありませんか。
ある人のことが、とっても好きなんだけど、その人のことがよくわからない。よくわからない人なのに、とっても好きになってしまうってこと。

『ビッグ・リボウスキ』という映画は、わからないことがたくさんあるのに、この映画が好きだと思う気持ちは止められない。映画に恋に落ちる、という感覚を味わわせてくれる作品です。

たとえば、デュードを演じたジェフ・ブリッジスは、完璧。この作品のあとしばらくは、他で彼を観ても「あ、デュード」としか思えませんでした。ほとんど渥美清=寅さん状態。デュードの好物ホワイト・ロシアンを、ショットバーに行けば必ず頼むようになる、というのも、恋わずらいの兆候のひとつです。

コーエン兄弟作品の常連ジョン・グッドマンが演じるウォルターは、90年代に入ってもまだベトナム戦争症候群から立ち直っていない。やることなすことズレているのに、最後には愛着を感じてしまう…。

でも、この人物像の魅力は、きっとアメリカ人でなければ、ほんとのところはわからないと思います。彼の徹底的なスラップスティックぶりは、アメリカ人にとってのベトナム戦争のトラウマの上に成り立っているのでしょうから。

強烈なのは、誰が何と言おうとジーザスbyジョン・タトゥーロでしょう。華麗にボーリングをするジーザスのバックで、ラテン調の『ホテル・カリフォルニア』が鳴り響くシーン、おもしろすぎます。

もひとり常連組のスティーブン・ブシエミ、彼は最高です。なにも言うことありません。

『カポーティ』でアカデミー主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンも出ています。彼やジュリアン・ムーアが出演してたり、ポルノ界の大物プロデューサーが出てきたりするのが、ちょっと『ブギーナイツ』(1997)との共通性を感じるのはわたしだけ? もちろん『リボウスキ』の方がいい映画ですけど(←ポール・トーマス・アンダーソンは好みでない)。

ニヒリストたちの全身タイツ…うん、これだけはよくわかる、だってまるっきりモジモジ君だもの(笑)。


湾岸戦争下のアメリカ。自由に生きているように見えるデュードやウォルターには、ほんとうはどこにも行き場はなかったのかもしれない…ボーリング場以外には。過去に生きるしかない人間には、アメリカはすこし生きにくい場所なのかもしれない。

でも、コーエン兄弟ほどアメリカを愛する映画作家はいないと思います。
あまりにアメリカ的だから、わからないことがいっぱいある。それでも、コーエン兄弟の愛に満ちたこの映画を、やっぱり好きにならずにいられません。

この映画、劇場のスクリーンで観てこそ、その良さがわかります。どこかで特集上映ないかなあ…





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2 コメント

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こんにちは (妻夫木命)
2007-04-17 18:40:11
はじめまして^^

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http://blog.livedoor.jp/blog002004/archives/50167739.html
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これからもよろしくお願いいたします^^
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こんにちは (速水もこみち命!)
2007-04-17 20:01:17
はじめまして^^

私の芸能サイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
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紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/blog002009/archives/50069126.html
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これからもよろしくお願いいたします^^
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