とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ビルとテッドの地獄旅行

2006年11月15日 18時41分39秒 | 世界的笑世界
『ビルとテッドの地獄旅行』
(Bill&Ted's Bogus Journey ピーター・ヒューイット監督 1991 アメリカ)


元祖エ~クセレ~ント!!

<あらすじ>
ヘヴィメタル命の親友コンビ・ビル(アレックス・ウインター)とテッド(キアヌ・リーブス)。前作『ビルとテッドの大冒険』(89)の大活躍のおかげで、27世紀の地球人はロックが支配する平和な文明を享受していた。が、世界支配をもくろむデ・ノモロスはそれが気に入らない。ビルとテッドを抹殺すべく、ふたりにそっくりなロボットを電話ボックス型タイムマシンに乗せて過去=現代に送りこんだ。
現代のビル&テッドは、『大冒険』で中世のイギリスから救い出したお姫さまふたりとラブラブ。ロックバンド「ワイルドスタリオン」を組み、ライブ目指して練習の日々。ところが、ひょっこり現れた悪ビル&テッドにあっさり殺される。霊魂となったふたりを待ち受けていた死神(ウィリアム・サドラー)に連れられ、地獄へと旅立つふたりだった・・・


やっぱおもしろいなあ。やっぱりキアヌの代表作はこれしかないね(笑)。
いかにもバカっぽくて底抜けに人がいい、という役が、あまりにもうまい!
この「テッド」が、後年ブッダやら救世主やらを演じちゃうだなんて。

ツーカーの仲(って言い方古い?)のビルとテッドは、死んでも、地獄へ行ってもめげることがない。地上にもどるため死神と戦っても、あっさり勝ってしまう。

この敗北以来ふたりに忠実になる死神(ウィリアム・サドラー)が最高に笑えます。
天国に入るために女装で変装する死神なんて、見たことあります!?

『ゴースト ニューヨークの幻』や『エクソシスト2』、『天国から来たチャンピオン』、『フルメタル・ジャケット』などなどのパロディも楽しい。

でもただのB級コメディじゃあありません。地獄や天国のセットはすばらしく豪華。プロダクション・デザインに力が入っています。『ビートル・ジュース』の頃のティム・バートンっぽい雰囲気があるのよね(『カリガリ博士』の影響もあるらしい)。

オチは、前作『大冒険』のタイムパラドックスが関係してくるので、それを観ていないと完全にはのみこめないんですが、逆にこれを観て『大冒険』も観てみたくなります。

エンドロールもセンスがいい。有名になったビル&テッドのその後を、新聞のヘッドラインや雑誌の表紙で見せていく。ロックグループにつきものの「不仲説」とかもちゃんと出てくるのが笑える。

".....NOT!"、"No Way!"、"dude!"、"Babe"、"Excelent!"などのボキャブラリーや、主役コンビが時々妙に礼儀正しいところなど、どう考えても『ウェインズワールド』がパクッ・・・影響を受けていると思われる(笑)。どっちも好きだけど、『ビル&テッド』を観てみると、こっちの方がキッチュでいいかも・・・。

前に『太夫才蔵伝』の記事で、「(お笑い)コンビというスタイルは日本独特では?」と書きました。でも、アメリカでかつて活躍したローレル&ハ-ディ、アボット&コステロ、ルイス&マーチンといったコメディアンたちは、かなり長期にわたって固定的なコンビとして人気をはくしていたようです。

その後は、継続的に「コンビ」として活動する芸人はいなくなりましたが、映画やドラマでは、バディ・コメディ、バディ・アクションの歴史が連綿と受け継がれている。ビル&テッドもその系列です。
バディ・コメディ万歳!





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