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「となりのサインフェルド」の熱烈なファンである、ということを、このブログでも何度か書いてきました。
参照記事
となりのサインフェルド
ついに制覇「となりのサインフェルド」
「となりのサインフェルド」は90年代にアメリカで放送されたシットコム。最終回が放送された晩には町から人の姿が消えたというほど、絶大な人気をほこった番組です。日本でもWOWOWで放送され、たしか第3シーズンまでDVDが出ています。
ドラマの解説と魅力については、上にリンクした過去エントリーにくわしく書いていますので、興味をもたれた方はそちらをお読み下さい。
今日とりあげたいのは、このドラマの主演で制作者のひとりでもあったジェリー・サインフェルドが、2012年からスタートしたインターネット・ショウComedians in Cars Getting Coffeeです。
実を言うと、この番組の存在を、今日偶然知りました。もう1年以上前からスタートしていたのに!知らなかった自分を、大いに反省中・・・
しかし、何事も遅すぎるということはない。発見できたのですから、喜び勇んでさっそく見てみました。
サイトをごらんになるとわかるように、実にあっさりとした、プレーンなレイアウト。コンセプトも、おなじくあっさりしてる。毎回ジェリーが仲良しのコメディアンを1人か2人誘い、そこらへんの食堂へ行って、サンドイッチかなんかを食べ、コーヒーを飲みながらダベる。ただそれだけ。
尺は、11分くらいから20分ほどのものまで、その回の内容によってまちまち。とてもタイトな編集がされています。
このネット・ショウが、非常に評判が良いらしい。
やっていること自体は、ほんとに何でもない。コメディ論をたたかわせるわけでもなく、シリアスな話をするでもなく、どうでもいい雑談をしばらくやって、それでおしまい。
じゃあ、何がおもしろいのか。ゲストのキャスティングです。
リッキー・ジャーヴェイスや、アレック・ボールドウィン、クリス・ロックにセス・マイヤーズと、コメディ界の重鎮や超一流選手たちが、そこらへんの食堂で、サインフェルドとごはんを食べてる。プライベートに限りなく近い顔を見せつつ、だからこそ逆に画力もあるわけです。
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よく見れば、映像の作り方はかなり凝っています。キャメラは最低3台は使っているし、高画質の美しい映像で、さっきもふれましたが編集がうまい。毎回、ゲストに合わせた超レアな高級車に乗ってジェリーがあらわれるのも、自動車ファンには興味あるところでしょう(彼は大のクルマ好きで有名)。
いくつか見たエピソードの中で、特におもしろかったのが、カール・ライナーの回でした。カール・ライナーは映画監督/俳優で、『四つかぞえろ』『2つの頭脳を持つ男』など、スティーブ・マーティンの傑作コメディを撮った人。息子はロブ・ライナーです。
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御年90才でまだまだ若々しいカール・ライナー。大師匠相手に、さすがのサインフェルドもスーツ姿でやって来る。しかしこのエピソードがすごいのは、なんと後半に、メル・ブルックスが登場すること!カール・ライナーとメル・ブルックスは、50年来の大親友らしい。
レジェンドたちのダベりの会に参加したくなったサインフェルドは、その晩ライナー邸を訪れる。メル・ブルックスがすでに来ていて、エネルギッシュにあれこれしゃべりまくる(『ヤング・フランケンシュタイン』のロゴ入りジャンパーを着ている!)。
『ブレイジング・サドル』や『プロデューサーズ』など、ブルックス作品の信じがたい裏話が、ぽんぽん飛び出す。86才のメル・ブルックスは、いまだにコメディ・クラブへせっせと通っては、若手のスタンダップのネタを見るという・・・
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もしかしたら、十代、二十代のアメリカの若者には、ジイさんたちの古いジョークなど興味ないかもしれない。でも、アメリカの(しかもユダヤ系アメリカ人の)コメディにすこしでも関心のある人にとっては、これは永久保存版の貴重映像です。
前置きが相当長くなりましたが・・・
この番組を観ていて、わたしは思った。こういうものをこそ、とんねるずにやって欲しいと。
いや、確かに、もうすでにやっているとも言えます。毎週日曜0時50分から放送の「リシリな夜」(TBS)。毎回各界から多彩なゲストをまねいて、タカさんとディープなトークをくりひろげている・・・らしい。関西圏の放送はないので、わたしは見ることができませんが。あるいは、「木梨ガイド」なども、コンセプトとしては同じだった。
ジェリー・サインフェルドとの違いは、ジェリーの番組がコメディアン限定のゲストであること。そして、もっとも大きいのは、ネットとテレビという違いです。
客観的に見て、ジェリーの番組の方が、より自由で、より濃い内容を作ることができている、というのは、いかにテレビ好きのわたしでも、否定のしようがない。
番組時間を自由に変えられるという点、テレビでは呼べないようなキャストを実現することができるという点、そして、ネット環境さえあれば、世界中のどこからでも、誰にでも見てもらえる、ということ(英語字幕を選択することができるようになっている)。
各エピソードには、コメント欄や「いいね!」ボタンはないので、必ずしもインタラクティブとはいえません。そのかわり、番組を見るためにわざわざ会員登録をしたり、課金をされたりといった面倒な手続きも、一切ない。
たぶんジェリーの番組は、予算もさほどかかってはいないでしょう。いまやジェリー・サインフェルドは、アメリカ有数の億万長者なので、別に番組で稼ぐ必要もない。まあ、財産があろうとなかろうと、本質的にがつがつしないキャラのコメディアンではあった。その余裕が、うまく作用した番組になっているわけです。
50才をすこし越えたばかりのとんねるずは、お笑い界で大御所と言われつつも、年齢的にはようやく若手とほんとの大御所との中間あたりの位置に来ています。
彼らがこれからのとんねるずをどんな方向に進めようとしているのか、わたしには正直まったく見えませんが、サインフェルドと同じく「がつがつしてない」のは、たしかだと思う。
そんな彼らなら、お笑い界の大先輩たちとシンプルに対話し、それを記録すること、あるいは有望な若手や同世代との対話を記録することができる、ちょうどいい時期に来ているんじゃないか(先日の「テレフォンショッキング」での“タモリいじり”を見ても、それはよくわかる)。
そしてそれを、テレビという媒体の、キュウクツで古臭い縛りを越えてやってみることが、いまの彼らなら、できるような気がするんです。
正式な呼称があるんだと思います・・・
YouTubeやニコニコ動画で定期的に発信してる人はすごく増えてますね。
テレビにかわるものになるかどうかは、わかりませんけれど、
面白いものがたくさんあるのも事実なんですよね。
だけど、頭痛に風邪、だいじょうぶですか?
楽しくなければテレビ/ネットじゃない!ってことで、
どうぞくれぐれも無理されませんよう・・・