ナレーター・アナウンサー養成塾

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アナウンサーが褌一丁に・・・

2005年08月29日 | Weblog

熱海殺人事件の熊田刑事役で舞台に立ったのは、局のアナウンサーを辞めて3年ほど経った頃でした。私達の劇団は、役者が6人程度の小集団でした。少人数だからこそ、私なぞが舞台に立つことも出来たのですが・・・。当然、小屋の借り賃、照明、音響、その他大道具小道具などなど、私達出演者の負担です。あの当時で、300万円くらいはかかったかと思いますが、チケットを売って賄う。当然、招待客分と売れ残りは自分の負担です。局アナ時代の仲間に、それは沢山来て貰いました。で、その仲間達の驚くまいことか・・・あの真面目印象の伊藤が、人前で褌一丁になっている!・・・自分としては、格好を考えているわけには行かないので、開き直って芝居に没頭です。間合いとか、呼吸とか、強弱とか、とても勉強になりました。熱海~の前にも戯曲をやっていて、そのときは牛乳瓶底のメガネをかけた半ズボンの少年役。これはメガネをしている分、楽しんでやれた気がします。熱海~はそうは行きません。演出(声優の先輩)に、どやされながらの稽古の毎日。でも、公演の時には吹っ切れており、良い芝居になっていました。その頃からでしょうか、少しずつナレーションの仕事が増えてきたのです。自分では、どのように変わったのかハッキリとはわかりません。ひとつだけ気づいた事で言えるのは、頑張らなくても大丈夫になったことでした。頑張るとどうしても力が入る、力が入るとどうしても自由さに欠ける、自由さがないとつまらない読みになってしまうのです。聞いている人を引き付ける読みとは、聞いている人の心を動かす読みとは、一体どの様なものなのか・・・その頃から試行錯誤が始まりました。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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