ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

ネットと放送の融合に備え・・・④

2005年11月27日 | Weblog

生き残りを賭けたチャンとした喋りの要素を身につける、という話をしました。前回お話した残りの50%・・・チャンとやらないことです。エッ?てなりますよね。チャンとやるというのは、前回お話したように「アクセント」「発音」その他の基礎的なものを正確にする必要がある訳です。そのせっかく身についたものを捨てる、というのではありません。基礎的なものを気にするあまり、自由な語りができなくなってしまう、その姿勢(構え)をしないということです。でも、それが難しい・・・。私たち日本人は小さい時から、人前では「おとなしくしなさい」とか「キチンとしなさい」と言われて育ってきました。つまり、人の前では何もしないようになっているのです。それがこの職業を目指したとたんに、表現することつまり何かやること・・・そう、キチンとしないことを要求されるのです。ということは、それまでの自分と戦わなくてはならなくなるのです。しかし、その戦いはそれまでの自分に身についた基礎力の応用です。地道に努力すれば、ある程度は可能と思っています。具体的には別の機会に・・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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ネットと放送の融合に備え・・・③

2005年11月21日 | Weblog

チャンとした喋りって?・・・標準語と良く言いますが、私達の世界では標準ではなく共通語と言っています。というのは、日本語に標準はないからです。一般的にいう標準とは、例えば大きさとか長さといったサイズを表すものや、スピードとか重さといった記録を表すものに存在しています。標準といわれる数値の上下や左右は「標準より~だ」となってしまい、標準との違いが問題視されてしまう場合があります。日本語には、そのような標準になるものがありません。東北弁も九州弁も、チャンとした日本語です。東北弁で話しても九州弁で話しても、当然何の問題もありません。ただ、九州の人が東北弁で話しかけられた場合、同様に東北の人が九州弁で話しかけられた場合、理解が難しいというだけです。では、どのようにすれば全国の日本人がどこでも理解できる言葉はないものか・・・となって考案されたのが共通語といわれるものです。経緯は略しますが、東京の言葉をその共通のものとしよう、となったのです。東京でも方言はあるので(これについては次回以後に・・)、それらを除いたもので、下町でも山の手でもない中間の場所のものが選ばれたということです。それが、例えば私達のバイブルになっているアクセント辞典の礎になっているのです。チャンとした喋りには、まずその共通語を話すことが概ね出来ている必要があります。でも、それだけではチャンとした喋りの50%です。残りの50%は・・・また次回に。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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ネットと放送の融合に備え・・・②

2005年11月14日 | Weblog

今年も残すところ、1ヶ月半になりました。ここまでの今年を振り返って、ナレーターとしての仕事内容を見てみると、ニュース番組、テレビコマーシャル、医療関連ビデオ、その他ビデオといった順でしょうか。ここ数年で、ラジオの仕事が極端に減っています。フリーになったばかりの頃は、しょっちゅうラジオCMの仕事がありました。20代から30代、さらに40代まではCMナレーションの仕事の半分はラジオ。加えて番組を担当した時もありましたから、喋りの仕事の多くの部分をラジオが占めていた様な気がします。40代半ば頃から、つまり今から10年ほど前頃からラジオの仕事がめっきり少なくなってしまったのです。10年前と言うと1995年、ウィンドゥズ95が出現した年です。つまり、インターネットにラジオの(番組や広告の)予算が奪われたのではないか、という想像がつくのです。インターネットの進歩は急激で関連企業が様々な分野に進出、その最たるものが先日来のTBSをめぐる買収・統合騒動な訳です。では私達ナレーターは来るべき時代に備えて、どの様に心構えを持ち、どの様な準備をしておくべきなのか。結論から言うと「正しい日本語」に基づく「チャンとした喋り(ナレーション)」を、確実に身につけておくということが必要かと思います。キャラクターではない、わざとらしい作ったナレーションでもない、自然体でのナレーション。それが最も難しいのかも知れませんが、それだけ最強の備えになるのです。具体的にはどうすれば良いのか?・・・それはまた次回。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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ネットと放送の融合に備え・・・①

2005年11月08日 | Weblog

放送局がIT企業に買収されるとか、両者で統合するとか、ここのところインターネットと放送の融合について様々な出来事がおきています。インターネットはウィンドウズ95の出現以来、圧倒的な早さで世の中に浸透してきました。ご存知のように、今では映像も簡単に見られるところまで来ています。しかも、画質もテレビと比較しても遜色のない状態です。つまり、テレビ放送がそのままインターネットで放映されることも十分可能な訳です。それに対し放送は、戦後の復興とともに約50年の歴史を築いてきました。当初は録画技術もなく、全てが生放送。次第に技術が進歩し、まもなく全てデジタル放送へ移行するところまで来ました。その二つの業界の融合・・・現状では放送側の抵抗が強く、少々難しそうです。ただ各放送局がネット事業に取り組み始めたことを見ても、近い将来避けて通れない問題であることは確かです。ということは、私達もその時に備えて武装しておかなくてはならないのではないか、ということです。それは一体どのような武装か?・・・それは次回に。

 

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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ナレーターって何業界?

2005年11月04日 | Weblog

ナレーターという職業は、どのようなジャンルに入るんでしょう。製鉄や電機といった重大産業では、もちろんありませんよね。物を作る分野ではないんです・・・声を作っているけど・・・では、物を売っているのか、というとそうでもないようです・・・声は売っているけど。なんとなく、放送や広告の業界かな、とは思えます。それでも、ハッキリしている訳ではありません。番組ナレーションは放送の世界です。コマーシャルは広告の世界です。PR用ビデオ、これも広告かな?教育用ビデオは広告ではないんじゃないの・・・教育だから・・・サービスか?な。何か買った時に付いてくるCDとかDVDでのナレーション・・・これは何だろう?なんだか、あやふやだなぁ。私は私の仕事を、以前から虚業だと思っているんです。実業というのは、「形のあるものを作る」とか「物を売買する」とか「サービスを提供する」とか、何か形が見えるんだなぁ・・・でしょ?実のところ、あやふやな仕事なんですよね・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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