ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

母音の続き

2012年07月23日 | Weblog

目の前の人にはさほど大きな声で伝える必要はなく、したがって自由に言葉が動かせる事は前回述べました。では大勢の人に言う場合はどうでしょう。大きな声で張り上げることになりますよね、その場合の言葉の音の動きは高い方にばかり集中しがちです。いわゆる“演説”型です。それは話し手の必死さは伝わりますが、肝心の話の中身が解りやすいかどうかは疑問です。しかし、大きな声で音を動かすことができれば、大勢の人にも話の中身の理解は進むと思います。ナレーションは、それと同じです。相手にしっかり届く声を、自由に動かす事が出来れば、様々な原稿(内容)にも対応が可能となるでしょう。で、問題は、それはかなりの鍛錬を重ねなければ難しいということです。楽器としてしっかりとした声が出せること、その楽器を自在に使いこなすこと、さらにその鍛錬をすると自身に足りないもの(声)が見えて来て、それを解決する方向に持って行かなければならないのだ、ということもわかってくるのです。これは若いうちが最も有効である、と言うことも付け加えておきたいと思います。

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母音

2012年07月14日 | Weblog

ナレーションでは母音が重要な役割を果たすことは、これまで何度も述べたかと思います。その母音ですが、“出るようになる”だけではあまり役を果たしません。聞く人の予測の外に運ぶことができれば、大いにその役を果たすのですが・・・。どういうことかというと、まず「会話の時」と「読みの時」の違いを考えてみて下さい。「会話の時」は、次に口から発する言葉は前もって用意されている訳ではなく、発する直前に思いつくものです。それに対し「読みの時」は次の文言が用意されており、当然のことながら目に入ってきます。で、読みの勉強をすると、必ずと言って良いほど『先を読みなさい』と教わります。つまり次の文言は、前の文言を言っている時に既に口から出す体制が作られているのですね。そうなると、前の文言の最終音から大きく逸脱することが難しくなるのです(…わかるかなあ?)。しかし「会話の時」には、しょっちゅう逸脱します。どうしてそうなるのかと言うと、次の文言を前もって用意せずに、その時その時で口から発しているから、どこにでも自由に運べるのです。ただし会話というものは、目の前やすぐ横にいる人に向かってのものが多く、音を大きくする必要がありません。そうです、小さい声なら大きな表現、大きい声だと小さな表現になってしまうのです。大きな声で大きな表現をするためには、それなりの鍛錬が必要になるのですが・・・続きは次回以降に。

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