ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

二日経ちました・・

2010年10月28日 | Weblog
さて、どうしたら怪我をせずに、満足した状態で声を出し続ける事ができるのでしょうか。一般的な怪我を考えてみれば理解は早いと思いますが、例えば…転んでしまい、腕をコンクリートの地面に擦りつけ、皮膚に擦り傷を負ったとしましょう。初めはうっすらと血が出ますが、その血が止まってしばらくすると、カサブタが出来ますね。その状態は、体が一生懸命に傷を直そうとしている過程であり、最終的にはカサブタを棄てて新しい皮膚が生まれることになります。声も同じなのですが、違うのは“声帯”は皮膚ではないことと、いつも使う(動いてしまう)ものだということです。皮膚ではないので、カサブタができることは一般的にはありませんが、ひどい状態が続くとカサブタもできます。話すという動作はないのですが、どうしても喉に異物感があるために咳をしてしまいます。それは話すのと同じこと。また、呼吸の際に動いてしまうこともあります。治すのは、なかなか難しいのですね。実は、一度(普通は)枯れるほど声を使ってしまうと、怪我をしたところがまた同じ状態になってしまう、つまり再発してしまいがちなのです。私も、そんな爆弾を抱えているのですが、それを出さないようにするのにはどうしたら良いのか・・・それは、若いうちにその状態を経験し、危険ラインを認識しておき、常にそのラインを越えないように仕事にあたるのです。「えッ、それじゃ手抜きじゃん?」と思いきや、鍛錬で100%の力量を持っていれば楽にやって80%になる、という理論です。そもそも本番で100%の結果は、めったに出ません。でも鍛錬(練習)なら、100%はおろか120%も可能です。その力量を、若いうちに身に付けておければ、後は楽にやる(手を抜くのとは違います)・・・これが私の、いい加減ナレーション手法です。いい加減=良い加減、これは車のハンドルに必要な“遊び”のようなもので、無ければ事故につながってしまうのです・・・今も、私は声帯の左側に違和感を感じながら・・・。

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チョイと遅れました・・

2010年10月26日 | Weblog
二日後と言いながら今日になってしまいました・・すみません。さて発声の続きです。私が本格的にしゃべりの勉強を始めたのは、大学のアナウンス研究会に入ってからです。当時はナレーターという職業がまだ世には認識されていないので、当然のことながらナレーターを目指すということもありません。アナウンサーを目指して、アナウンス技術の鍛錬をする毎日でした。毎年夏と春に合宿がありましたが、私は夏の合宿で声を少し枯らした経験があります。海辺で発声練習を長時間行ったため、潮風にやられたこともあり、短時間で枯れ出しました。この時はその時点で練習を中断したのですが、三年生の時に飲食店の呼び込みのアルバイトをした際、この時は完璧に枯れました。どの様になるかというと、上野のアメ横の叩き売りのオジサンの声です。それからアナウンサーになってからフリーになるまでは、声が枯れることはありませんでした。フリーになり芝居の世界に飛び込んだ際、舞台に立った数日間は見事に枯れました。その後はレース中継の仕事に就いた際の、絶叫中継時にも・・・。こんなに多くの機会に“声を枯らす”という経験に“恵まれ”ました。その間に覚えた事は、どのくらいやれば自分の声は枯れるのか、ということです。『声が枯れる』というのは、声帯が怪我をした、ということ。軽ければ擦過傷、重ければ裂傷です。後者になると、出血を見る場合があります(私は出ます)。それは裏返せば、確実に声帯に息が当たっている証拠にもなる訳です。では、大怪我にせずに仕事をこなして行くためにはどうしたら良いか・・・それは、今度こそ二日後に・・。

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発声について

2010年10月22日 | Weblog
声を出す職業の人、基本は『発声』です。人間というもの、身体の作りは千差万別。体の大きさ、横幅、前後幅、肩幅、胴長、足長、加えて頭の大きさ、口腔の大きさ、舌の長さ・厚さ・幅、唇の形容、また骨格のあり様などなど・・・。肝心なのは、吐き出した息(呼気)を効率良く声(音)にするかということと、その声を持って生まれた身体でどれだけ共鳴させるか、ということではないかと考えています。声については以前にも述べたことがありますが、声帯を使って出すものは“母音”しかありません。つまり、声=母音です。その他は、子音と母音が合体して出来上がっているもので、子音は声帯を使ってはいません。もうひとつ『ん』、これは響きのみの音です。これで、日本語の五十音全てをまかなっています。ということは、発声=母音を出す、ということになりますね。第一段階として、効率の良い発声が必要になると考えられます。いかにして声帯を酷使せずに、表現の幅を確保する声量を保つか、これを解決すれば効率の良い発声になるでしょう。もう少し細かい話は、二日後に・・・。

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唯一&随一

2010年10月15日 | Weblog

今朝のテレビ番組での出来事。
女性ナレーター(局のアナウンサー)が、随一を“ずいいつ”と読んでいたのです。
おそらく“唯一”と混同してしまったのでしょうが、収録番組ですから取り直しが出来たはずです。そのままONAIRされてしまった、ということは収録時のスタッフも、MA(最終的な映像と音との完パケ作業)終了後のプロデューサーチェックでも、誰も気が付かなかったということです。
私の携わっているニュース番組では、読み手のナレーターが最終の砦の存在になっています。ここで間違っていたら、そのままの状態でONAIRされてしまうのです。年齢や立場にかかわらず誰でも、おかしいと思ったら必ず「?」のシグナルを出す方が、最終的に間違いをより少なくする方策でしょう。もちろん、完璧というのは無理なのですが、出来るだけ間違いを少なくする姿勢が、良い番組を作り出すことにつながって行くような気がします。

「ナ
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悲しい知らせ

2010年10月06日 | Weblog

神様が召されたのだとしたら、あまりにも残酷な神に違いない!私の大事な友人のひとり、西山平夫氏が急逝しました。肝細胞癌だったそうです。誕生日が私と約二週間違いの57歳、若すぎます。いつも「へいチャン!」と呼んでいたので、ここでもその様に呼ばせて貰いますが…。へいチャンに初めて会ったのは今から約30年前、その頃スタートしたばかりの場内FM放送のレース版“Pit-FM”の実況アナウンサーと解説者としてでした。御大(今はへいチャンがそう呼ばれているらしい)の館内端氏の代役でやってきた彼は、何人かの解説陣の中で正統派の口でした。解説にはメカ派(どちらかというとマシンに強い)と人間派(どちらかというとドライバーに強い)の2タイプがあり、前者は館内氏や最近はEV本の第一人者である御堀直嗣氏、後者はへいチャンや赤井邦彦氏がそうでした。そうは言っても全員が何でも良く知っていて、当初全くの素人だった私は皆さんに助けて貰ったものです。大きく違ったのは“性格”です。初めの頃こそ私の質問に答えるだけだったのが、慣れて来て色々と遊びを覚え出したのです。わざと逆説を唱えてみたり、過ぎた冗談を言ってみたりと、それはもうヤンチャ坊主のよう。修正役としての私は、心が汗だくでした。私の実況も、平凡を嫌ってわざと脱線を狙って行くようになって来たのですが、それが出来たのもへいチャンのおかげと思っています。生来の競争好きなのでしょうか、競馬に熱をあげていたへいチャン。そのことは、あまり知られていないかもです。私の持っている予想ソフトの予想を、大レースの度に楽しみにしていました。もちろん、海外を転々としている時にも催促のメールが届きます。今年6月の末に、そんなメールのやり取りをしたのが、最後になりました。「体調不良でカナダGPはスキップです、誰にも内緒だけどね・・」と。

へいチャン、ほんとに有難う!あなたとは、とても楽しい付き合いでした。レース中継で知り合った仲間の行く末を、天国から見守っていて下さいますか?お願いします・・・お疲れ様、そして、さようなら。

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