ナレーター・アナウンサー養成塾

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同音異義語

2015年08月16日 | Weblog

同じ発音でも意味の全く違うものを「同音異義語」と言いますが、私のような仕事をしている者にとっては、最も気を使うものの一つです。何に気を使うかというと・・・それはアクセントです。アクセントによって意味を言い分けて(聞き分けて)いるものもありますが、意味は違うのにアクセントも同じものが結構あるのです。アクセントが違うものは、例えば「拝啓」と「背景」、「商品」と「賞品」、「亀」と「甕」、「帆」と「穂」、「音」と「恩」・・・などなど。アクセントも同じものは、例えば「唾」と「鍔」、「紙」と「髪」、「指揮」と「四季」・・・などなど。間違えてしまうと、視聴者の皆様の「違うぞ!!」という声が聞こえてきそうですので、慎重に判断しています。気を使う、というより厄介なモノの一つですね・・・。

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これも業界用語の一種

2015年08月12日 | Weblog

日本語のアクセントは「音の高低の変化」で成り立っています。つまり、一つの音節・・・空→ソラ→「ソ」と「ラ」が各々一つの音節で、空は二音節ということになります・・・の音の高さが“高い位置”か“低い位置”によって構成され、その型は「平板型」「頭高型」「中高型」「尾高型」の四種類に別れています。これは、所謂“共通語”のアクセントの話で、各地方で使われている言葉には、また別の法則があります。“共通語”とは東京弁を指す、と思われがちですが決してそうではありません。大枠では、「東京を中心とした関東弁」が共通語ではないか、と私は考えています。共通語・・・標準語ではありません・・・全国のどこでも通じる日本語、という意味ですから、東京方言の存在する東京弁とも違うのです。

少し話はそれますが。先日、甲子園の高校野球の結果をニュースで報じていました。アナウンサーが「~選手が、右におっつけるうまいバッティング~」と伝えていました。原稿のままに読んだのでしょうが、「おっつける」は共通語ではありません。共通語では「押しつける」です。しかし、野球の世界では「おっつける」で「押しつける」ではありません。「おっつける」は東京方言ではないかと感じています。プロ野球の現場で使われていた言葉が、中継でアナウンサーや解説者が使うようになり、「右におっつける」という表現が世間に広まったのではないでしょうか。野球をまったく知らないアナウンサーだったら、ひょっとして「おしつける」と直して読んだかも知れませんね・・・(笑)。

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