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おかしな日本語

2013年03月17日 | Weblog

年齢のせいか、どうもテレビから聞こえてくるナレーションの“おかしな日本語”に、首をかしげることが多くなりました。「~出来なさそうです・・・」って、日本語かい?最近の若者中心に使われていますが、他にも「売れなさそう・・・」「来なさそう・・・」「取れなさそう・・・」といった具合に『~なさそう』の間違った使い方が蔓延しています。リポーターが使っているのは気になっていましたが、テレビでも、とうとうナレーターが使っているのに遭遇してしまいました。ナレーターが使う、ということは台本がそうなっていた、ということ。基本的な日本語では、「出来そうも(に)ない・・・」「売れそうも(に)ない・・・」「来そうも(に)ない・・・」そして「取れそうも(に)ない・・・」となるはずです。つまり、まずは動詞「出来る」「売る」「来る」「取れる」を、「~そう」と肯定判断してから「ない」と否定するのが正常で、初めから否定したもの「~ない」に「~そう」を続けることはありません。「無い」と単独で意味を持つ場合は、「無さそう」という使い方があり、その使い方から拡大解釈して使いだしたのではないかと考えます(私見ですが)。もう1つ「おぼつかず・・・」という日本語もありません。「おぼつかない」というのは、「おぼつかな」という形容詞で、「~ない」という否定語ではありません。「少ない」や「汚(きたな)い」というのと同じで、「少なず」「汚(きたな)ず」とならないのと同じです。某有名俳優がナレーションで使っていました。台本にある日本語の間違いを指摘するのも、ONAIRまでの最後の砦としての役割を持つナレーターの仕事ではないか、と痛感している今日この頃です。

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