ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

自己責任

2011年07月26日 | Weblog

ナレーターというのは、存在が実にあやふやです。本来の仕事が俳優だったりアナウンサーだったり、また歌手だったりお笑いタレントだったりDJだったりして、現在は「ナレーターの仕事をしている」という人が多いのではないでしょうか。そんな様々な生い立ちの皆さんが集って仕事にあたる毎日のニュース現場、アクセントについて尋ねられることも多々あります。一応は私の判断で「私はこう言ってますけど・・・」として伝えています。『聞くは一時の恥、聞かざるは一生の恥』とは昔から言うものの、どのアクセントにするかは最終的には自分で判断すべきものでしょう。いくら私に聞いても、間違っていたら自分の責任です。アクセント辞典が絶対ではありませんが、目安にはなります。そして、法則については附録の個所にいろいろと書いてあります。こう言っては何ですが、今の若手の皆さん、そこまで研究する人をあまり見かけません。ナレーションが本当に好きならば、面倒なことも楽しいものです。今ある力量や知識だけで仕事にありつけると思ったら、それは大間違い。オリンピックに出てメダル争いをするくらいのを身に付けないと、仕事は来ませんよ。努力の中に「理論的な知識を学ぶこと」これも入れて、日々の鍛錬に励んで下さい。

「ナレーター・アナウンサー養成塾」主宰:ナレーター伊藤英敏

塾に興味のある方はこちら・・・http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/

質問や見学の申し込みなどはexpert@mars.dti.ne.jpまでどうぞ。


傲り・・・

2011年07月19日 | Weblog

サッカー女子W杯での“なでしこJapan”の優勝、本当におめでとうございます。テレビ・ラジオはどこも、昨日も今日も、朝からその話題で持ちきりですね。大震災以来の沈みがちな雰囲気に、爽やかで大きな喜びを私達に与えてくれた“なでしこ”達には心からお祝いを言いたいと思います・・・ところが!!・・・昨日のニュースは当然、“なでしこ”の優勝を称える内容のものばかり。その中で、大きな失敗をしでかしました。鮫島選手の名前を「さめま」と連呼してしまったのです。鮫島(さめしま)選手、ごめんなさい。もちろん事前に名前の確認はしましたが、そのまま通ってしまったのです。早朝の決勝戦を見ていたとはいうものの、選手の正確な名前までは把握していなかった私。そこに、仕事に対する傲り(おごり)の気持ちが無かったか、自分なりに検証しました。良い成績を残してほしいとは思っていましたが、前半の流れを見て正直言って厳しいと思っていました(失礼!)ので、中途半端に情報を拾っていたのではないか。夕方までは時間があったのだから、それまでに名簿を確認できたはず。その他にも士気が落ちる、つまり今一つ仕事に向かう気持ちに欠ける要因があったのですが、それらは全て言い訳になりますね。事実は「さめしま」を「さめじま」と言ってしまったこと、それだけです。ほんの少しの姿勢の違いで失敗を阻止できたものを・・・“なでしこ”の、何度リードされてもあきらめない姿勢とは真逆のもの、と大反省です。

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若年層のアクセント・・・③

2011年07月12日 | Weblog

アクセントの話です。近年の傾向の一つに、形容詞の起伏型アクセントの変化に、以前には無かったものが蔓延しています。「長い」「広い」「早い」「暑い」「高い」といった言葉が、「~く」と変化して「長く」「広く」「早く」「暑く」「高く」となった時に、「ナク」「ヒク」「ハク」「アク」「タク」と発音する傾向が見られます。これも、若者アクセントの一つと判断していますが、影響されてか年配の方もその様に発音する方を見かけます。おそらくですが、この延長線上で「ナガク」「ヒロク」「ハヤク」「アツク」「タカク」という平板型が誕生してしまったのではないかと考えています。「暑くない?(アツクナイ)」という、完全な若者アクセントです。このアクセント、年配の方には『とても嫌』とおっしゃる方もいます。放送局のアナウンサーでも同様の現象が見られますが、どうしたものかと思っています。現時点では「アナウンサーとしてナレーターとして、そのアクセントは使わないように」と言えますが、その若者型が近い将来に蔓延した時、私の方が変なことを言っている事になりそうです。アクセントの歴史を振り返ると、同じような変遷を経た言葉が多々あるのですが・・・。

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情けない発言の出自

2011年07月06日 | Weblog

大臣の発言で、またまた国会が紛糾しています。様々な言動について「上から目線」「被災者の心情を考えていない」と言われ、結局は辞任に追い込まれました。彼の人は、国会議員で解放運動に力を尽くした祖父(大伯父にあたる)、その養子に入った父親も国会議員という、いわば典型的な世襲議員。何故にこのような発言をしたのでしょうか?・・・言葉には、歳を重ねるにしたがって、その人のそれまでの人生が出て来るものと考えています。子供の時は自分の欲求(食べたい、眠たい、帰りたいなどの感情)を訴える手段として、物心がつくとそこに欲求を満たす為のテクニックが加わります。大人になり社会に出ると、先のこと(出世や金儲け、目先の目標)を考えた更なるテクニックを使いだします。それらの基本的な要素に、しがらみや好み、また本性などが複雑に絡んで、言葉を操るようになるということです。ということは、相手の気持ちを考えたり他人の置かれた状況を慮ったりするのは、人生の中で培われるものであり、そうなれば言葉もそれに則ったものが出て来るのです。決して、突然に身に付いたものを駆使している訳ではありません。では、彼の人はどうなのか・・・おそらく相手や他人のことを思う前に、自分のことを思う人なのでしょう。自分が先に部屋に入って待つのは嫌で、招かれなければ納得しないというのは、自分がいつも人を待たせているから。知恵を出さなければ云々というのは、常々金品を貰わなければ知恵を出さない人だからです。言葉に人間が出るというのは、こういうことを意味します。

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