2001年から制作協力をさせて頂いている山梨県甲府市にあるコミュニティ放送局のFM甲府。現在は土曜日の午後ワイド(生)に携わっています。この4月から、そのパーソナリティが交代することになりました。塾の教え子が担当しているのですが、今回が三代目になります。以前は数人で交代する日曜の番組もあったのですが、現在はこの一番組みのみです。これまでを振り返ってみていつも驚くのは、毎回担当した生徒が格段にナレーション技術が上達することです。FM甲府に送り込むのは、ほとんどがナレーションの勉強は初めての生徒。番組を担当して、普段の稽古の状況と違うことは「集中力が必要」だということではないでしょうか。マイクの向こう側の相手の存在を、しっかりと意識するようになるからでしょう。稽古の時というのは、その気持ちはあってもなかなか難しいものです。そうすると、しっかりした喋りができるようになるのです。例えば、天気予報やリクエスト葉書(メール)の紹介、曲の紹介などなど・・・。自分が喋っている相手が見えるか見えないかは、ナレーションにとっても重要なことです。ナレーションというのは“芸”でも“見世物”でもないと考えています。もちろん手持ちの技は必要ですが、それを見せるものではなく、その技を駆使して中身をしっかり伝えること、または最大限に楽しんで貰うことと思っています。そういう意味では、番組を担当して確実な相手を見据えて話す機会が得られることは、とても有意義なことです。さてさて、今度はどんな効果が現れますか・・・。
ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏 http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/