ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

継続は力・・・

2006年08月28日 | Weblog

平日の月曜から金曜までニュース番組に張り付いているせいか、CMの仕事が土日に入るケースが多くなったような気がします。昨日も夕方から、そのMAのためにスタジオに入りました。サンプルCDからご指名頂いたとのこと、スポンサーや広告代理店の皆さんの都合もあるのかも知れませんが、私の都合に合わせて頂いているとしたら、恐縮ではあります。今から25年ほど前に放送局のアナウンサーを辞してナレーションの世界に入ってきた当初は、自分の位置が良くわからずにいたような気がします。ただ目指したのは、他の人と同じではダメだろうと思ったので、大勢のナレーターとの差別化を図ることを考えました。他の人に出来ないこと・・・その当時、ナレーターとして活躍していた皆さんは、100%近くが俳優として活動されている方々ばかり。私は「アナウンサー」でしたから、その経歴を持った人は少なかったのを幸いに、例えば“実況中継”“司会”“ニュース”といったもの(そういう読み)をMAの時にこちらから提案すると、比較的多くのディレクターが面白がってくれたのです。一方では、キチンとした発音を礎にしたナレーションを気に入って貰うことも多くなっていました。それこそ、学生時代からの鍛錬のたまものです。“継続は力”という言葉は、実感として確かに私の中にあり、これは現役でいる限りは続くことかと思っています。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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キャラクターとは一体何か・・

2006年08月24日 | Weblog

今日は、私が創立から所属している大沢事務所の大沢塾の日。月に二回、約一時間半ほどですが、中堅・若手の意欲あるメンバーが対象の塾です。そこで時々上るのが“キャラクターとは・・”という話題。まだまだ駆け出しで若手のS君は、一音節ずつの発音を正確に出すことができません。そうすると、例えば「開発する」という言葉の場合、『kaihatsu』の『』の音がしっかりと出ないために、流れた発音になり『e』に近いものになってくるのです。それは、説得力や伝達力という点では及第点をとれません。しかし、いわゆる今時の若者の「責任を取らない」「ハッキリ判断しない」という雰囲気にはピッタリ合うのです。それは、一応彼のキャラクターということになるでしょう。では、私の教えているシッカリした発音や確実な言葉の力を彼が身に付けた場合、どうなるかというと・・・・キャラクターが変わってくるでしょうね。それはむしろ、本当のキャラクターが生まれて来たと判断したいと思っています。何故かというと、普段の会話で使う言葉も、おそらく「しっかりした」ものになっているはずだからです。普段使っている言葉こそが、本人の本来のキャラクターを表すものだからではないか、と私は考えています。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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アナウンスセミナー終了

2006年08月21日 | Weblog

山梨県甲府市にある山梨放送本社で三日間にわたって実施したアナウンスセミナーが、昨日終了しました。今年は20名(定員丁度)の申し込みで、直前キャンセルもあって結局17名の参加でした。大学一年生から三年生まで、参加者の内一名が静岡、一名が長野の出身で、その他は全て地元山梨の出身。ということは、地元の言葉(いわゆる方言)が大いばりで存在することになります。山梨というところは、いわゆる共通語と全く違う言葉も存在するのですが、今時の学生達の年齢層ではそれらの言葉はあまり使っていないようなので、その点はあまり心配していませんでした。しかし・・・山梨や静岡、長野あたりの方々に特徴のある「母音の無声化がない」現象、これが厄介でした。チョッと難しい話ですが、カ行やサ行、タ行、ハ行、パ行といった無声子音に挟まれた母音“”と“u”は原則として無声化する、という共通語の法則があるのです。例を挙げると・・・「北」と言う時に“kita”の“i”は声に出しません。「区画」の“kukaku”の最初の“u”も出さないのです。ところが、山梨ではそれらを有声で発音してしまう傾向があるのです。参加者の8割が苦手としていました。もう一つは、鼻濁音です。こちらは9割が苦手、個人差もあるので最悪は何度やってもダメ出しをせざるを得ない参加者もいました。文章理解度や見た目の印象などは、今年の参加者レベルは高かったと思っているのですが・・・・真剣に取り組めばアナウンサーになれるな、と思ったのは二名。相当頑張れば何とか、というのが三名程度はいたと思います。もちろん、それが誰かは私の胸のうちのみ・・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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アナウンスセミナー

2006年08月18日 | Weblog

今日から、山梨放送主催のアナウンスセミナーがスタートしました。午前中に基礎のさわりだけ講義して東京にとんぼ返り、午後から日本テレビの「Newsリアルタイム」の本番に臨むために汐留めへ。夜は、その中の「リアル目線」というコーナーのMA収録となっています。(今、その合間)ところで、昨日ONAIRしたその目線“ヤマビル”の話題が高視聴率を獲得、密かに喜んでいます。ニュースなので視聴率にこだわるのも変なのですが、やはりそこは人間、多くの方に見て頂いた方が嬉しいものなのです。今日は“ジョンベネちゃん”の最新情報と、“サマンサタバサ”の話題。全く色の違う内容なので、自分自身でも意識を変えて臨みます。といっても、わざとらしいのは嫌いなので自然体の変化(というより変身)を心掛けています。今日の“サマンサ・・・”では、半年以上前から温めていたという記者(ディレクターでもある)のこだわりがあって、私の遊びは大きく使うことはできませんでした。少し丁寧に、少し上品さも入れて、という印象の指示。おそらく記者本人がこのニュースを温めているうちに、情が移ったのではないかと思い、収録後に聞いてみると、「へへへ・・」と笑ってましたっけ。図星だったかも。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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鼻濁音

2006年08月15日 | Weblog

盂蘭盆会、いわゆる旧盆ですが、最近は迎え火や送り火を見ることも少なくなりました。このお盆もそうですが、日本の年中行事には様々なものがあります。お正月、桃の節句、端午の節句、七夕、七五三・・・・などなど。暦を見れば、沢山の行事と出会うことができます。そんな時に、日本の行事の呼び名は「鼻濁音」が多いなぁ・・・と、ふと思ったのです。「お正月」の“が”、「端午の節句」の“ご”、「七五三」の“五”、と全て鼻濁音です。しかし、現代は鼻濁音があまり使われていないのが現状です。鼻濁音にならないと、「端午」はアルゼンチンタンゴのタンゴに、「七五三」はただの7と5と3になってしまいます。鼻濁音というのは、ただ単に鼻にかかっているわけではなく、言葉の意味を掌っているのです。例えば・・・「小学校」は鼻濁音にすれば、皆さんが一年生から六年生まで通ったあの学校のことになりますが、鼻濁音にしないと、単純に小さい学校という意味になってしまうのです。中学校も同様です。一方で、銀行は前に固有を示す名称がついても鼻濁音にはなりません。「みずほ銀行」「りそな銀行」という時、濁音のままです。これは銀行という言葉が共通で、名称のみが固有の意味合いを持っている場合は、鼻濁音にはならない・・・解り易く言えば“みずほ”“りそな”だけでも通じますよね、そういう場合です。「株式会社」「有限会社」の場合は、鼻濁音です。“株式”“有限”だけでは、会社の存在がなくなってしまい本来の言葉の意味のみになってしまいますね。つまり、一つの意味合いを持つ言葉として成り立っているものは全て鼻濁音に、そうでないものは濁音で発音するという法則があるのです。『七五三』『お正月』といったものは、日本伝統の行事で、それぞれの行事の中身を表している言葉なのです。鼻濁音・・・・使って欲しいなぁ・・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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10月生を募集します。

2006年08月05日 | Weblog

早いもので、今年も8月に入ってしまいました。今月は私の古巣(25年も前の話なので相当古い・・・)山梨放送で、恒例になったアナウンスセミナーの講師を務めることになっています。私の担当は「基礎」。それ以外はニュースやナレーション、そしてフリートークといった内容で、20人限定。まもなく満杯と聞いています。対象は、これから局のアナウンサー試験を目指そうという方で大学三年生が中心ですが、中には既卒の方もいますし、昨年は高校生もいました。で、具体的に何を教えるのか、というと・・・発声と発音・滑舌です。私自身が、31年の喋り屋人生で最も大事なのが“基礎”だと思っているのです。若い時は、徹底して鍛錬しました。朝から晩まで声を出す、なんてのは当たり前。①毎日の通学の際、また通勤の際に目に入る風景を描写する。②お店の看板を片っ端から読んで行く。③商品名や店名を、いろんな気持ちで声に出す・・・などなど。また、外郎売の台詞を毎日50回。新聞を全面に渡って声に出してみる。なんてこともやってました。それでわかった事は「練習は嘘をつかない」ということ。今の仕事は、その鍛錬の上に成り立っている、と言っても過言ではありません。さて、そんな私の教室の新人を募集します。10月スタートですが、興味のある方は下記のHPを覗いてみて下さい。ではまた・・・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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