ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

政治家の話し方について

2009年09月27日 | Weblog

先日の総選挙の結果、歴史的といわれる政権交代が行なわれました。前回の総選挙のあたりから感じていたのですが、政治家の皆さんにも話し方の上手な人と、そうでない人がいて、後者は相当なマイナス要因になっているのではないかと思います。前回の選挙で強烈な印象で有権者を引っ張った印象の小泉さんは、実に上手い話し方をする人でした。演説だけに限らず、インタビューなどでの受け答えについても同様のことが言えるでしょう。その要因の一つに“間”の取り方があるのですが、ご本人達が気付いているかどうかはわかりません。私達の仕事の考え方から言うと、間というのは「取るもの」で「空くもの」ではありません。キチンと意識して「取る」ことが出来れば良し、勝手に「空いていた」のでは具合が悪い、ということです。その“間”を上手く使っていたのが、小泉さんでした。では今回の選挙での皆さんはどうだったか、というと・・・新総理になった鳩山さんは「誠実さ」が出ていて、決して上手ではありませんが、好印象だったのではないでしょうか。誠実さとは、強引に押し付けるような言い方ではありませんよね。それに対して敗れた自民党の麻生さんは・・・だみ声+相手陣営の非難という組み合わせは、好印象とは大きくかけ離れてしまった要因になってしまったかな、と思います。“だみ声”というのは元々、あまり印象の良いものではありませんから、その声で相手を悪く言うと、日本人というものは悪い印象を受けてしまいがちです。これ以上個々の話し方について述べるのは止めておきますが、その他の皆さんについても良い印象を与える話し方というものを学んだ方が良さそうな議員さん候補者さん、多数いらっしゃったことだけ報告させて頂きます。

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                     塾長 ナレーター・伊藤英敏


読み間違い?

2009年09月22日 | Weblog

先週のある日、某大新聞の記事欄の文言に「・・とは行かなさそうだ。」とあったので、メールで「市民権を得たのですか?」と問い合わせをしたところ、ご指摘の通り間違いで「・・とは行かなそうだ。」が正しい日本語でした、との返事がありました。また最近、大新聞と大週刊誌に「・・満面の笑顔の○○氏」という写真の紹介がありました。“面”とは顔のこと、能の世界では“オモテ”と呼んで大変重要な存在のものです。つまり、顔の中に笑った顔がいっぱいある、という意味になってしまう訳ですが・・・。ここ数日間、新聞の紙面を飾らない日のない「八ッ場ダム」。“やんば”と発音するのですが、当初は“やつば”とするナレーターもいたらしいです(私は現認していませんが)。その原因は、おそらくですがチェック機能の不備ではないしょうか。私達ナレーターの仕事に携わる立場の人間にとって難しいのは、原稿を目で見たのと、読んだのを聞いたのでは違うということです。もちろん読み間違いは論外なのですが、普段の会話では使わない様な言葉についてはナレーターが読んで、それを聞いて初めて判断するのですから、そこでチェックできなければアウト!ということになります。大新聞や大週刊誌のミスは、私にとってはまさに「他山の石」・・・これ、間違ってないかなぁ・・。

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ナレーターの勉強

2009年09月11日 | Weblog

今日の授業から・・・今日のクラスは数少ない生徒が都合で休み多く、たった一人の個人レッスンでした。こちらの思い込みも強いから、“ひとり”となると熱が入ってしまうのですが、今日は一つ一つの言葉の表現を要求してしまいました。そんなこと言ったって、難しいわなぁ・・とは思いながら「御飯がちゃんと見えてるか!」とか「いろ~んな御飯の食べ方が見えるか!」とか「鰹節と言ってるけど、何見て言ってんだぁー!」なんて、追い込んでしまうのではありますが。これは、私が実際にもの凄く悩んだことなのです。何も色がない、とか、ニュアンスをもっと、なんて言われて悩んだこと、それはもう大変でした。仕事の度に“全然できない自分に、歯がゆさや苛立ちをおぼえた”ことを思い出します。でも、その当時に強く要求されたからこそ、今になってなんとか出来るようになってきたかな、そんな思いです。芸歴三十五年の人間に追い込まれたら、さぞ辛いかもしれないけど、それが出来るようになったら、こんな楽しい仕事は無いのではありますが。

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ナレーターとアナウンサーの話し・・その3

2009年09月07日 | Weblog

サラリーマンとは違う・・と、前回お話しました。サラリーマンアナウンサー、つまり局の社員アナウンサーということは、他の社員と条件は基本的に同じなので、重要な規定にでも違反しない限りは“クビ”にはなりませんね。よほど向いてないと判断されて異動対象になることはありますが、そうでもなければ例え仕事で失敗をしても次の仕事が与えられるのが普通です。ところが、フリーのアナウンサーやナレーターというのは、失敗をすれば“次”はありません。私にも苦い思い出があります。局を辞めたばかり20代後半の頃、CMナレーションの仕事でディレクターの要求に応えることができずに、最後はNGになってしまったことがあります。そのディレクターからは、その後二度と仕事の発注はありませんでした。「殺生なことをせずに、若手を育ててくれれば・・・」なんて、そんな甘い世界ではなかったのです。そのディレクターもフリー、スポンサー、代理店、プロデューサーは小さい制作会社で代理店から請け負った立場、効果音や音楽の音屋さん、スタジオは一時間数万円の高い料金・・・などなど、MA(最後の音声収録と整音作業)の場に集まった方々を、結果的にもう一度集めることになる訳です。その費用は・・・ということで、私は2度目の現場にはいないのですが、その分の費用が余計にかかってしまったのです。その原因はズバリ、私の“下手さ加減”です。で、私には次の仕事はありません。若気の至りではすまされない状況・・・そして、仕事は常に「崖っぷち」だ、というのが私の持論となりました。

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ナレーターとアナウンサーの話・・その2

2009年09月04日 | Weblog

「ナレーター」という職業についてですが、私の棲んでいる世界では、当然ナレーターという職業について知らない人はいません。しかし、一歩外に出ると話は別です。“アナウンサー”といえばわかるけど“ナレーター”ではわからない人が、まだまだ存在します。私の兄にさえ「そんなんで食えるの?」と言われたことがあります。私が業界に入った頃ほどではないと思いますが、例えばアパートを探す時に不動産屋さんに「ご職業は?」と必ず聞かれますね。「ナレーターです」と応えると「?」という反応が多いのではないですか。家主に説明するのに「ナレーター」では難しいでしょう。何故かというと、まだまだ社会的に認知された“安定職業”とは思われていないからです。その通り、ハッキリ言って安定はありません。収入の不安は常につきまとっていて、私自身もここまでやってこれたのは、あくまでも『結果』であって、将来を約束されたものは全くない状態です。今でも、それは変わりありません。局のサラリーマン(もしくはウーマン)であるアナウンサーとは、全然違うのです。で、この違いがナレーターを生み出しているのではないか?と思うこともあるのですが、それについては、またにしたいと・・・この話は長くなりそう・・・。

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