ナレーター・アナウンサー養成塾

ナレーターとアナウンサーの養成と、現役プロのスキルアップの為の塾です。

どうしようか・・・と

2008年02月23日 | Weblog

平日の午後は、汐留にある日本テレビの報道局に詰めています。ニュースなので、極力“正しい日本語”でナレーションにあたるようにしているのですが、これがまた難しいのです。例えば『藁をもつかむ』のか『藁をもすがる』のか・・・正解は前者。“すがる”を使うのは、『藁にもすがる』です、ごちゃ混ぜになったのですね。調べてみると後者を使う人が7割を占めるとかで、これもびっくりです。ニュースは当然のことながら、新しさが命。急いで書き上げる原稿に、思わず使ってしまう間違った日本語が出てしまうのは否定できません。最近多いのは『怪我を負う』という言い方です。ご存知のように“怪我”という言葉には、骨折や切り傷といった傷そのものの意味だけではなく、その傷を体が負う、という意味が含まれています。ですから、『怪我を負う』は『傷を負うことを負う』という意味になってしまうのです。傷は“負う”ものですが、怪我は“する”ものです。私たちの現場は、マイクの前、つまり最前線にあたります。大げさに言うと、そこで最終チェックをしないと、おかしな日本語はそのままONAIRされてしまうことになるのですから、思ったより責任が重い現場だということでしょうね。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/


安定したナレーター

2008年02月11日 | Weblog

30年も同じ仕事の量と、それに応じた収入を得る・・・・私見ですが一種ナレーターの目標ではあります。しかし、そういう状態のナレーターは数少ないものと思われます。何故かというと、仕事をして何ぼという成り立ちですから、仕事の少ない時は必ずあるものなのです。それも極端に、昨年の半分だったとか3分の1だったとか、逆に3倍になったということもある訳です。これも私見ですが、流行のあるものは必ず廃れる、というのもナレーターの世界に当てはまると思っているのです。あまりに流行れば、必ず飽きられるのは世の常。必ず廃れる時がやって来る、ということは流行れば流行るほど、油断せずに鍛錬を重ねることが肝要なのではないかと・・・。その鍛錬というのは、原点に戻って基礎を丁寧に積み重ねることではないかとも思います。野球でもサッカーでも、その他のスポーツでも基礎力が最終的にモノをいうのと同じで、常日頃から基礎力の鍛錬をし、それをベースに様々な要求や状況に対応する力を発揮する・・・。私がこの世界に入ってから現在まで、その考えは全く変わっていません。安易にテクニックを使ったり奇を衒うことをせずに、あくまでもベーシックなシャベリを原点に仕事に臨むことが、長い間変わらずに安定した仕事量と収入が確保できる最大の手法だと思っています。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/


早くも二月

2008年02月06日 | Weblog

先週末に、私の所属する“大沢事務所”の新年会にあたる「春の集い」がありました。場所は、東京・赤坂の赤坂プリンスホテル。所属160名ほどのうち、仕事と重なったり体の具合がもう一つの役者が約100名と、事務所スタッフあわせて130名ほどが参加しての立食パーティーです。年に一回この時にしか会わないという人も多く、最年長組の私としては、後輩達に現在の仕事量について話を聞くことに努めました。予想通り「少なくなった」という人が多く、仕事をして何ぼの商売としては非常に厳しい状況を察し、頑張ろうという気持ちで行こうよ、と言葉を残すくらいしかできない自分に歯がゆい思いもしましたが・・・。あらためて、この職業の安定的な有り様というのを考えてみる良い機会になりました。確実に安定した状況というのはありません。それはまず、仕事には注文主がいて、私達はその注文主の要望に応えるという立場に過ぎず、こちら側から仕掛けることは大変難しいということです。特にCMナレーションの場合には、そのCMのプランに合ったナレーションを求めてくる訳で、合わない役者に声はかかりません。その声のかかる数の多さで、収入も変わってくることになるのです。しかし、そんな中でも何とか安定した収入の望める方法はないものか・・・。それは、30年以上前に私がまだ地方の局アナだった頃に、フリーになったらどうすれば良いのかを考え始めてから、現在でも変わらぬ課題でもあるのです。では、その答えは・・・・また次回。

http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏