ナレーター・アナウンサー養成塾

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アナウンサーとナレーターの読み・・・Ⅵ

2005年08月04日 | Weblog

「そんな風に言わないだろう!!」演出の厳しいダメ出しの声が稽古場に響く毎日。確かにそんな風には言わないな・・・と悩む。そのうち、これかな?って思う瞬間が来る、でもまたすぐにわからなくなってしまう。こんなことの繰り返しでした。何となく言えた時の感覚が、少しずつ拾えるようになるのですが、それは何と言うか“体を通る”感覚なのです。つまり、それまでの私の仕事でのしゃべりは、ずっと口先だけだったことに気がつくのです。体を通る感覚というのはどういうことか・・・理論的に考えると、多分“響き”ではないかと思えるのです。声帯とその周辺だけの響きだと、相手の体に届かないのではないかと・・・ということは、できるだけ多くの共鳴部分をより自然に使えるということが、より大きな響きにつながり、表現力や説得力につながっていくのではないか、と私は考えています。日本語というのは、子音と母音がワンセットになって一つの音節を作り出しています。たとえば、子音「s」と母音「a」とがせっとになって「sa(さ)」という音節を作っているのです。子音は“声”ではありません。声(音)はすべて母音、ということは響きにつながっているのは母音のアイウエオだけです。体を通る台詞、これは母音の響きが如何にしっかり出るかということになるのではないか・・・もちろん、それだけではありませんが、かなり重要な要素であることは確かだと思っています。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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