悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

他人(ひと)の呼び方

2015-06-23 18:18:29 | 雑記

人は、その関係のあり方によってさまざまな呼び方、呼ばれ方をする。
今、私は、渡辺、渡辺さん、なべさん、なべちゃん、敏夫さんなどと呼ばれている。

人は、集団あるいはその属性で呼ばれる場合がある。
例会の帰り、電車の中で知り合ったろう者に、Uさんは、私を「(健)聴者」と伝えた。
「健聴者」とは、「健全な聴覚を持つ者」ということだろう。変な言い方だ。
聞こえる人のことを「(健)聴者」と言い、聞こえない人のことを「ろうあ者」、「ろう者」、
「聴覚障害者」、「聴力障害者」などと呼ぶ。
聴覚障害者の全国的な団体は、今でも「全日本ろうあ連盟」と名乗っている。
聴覚障害者という言い方では表しきれない、文化的、言語的な歴史があるためである。
手話は「日本語とは違う言語体系を持つ」、「ろうあ者には独特の文化がある」として、
誇りを持って「ろうあ」を名乗っている。
私は、多少ともろう者の文化や「日本手話」に触れた者として、優れた面を理解できる。
ろうあ者は、ろう学校で「日本語」を学ぶが、ろう者間で学び合い、獲得していくのは、
独特な文法を持つ「日本手話」であり、私はごく一部分しか(ほとんど)理解できない。
彼らは、私と話すときは「日本語対応手話」で話してくれるので、ある程度理解できる。

そんなろう者を例会の場で呼ぶとき、私は、どう呼んだらよいのか迷うことがある。
会員間で、「ろうあ者」と、ひとくくりで呼ぶ(扱う)のは、何か失礼な感じがしている。
できれば、「Oさん」、「Uさん」、「Hさん」、「Yさん」などと呼ぶのが良いと思っている。
文章などの中で、私たちのことを「(健)聴者」と呼ぶように、「ろう者」、「ろうあ者」と
いうのは良いが、例会の場で、「ろうあ者」がいない、「ろうあ者」がまだ集まっていない
などと大声で言うのには、なにか「違和感」が残る。

できれば、会員間で、適切な呼び方を探したい。
それが、互いの関係をきちんと保つ取り組みに繋がると思う。