動物を扱ったテレビ番組では、対象の動物に対し、思い入れたっぷりに描くことが多い。
弱肉強食の世界を描くのに、「母鳥は雛を守ることができるのだろうか?」とか、
その直後に、より弱い動物を捕ってきて子どもに与える場面などを見せられると、
その「獲物」の子どもはどうなるのと言いたくなる。
淡々と描くのならば良いが、どちらかの立場に立って描くので、違和感は激しくなる。
そこでは何気なく敵味方が設定され、制作者の好み、価値観が反映されるのが常だ。
世間で表現される好き嫌いの感情も、誰かの個人的感情(感覚)であったものが、
無批判に、思わぬ方向に拡散され、変質して、一定の存在感を発揮してしまう。
ここに、私は、大きな怖れを抱く。