悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

母の命は手の内にある

2015-06-02 20:34:08 | 雑記

母の車椅子を押すとき、最先端にあるつま先を、柱その他にぶつけないように注意する。
原則的には、ゆっくり、段差では衝撃を抑えて、傾斜地では後ろ向きに移動する。
バカまじめな介護事業者のスタッフは、緩やかな傾斜でも後ろ向きに移動したりする。
平らなところではかけてほしくないが、面倒にもブレーキは必ずかけてしまう。
私は、傾斜のないところではブレーキはかけない。

2年ほど前、心臓がきゅっとなった出来事があった。
「平成園」に迎えにいったとき、玄関前で母を車に乗せようとしていた。
その時はブレーキをかけていたと思うが、母は自分で解除したようだ。
母を車に乗せる準備をしているうちに、母の姿が見えなくなった。
見渡すと、道路の反対側にいた。片側一車線の通行の激しい通りだ。
偶然にも、通行の合間を縫って、反対側に移動してしまったらしい。
平成園の玄関前は、けっこう傾斜があり、ブレーキをしないと、危険な場所だ。
命拾いをしたわけだが、母は平気な顔をしていた。